こんなの冬なんかじゃないやい!

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日が完全に昇り、いよいよ暑くなってきた。
来たねー南国!
俺としてはこれはもう…冬とは言えない…。

だが!依然としてと言うよりもさらに激しさを増す声援の嵐!
眼前にはちょっとイヤンなぐらいの坂、
普段の俺ならなんの躊躇もなく歩くところだが、
ここは沖縄、異常に注目される島っ。
行かねば!行くぜ!行けよ!

ぐぅ、さすがにこれはキツかった!しかしなんとか登頂成功!
ってところで、またもやクルマが待っている。
そして中から沖縄風味全開の愉快な大家族が。
俺を目撃してわざわざUターンして戻って来たんだそうな。

「あの坂を上ってくるのかなーなんて話してたんだよ!」

なんて言われ。
あーーー、上っててよかった。
もしここで歩いてたら、
全世界で28人ぐらいはいるかもしれないユニサイクルツーリスト達の、
とんだ面汚しになるところだったよ。

愉快なご家族はお土産として沖縄っぽいゴツゴツしたミカンと、
チマキっぽいけど決して断じてチマキではない紅芋のモチ(名前忘れた!)を下されたのである。
日ごろコンビニかスーパーでしか食糧を買わないので、
こういう普通では手に入らない土地の食べ物はとても嬉しい。
どうもありがとう!

ここから先は恩納村(おんなそん)かな。
さっきの家族によると、まっすぐ行けば山越えバイパス、
左に曲がれば海沿いの旧道だそうだ。
ダンナさん的には古い町並みや海が見られる旧道がオススメっぽかったし、
俺としてもさらなるアップダウンチャレンジは勘弁して欲しいので、旧道へ。

旧道は交通量も少なく、人の目が減ってホッと一息。
だがここにもいたサイクリスト集団にはまんべんなく驚かれ、励まされ、
あげくに米兵サイクル軍団からも「ガンバッテ!!」と応援される。
なんでまた今日はこんなにサイクリストが多いのだろう。
走り初めったってこんな一斉にマンボウの産卵のように…。

それに俺は思うんだが、これだけ歩道が完備された沖縄、
自転車もいいが一輪車にも最適だぞ!
なんで誰も乗らないのか本当に不思議でならない。
短い距離で自転車なみにカロリー消費できておトクだと思うんだが。

おや、万座毛(まんざも)、国道から700メートル?
万座毛ってのは沖縄の観光名所のひとつだ。
これも行ったことはあるのだが、さっき残波岬に寄らなかったし、
近いし、これぐらいなら行ってみてもよい。

そして万座毛。
観光客、観光バス多し。
そうか、これはまさしく、

『常夏の島で過ごす!魅惑の沖縄 お正月ツアー2泊3日』

とかいう感じのやつなのだな。
人が多いのでアホみたいな写真を撮るわけにもいかず、
サラリと流して万座毛撤収。
さっさと元の国道に戻ろうとしていると、
入口付近にいたバイクの2人組から声をかけられる。

カブとハーレーという対照的なバイクに乗ったこの二人、
実はそれぞれ内地から沖縄へやって来た移住者であった。
俺も内地から北海道へと移住しているクチなので、
日本で移住するなら北海道と沖縄ってのは究極の選択ですよねー、
なんて話から始まって、
沖縄のエグい移住事情から、基地関係のニュースには出ない裏情報まで、
ブログに書けないようなことも含めてたくさん教えてもらった。
これはいいことを聞いたよ。

ところで先に沖縄の田舎の歩道には人がいないと書いたがこれは事実らしく、
沖縄ではすぐ目の前に行くのでもクルマを使うので、
いいオトナが歩道を歩いていたりすると、
それだけでほとんど変人扱いされるらしい。
うわ、北海道とまったく一緒。

自転車も同様で、キメキメ以外のママチャリなどを乗り回そうもんなら、
近所で何を言われるかわからんぐらいの勢いなんだと。
確かに沖縄、ママチャリをほとんど見ないな!

