4月27日(火)その1 コントラスト
宿を早くに出て、6時半にスタート。
さて。これからいかにも、上り坂だ。
見るだけでもウンザリする。
まずはこの坂を越えて、次に高地を突っ切る。
明日の天気は少し微妙な感じみたいなので、やはり今日が勝負だ。
どこまで進めるか。
明日の天気は少し微妙な感じみたいなので、やはり今日が勝負だ。
どこまで進めるか。
坂…キツかった…。
いきなりだがもうバテた。
5キロの坂に1時間半もかかってしまった。
しょっぱなから5キロの激坂とは何事だ!
とにかく暑い!
もう汗だくでほら、やっぱり洗濯なんか意味ないだろうが!!
坂をのぼり切ると明らかに雪が増えている。
そして見渡すかぎり、わりと平坦そうだ。
ヒャッティの言ったとおり、最初の長い坂をのぼってしまえば、後はわりと平坦な地形が続くようだ。
よし、好機到来。
一気に走るぜ!
よし、好機到来。
一気に走るぜ!
え、ここからレインディアに注意?
それにしても25キロって長くないか。
どれだけ自由に活動してるんだ。
どれだけ自由に活動してるんだ。
2時間ちょい、15キロほど走ってきた。
最初の坂はホントどうしようかと思ったが、その後は順調。
目指すミーバトン湖まではあと104キロか。
あたりはいつのまにかまっしろ。まっしろだ。
ところで、この場所は新道と旧道の分岐地点である。
旧道は地図によるとフルダートなのでハナから走る気などサラサラないが、
ヒャッティに言わせると、そこは景観の素晴らしいオススメの道なんだそうな。
旧道は地図によるとフルダートなのでハナから走る気などサラサラないが、
ヒャッティに言わせると、そこは景観の素晴らしいオススメの道なんだそうな。
で、旧道方面。
オススメ…ね…。
そもそも道が見えんわ!
こんなとこ一輪車で行けるか!!
こんなとこ一輪車で行けるか!!
本当になんにもない。
そして俺がどこにいるかもわかるまい。
いや、意外とわかる。あっさりわかる。
まるでアイスランドの国旗だ。
そんな風に思う。
冷静に考えるとアイスランド国旗は青地に白と赤の十字架なので赤が足りないのだが、
それでもなぜか、アイスランドの国旗を思い出す。
それでもなぜか、アイスランドの国旗を思い出す。
長い直線が終わったコーナーでしばし休憩していると、
背後からやって来たクルマが止まった。男2人組が乗っている。
背後からやって来たクルマが止まった。男2人組が乗っている。
「大丈夫か?乗せてってやろうか?」
「いや、大丈夫。ちょっと休んでるだけだよ。」
「昨日、テレビで見たよ。クレイジーだな!」
「そうでもないよ。そうだ、明日の天気って知ってるかな?」
「天気か、よし、ちょっと調べてみよう。ところでキミは中国人か?」
「日本人。」(3回目。)
運転手のほうが携帯端末で天気を調べてくれた結果、どうやら雨や雪の心配はなさそうだ。
それはよかったが、それにしてもこんなところですら電波が届くのか…。
「これからミーバトン湖に向かうんだろ?あそこにはいい温泉があるからぜひ行ってみるといい。」
そう言い残して彼らは去っていった。
うーむ、昨夜のニュースの効果が早くも。
ひょっとして俺は今、アイスランドでちょっとした有名人なのやもしれん。
ひょっとして俺は今、アイスランドでちょっとした有名人なのやもしれん。
長距離を走った後の温泉が今から楽しみだ。
何かアンテナみたいなのが立ってるな。
そろそろこのあたりの最高高度に達したのだろうか。
風は冷たく気温は低いのに、陽射しは強い。
今は運動しているので暑いぐらいだが、
もしここで夜になったら確実に冬山キャンプになってしまうだろう。
今は運動しているので暑いぐらいだが、
もしここで夜になったら確実に冬山キャンプになってしまうだろう。
昨日、もしあの宿に泊まらずに進んでいれば、おそらくこのあたりで夜になっていたハズだ。
ニュースを観るためだったとはいえ、つくづくいい判断をしたと思う。
今、こんなに天気も景色もよくて走りやすいのは、この道のほんの一面に過ぎないのだと思う。
ニュースを観るためだったとはいえ、つくづくいい判断をしたと思う。
今、こんなに天気も景色もよくて走りやすいのは、この道のほんの一面に過ぎないのだと思う。
うわぁ…。ついに来たよ、雪道。
しばらく耐えてフラフラと走ってみたが、バスが迫ってきたのを機に歩きにチェンジ。
雪道と言っても薄いもので助かった。
雪に覆われている区間も5キロほどで、大して問題にはならずに済んだ。
雪に覆われている区間も5キロほどで、大して問題にはならずに済んだ。
そういえば4月の初旬、アイスランドに来て間もない頃に、
「アイスランド北部ではタイヤを替えるの?むこうは雪よ。」
みたいなことを言われたよなぁ。
今にして思えば、あの頃だとまさしくこのエリアは雪国だったのだろう。
今にして思えば、あの頃だとまさしくこのエリアは雪国だったのだろう。
一周ルートを逆時計回りにしといて本当によかった。
実録・独り言をブツブツ言いながら白い世界を走る男の動画
積雪地帯を越えてからしばらくすると、標高が少しずつ下がり始めてきた。
遠くに見える山もさっきまでと違って真っ白ではない。
とりあえず、最も美しくも怖ろしいエリアは越えたかな?
さっき俺を追い抜いて行ったクルマが、前方で止まっている。
そしてクルマから下りてきた皆様が、カメラを持って俺を待ち構えている。
両親と娘の3人家族らしい。
そしてクルマから下りてきた皆様が、カメラを持って俺を待ち構えている。
両親と娘の3人家族らしい。
話しかけられたのでユニサイクルを下りると、なんだか凄い勢いで賞賛される。
さらに高校生ぐらいの娘の希望でツーショット写真まで撮られる。
その写真、俺にもくれ!と思ったが、なぜか口には出せず。
褒められまくったせいで、思わずストイックな自分を演出してしまった。悪いクセだ。
さらに高校生ぐらいの娘の希望でツーショット写真まで撮られる。
その写真、俺にもくれ!と思ったが、なぜか口には出せず。
褒められまくったせいで、思わずストイックな自分を演出してしまった。悪いクセだ。
その後も何度かクルマの人々に写真を撮られる。
誰かが撮ってネットにアップしていたこの写真も、
おそらくこのあたりを走っていた時に撮られたものだと思う。
対向車に乗っている人の笑顔や手を振ってくれる率も普段より高まっているような気がするし、
これはやはり、昨夜のニュースの影響が少なからずあるのだろう。
これはやはり、昨夜のニュースの影響が少なからずあるのだろう。
久しぶりに大きな川を見た。標高が下がってきた証拠だ。
水を補給して、ホッと一息。
難所は越えたっぽいけど、まだまだ先は長い。