もう、この島はっ!!
沖縄初日の夜は結局、港に近い公園でテキトーに寝た。
風が冷たいとはいえ気温は高め。
息も白くないし、確実に10度以上はあるだろう。
これなら寝袋1つでも充分ってことで、
九州では大活躍したダブルシュラフをついに卒業。
寝袋1つでもさほど寒い思いをせず、なんとなく朝方を迎えることができた。
少し寝不足気味ではあるが、昨夜は船で散々寝たので大丈夫だろう。
よし、コンビニで朝飯を食ったら出発だ。
7時を過ぎてもまだほの暗い那覇の街。
正月の2日目でクルマもまばらなのをいいことに、まずは歩く。
俺の場合、朝イチからガンガン走るってことはあまりないからな。
そんな時、車道を走ってきたシブいサイクリストが声をかけてきた。
一輪車の旅ってところに相当驚いている様子だ。
へー、一輪車は沖縄でも珍しいのかな?
彼はマツダさんと言って、今日が自転車の走り初めだそうな。
そういえば朝からチラホラ、
似たようなキメキメサイクルやバイクがバンバン国道をブッ飛ばしている。
なるほど、あれは沖縄恒例、新春走り初め大会だったのか。
マツダさんと写真を撮り、
俺が走った背後からも動画らしきものを撮られたりしつつ、再出発。
そろそろ完全に日も昇り、俺もエンジンがかかってきた。
今朝の風は向かい風だが、走れないほどではない。
気候は、本州で言うと10月中旬ぐらいだろうか。過ごしやすい。
道端にはアイスクリーム屋が出てたりするが、
それはさすがに買う人は少ないと思うぞ。
いつしかクルマが増えてきた沖縄の大動脈、国道58号線。
クルマも多いが、バイクの数も凄い。
そしてその多くが、何かに取り憑かれたように激しく飛ばしている。
狭い沖縄、そんなに飛ばしてどうする。すぐに終わってしまうぞ。
リッターバイクなんか、ほとんど庭で遊んでる感覚じゃないか?
そして、うるさい!
レプリカもネイキッドもアメリカンも、それぞれうるさい!!
バイク好きの俺ですら思わず、
「このガソリン野郎が!!」と毒づいてしまうぜ。
まったくもう、これが沖縄の走り初めってやつなのか。
そんな刺すか刺されるかの車道はともかく、歩道は平和そのもの。
沖縄も田舎に来ると歩行者がほとんどいないしな。
どこまでも安定供給される歩道を走っていると、
店の駐車場に停まったクルマの横で、俺を待っているらしい男性がいる。
止まって話を聞いてみると、なんと彼、
山口県でも俺を見たような気がするとのこと。
12月に山口県の国道2号線を突っ走っていた旅の一輪車乗りと言えば、
それはもう105%俺だろうよ。
ほぅ、そんな奇遇なこともあるもんだな。
彼も山口と沖縄で二度も俺を目撃してしまったとあっては、
ついに声をかけざるをえない心境になってしまったのだろう。
この場は写真を撮って去ったが、彼は後からクルマで追いかけてきて、
わざわざコンビニの弁当とミネラルウォーターを差し入れてくれるのだった。
どうもありがとうございます!
普天間をパスして国道をさらに北上すれば、北谷(ちゃたん)を通る。
北谷は観覧車がトレードマークの遊びの町である。ここも久しぶり!
まだ10時前なので賑わってもいないが、写真を撮るにはむしろ好都合だ。
ところで。
クルマが増えてきて以降、むやみやたらと声をかけられるのだ。
老若男女問わず、ガンガン応援され、話しかけられまくる。
土地の人とのふれあい率は、すでに今日が間違いなく、
これまでの一輪車旅の中で最高である。
これが沖縄だからなのか、正月だからなのか、よくわからんのだが…。
それはいいとして、頻繁に声援を受けまくるために、
かえって休むヒマもないとはなんたる異常事態なんだ。
だから、ね!坂を、上ってる、最中に!
無邪気な、黄色い、声援を送るの、は!
やめて、くれないかなーーーっ!っと!!
よーしまた一本上りきった!!しんど!!
おいおい、今度は俺と並走して写真を撮りまくるクルマが!
許可を求めてくれるから別に構わないが、もう止まったほうが早そうだ。
そんな一輪車旅に興味津々な彼らは、意外なことに中国人留学生。
琉球大学で医学部や工学部に所属している3人らしい。
しかしまた日本語うまいな!
一輪車旅について、ヤケに多角的な質問を繰り出してくる彼ら。
スポンサーをつけるなりうまくやればお金を儲けられるのでは?とのこと。
なるほど、さすがに経済観念が発達している。
こうでないとこれからの国際競争では勝ち抜いていけないのかもしれない。
でもね、俺はこの一輪車の旅にあまり金銭的な事情を絡めたくはないんだ。
そのほうが何も気にせず自由に、好き勝手にやれるでしょ。
そう言うと、彼らも理解はしてくれたようだ。たぶん。
次は読谷村(よみたんそん)か?