すごいなー、北海道はまだ広いからクルマってのもわかるが、
なぜ沖縄が…。やっぱ、暑いから?

お二人の話が大変おもしろくて時間を忘れてしまったが、
俺は今日中に許田の道の駅に着きたいのであった。
まぁこのペースなら余裕とは思うが、明るいうちに着くに越したことはない。
お二人と別れ、さらに先をめざ!そうとした矢先。
なんキロも走ってないところで、
今度はクルマのカップルにドリンクをいただく。
ありがとう!

でもなんでみんな、坂のてっぺんで待ってるんだろうね…。
あぁ、駐車帯があるからだね。
俺を試してるわけじゃあ、ないんだね。

さらにその後、今度は平地でまたしてもサイクリストに遭遇。
この人はなんだかとてつもなく俺をおもしろがっているようで、
写真をもう撮る撮る。
ついでに、ちょうど近くに止まった白人女性サイクリストを巻き込んで、
一緒に記念撮影まで決行してしまう。
おそるべきパワーだ、この人物は一体!?
この人、もらった名刺によると『南国の自転車風小僧』安井さんと言って、
恩納村でレンタルサイクル屋を営んでいる、これまた移住者らしい。
これからの自転車の展望、一輪車旅の可能性などについて、縦横に語る話は興味深い。
あ、女の子がチャリに乗って行ってしまった…。
どこで売ってるのか星条旗のウェアがよく似合う彼女、
可愛い顔して嘉手納ベースに詰めるアーミーなんだそうな。
名前ぐらい聞いておきたかった…。

安井さんとの人生を見据えた熱い語らいを終え、俺はさらにゆく。
ようやく日も傾き始めている。長い一日だ。
許田の道の駅は名護の街の手前にある。もうちょい。

今日は異様に乗り続けでちょっとマタは痛いが、
ユニサイクルツーリストとしては確実にレベルアップした気がする。
17時過ぎ、夕陽とともに許田の道の駅に到着。

許田の道の駅。懐かしい。
11年前にバイクで来た時は、この道の駅にずいぶんと世話になった。
ここで知り合ったライダー2人と夜中に飲んで語り、
その時の海風が元で翌朝にはバッチリ風邪をひいたのだった。

道の駅は改装されたのか少し変わったようにも見えたが、
探せば以前と同じ部分はちゃんと残っているようだ。

夕方頃はなにやらお客さんが凄まじい。
とてものんびり寝たり旅日記を書いたりという状況ではないので、
道の駅が開いているうちにパンなどを買い込み、
ついでにちょっと奮発して、
隣の沖縄料理店でゴーヤチャンプルー定食800円を食う。
この店、医食同源を標榜してはいるが、
料理人はヒマを見つけてはネットに夢中というのがなんともいえない。
だが味とボリュームはなかなかであった。

そうこうしているうちに夜は更け、道の駅は閉まり、
人は激減し、数珠繋ぎだった国道の流れもスカスカになった。
今日もまたどうにか長い旅日記を書き終え、
今は湾の向こうに見える名護の街明かりが綺麗だ。
ときどき族車がやって来てやかましいのと、ちょいと冷えるのが問題かな。

今夜はここで安心して寝られるとして、明日はさらに北上だ。
ここより北だともう、
今日のような注目されまくりの大フィーバーは起こらないだろう。
ホッとする反面、少しは寂しくもある。

今日は本っ当によく声をかけられたからな。
日記にいちいち書けなかったような会話がいくつもあった。
天気もよく、心身も充実し、
思いがけず地元の人たちに大切にされた。
幸せな一日だったと思う。
声をかけてくれたみんなに、改めてありがとうと言いたい。

えーと、今日の走行は63キロだ。
時間的にはまだ行けたが、
沖縄は夜に走ってもつまらなそうだし、これでよしとする。
明後日からは天気が崩れそうなので、早めに準備もしておかないとな。

ほなまた!