曲がり曲がらでおくべきか

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今は冬だ。
5、6月に走った前半とは色々と違う。

気温については、12月の西日本よりも5月の北海道のほうがさむいぐらいなので、あまり気にならない。
走ってる間はむしろこれぐらいが快適だ。
夜はさすがにちょっと冷えるけどな。

問題なのは、日照時間が短いこと。
春は19時過ぎまでなんとか明るかったのに、今は17時半でもう暗くなる。
いったん暗くなると、よほど条件が揃わないかぎりユニサイクリングはできない。

そんな夜が来た。
ルートは結局海沿いの国道250号線が広くて走りやすいってことで落ち着いていたのだが、
姫路を完全に抜けたあたりで急に道が暗く寂しくなってきた。
海岸に沿って断崖状のアップダウンを右に左にクネクネと、
歩道もあったりなかったりのワインディングを延々と歩かされる。

そうか、たしかこの辺の道は「七曲り」って言うんだったか。
バイクで流すと気持ちよい道なんだが、夜に歩くとなるとな…。
初日からさっそく前後ライトをピカピカ。
非常に暗い道だが、クルマが少ないのと今夜の月明かりが救いだ。

暗いウネウネ道のさなか、たまーに漁港と小さな集落があって、
ささやかな明かりを眼下に見下ろすことができる。
こんな集落にも、1人ぐらいは思いがけないような美少女が住んでいるに違いない。
そう考えるだけで、この小さな漁師町にしばらく滞在してもいいような気がしてくる。
人間、よくできてるな。
数えられそうな町の灯りを眺めつつ、妙なことでしみじみする。
旅だ。

それにしても、長い。
いつまで続くんだこの七曲りは。
もう48曲がりぐらいしたような気がするぞ。
ユニサイクリングと徒歩を交互に繰り返すから長く進めるのであって、
歩くだけだとさすがにくたびれる。
休むところもない。コンビニはもちろん、自販機すらあまり見ない。
ここで初めてGoogleマップをチェック。

げっ。

これはヒドイ。
インド人もカレーが喉を通らなくなるレベルだ。
相当ヒマな人は、Googleマップで国道250号線の姫路から相生(あいおい)に至る道のりを上から見てみるのも一興だろう。

ものっすごいギザギザ。
すぐ北を走る国道2号線と比べると、圧倒的な遠回り。
そりゃ通るクルマが少ないはずだ。

しかしこの区間、こんなに長かったのか…。
バイクで走った記憶ってのは本当にアテにならん。
あ、前も同じようなこと言って失敗してた気がする。

やれやれ。
「できるだけ最短距離をラクに走って縦断したいでーす!」
なんて言ってるヤツがこの道をチョイスすることは普通、ない。
しまったねぇ。フフ。
でもここまで来たら、このまま相生まで行くしかないよな。
いつのまにやら21時近くだ。
ひたすら歩く。

しかしまぁ、変な道に来てしまったのはさすが俺としても、
旅の初日にしては思ったよりも歩けているのが意外だ。
前半を終えてからの5ヵ月間、いつもどおりロクに鍛えてないのに。
筋肉以外の何かがちょっとは身に付いたのかな?
そうだと嬉しい。

そんなことを考えていたら、ようやく相生に到着。
大して広くもない町なんだが、
コンビニやスーパーがあるだけで、こんなにもありがたい。

相生には「あいおいペーロン城」という、
えもいわれぬ名前と外観の道の駅があった。
なかなかよさそうだ。今夜はこのあたりで寝るとしよう。

後半初日の走行距離は、65キロ。
11時から出たにしてはまあまあ進めたかな。
しかしその何割かはジグザグルートや七曲りでまったくムダになっているのが笑える。

ま、急ぐ理由もないか。
始めてしまった以上は。