空への距離

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じゃあ今日は、十勝岳を登ってみようか。

十勝岳は何を隠そう、日本百名山の1つなんだよ。(今日知ったよ)

家からバイクで40分ぐらい鬼走りしたら、この望岳台ってとこに着くよ。
鬼走りしたのは起きたらもう朝の10時を過ぎていたせいだよ。
朝の10時を過ぎてしまったのは寝たのが朝の4時だったせいで、すべては携帯ゲームのせいだよ。

ちなみにこの場所がすでに標高900m。
十勝岳は2077mらしいので、あと1177mだけ登ればいいんだよ。(今知ったよ)

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歩きはじめて早々にして、なんだか岩がゴロゴロしてて歩きにくいよ。
さすがは節操もなく噴火ばっかりしてる山だね。

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まだところどころ雪が残ってるよね。

そんなことよりもう疲れてきたよ。ついでに暑いよ。マメな休憩が必要だね。

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眼下に広がるのはたぶん広大な美瑛町のどっかそこら辺だよ。

そんなことよりまだ1時間も登ってないのにもうヘトヘトだよ。1分に1回ずつ休憩しないと倒れそうだよ。
工事用安全靴はつま先に鉄板が入っていてそれが指に当たってそこそこ痛いよ。
道端の可愛らしい高山植物を観察して満ち足りた気持ちになる余裕もロクスッポないよ。

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広いくぼみに広範囲に雪が残っているね。
スキーかボードがあれば帰りはラクができそうだよ。
でももうすっかり今すぐ帰りたい気分でいっぱいだよ。

なるほど、人間の身体というのはとてもよくできていて、
長らく必要とされない部位は機能を縮小させて省エネ化するんだね。

おかげで僕の身体はエコ的ではあるがまるっきり運動に向かない状態で、
その証拠に両脚が生まれて3分後のバンビちゃんのようにガクガクしてるんだよ。

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そのほとんどを休憩に費やしつつ、1時間半ぐらい登ってきただろうか…。
ここは標高1700mぐらいの地点だよ。

あの岩ゴロッゴロの呪われた斜面を、
20m歩いては座りこんで休むぐらいの牛歩戦術を駆使して、超無言になりながら登ってきたら、
こんな素敵な歩きやすそーな場所に出てきたよ。

あと距離にして800mぐらいで頂上らしいし、これならか弱い僕でもなんとかなるかもしれないね。

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何コレ。
最後になっていきなりわけのわからんワイルダーな岩斜面が出てきたよ。こんなの聞いてないよ。

ところで望岳台のビジターセンターでは山に持っていけそうな食料がチップスターしかなかったよ。
仕方がないのでその150円で買ったチップスターをこの岩場で食べるとするよ。
疲れきった身体に塩気がいい感じでなんとなく風が心地いいよ。

身体がしんどいと余計なことを考えなくなるのは1つの効用かもしれない。
でもそもそもしんどいのがイヤなんだよ。

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なんかちょっとガスってきたけど気にしたら負けだよ。

それにしてもなんでこんなトコに来ちゃったんだろう。思いつきって怖いよね。

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意識朦朧としてるけど、ようやく登頂を果たしたよ。
3時間ぐらいかかったよ。
たぶん山登りが趣味でお達者なお爺さんお婆さんと同じくらいのペースだよ。

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妖気をヒシヒシと感じているよ。

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下りは楽だ…。
なんといってももう登らなくていいのが素晴らしいよ。
でもなんか脚の違う場所が疲れるね。
歩くのがしんどいからといってスライディングしながら下りてると、
時々豪快に転んで手のひらとか擦りむくから気をつけたほうがいいよ。

登りが登山道で、下りが雪原ならもう言うことないのにねー。
人生うまくいかないもんだよ。

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雪解け水が冷たくて気持ちいいけどなんか白く濁ってるよ。
うっかり飲んだらお腹の中から破滅が押し寄せそうだよ。

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はーい望岳台に戻ってきました。
奥に見える噴煙の横の一番高いのがたぶん十勝岳だよ。
あんなトコまで行って帰ってきたかと思うと生命の神秘に愕然とするね。

登り3時間、下り2時間の計5時間。

はっきり言ってグゥの音も出ないぐらい疲れたよ。
でもこのあと僕は旭川までレンタルDVDを返しに行ったんだよ。
人間って次の行動が読めないよね。

それじゃあまたねー。