沖縄は地名にイチイチ読み仮名をふる必要があるから面倒だな!
って確か11年前の旅日記にも書いたような気がするぞ。
残波岬はその11年前に行ったから、今回は鮮やかにスルーだ。
だって遠いもん!
今日は調子がいいほうだ。
なんせ熱い注目を浴びすぎてメッタに歩いたりもできないしな。
歩道もかなり走りやすいし、朝から走りづくめ。
これはひょっとして、伝説の100キロコースか!?
しかし、一周でも200キロちょいしかない沖縄本島、
こんな調子で駆け抜けると2、3日で終わってしまうぞ。
それもなんだかなぁ。
それにしても、なんでまた今日はこんなに声をかけられるのか。
そんなに一輪車が珍しいか!?
てっきり米兵やらがアメリカからユニサイクル文化を持ち込んで、
すでにあっちこっちでコロコロやってるのかと思ってたぜ。
いやそもそも、アメリカでもそんなにハヤってないのかもな、ユニサイクル。
でも、ここでひとつ気づいた。
俺も北海道では観光地に住んでいるからわかるが、
地元の人は観光客相手には、無難な「いい顔」をするものだ。
なんたって、金を落としてくれるありがたい存在だからな。
だが、俺を目撃してしまった人々の、あの驚きの顔、好奇に満ちた視線。
あれは間違いなく作り物ではない、素の表情なんだと思う。
そんな顔にたくさん出会いながら今まで旅をしてこられた俺は、
実はちょっと人に自慢してもいいぐらいの、
貴重な体験をしてきたのかもしれない。
そんなことを、今さら思ったんだ。
うーむ、今日はどこまで行けるかなっ!!
風が冷たいとはいえ気温は高め。
息も白くないし、確実に10度以上はあるだろう。
これなら寝袋1つでも充分ってことで、
九州では大活躍したダブルシュラフをついに卒業。
寝袋1つでもさほど寒い思いをせず、なんとなく朝方を迎えることができた。
少し寝不足気味ではあるが、昨夜は船で散々寝たので大丈夫だろう。
よし、コンビニで朝飯を食ったら出発だ。
7時を過ぎてもまだほの暗い那覇の街。
正月の2日目でクルマもまばらなのをいいことに、まずは歩く。
俺の場合、朝イチからガンガン走るってことはあまりないからな。
そんな時、車道を走ってきたシブいサイクリストが声をかけてきた。
一輪車の旅ってところに相当驚いている様子だ。
へー、一輪車は沖縄でも珍しいのかな?
彼はマツダさんと言って、今日が自転車の走り初めだそうな。
そういえば朝からチラホラ、
似たようなキメキメサイクルやバイクがバンバン国道をブッ飛ばしている。
なるほど、あれは沖縄恒例、新春走り初め大会だったのか。
マツダさんと写真を撮り、
俺が走った背後からも動画らしきものを撮られたりしつつ、再出発。
そろそろ完全に日も昇り、俺もエンジンがかかってきた。
今朝の風は向かい風だが、走れないほどではない。
気候は、本州で言うと10月中旬ぐらいだろうか。過ごしやすい。
道端にはアイスクリーム屋が出てたりするが、
それはさすがに買う人は少ないと思うぞ。
いつしかクルマが増えてきた沖縄の大動脈、国道58号線。
クルマも多いが、バイクの数も凄い。
そしてその多くが、何かに取り憑かれたように激しく飛ばしている。
狭い沖縄、そんなに飛ばしてどうする。すぐに終わってしまうぞ。
リッターバイクなんか、ほとんど庭で遊んでる感覚じゃないか?
そして、うるさい!
レプリカもネイキッドもアメリカンも、それぞれうるさい!!
バイク好きの俺ですら思わず、
「このガソリン野郎が!!」と毒づいてしまうぜ。
まったくもう、これが沖縄の走り初めってやつなのか。
そんな刺すか刺されるかの車道はともかく、歩道は平和そのもの。
沖縄も田舎に来ると歩行者がほとんどいないしな。
どこまでも安定供給される歩道を走っていると、
店の駐車場に停まったクルマの横で、俺を待っているらしい男性がいる。
止まって話を聞いてみると、なんと彼、
山口県でも俺を見たような気がするとのこと。
12月に山口県の国道2号線を突っ走っていた旅の一輪車乗りと言えば、
それはもう105%俺だろうよ。
ほぅ、そんな奇遇なこともあるもんだな。
彼も山口と沖縄で二度も俺を目撃してしまったとあっては、
ついに声をかけざるをえない心境になってしまったのだろう。
この場は写真を撮って去ったが、彼は後からクルマで追いかけてきて、
わざわざコンビニの弁当とミネラルウォーターを差し入れてくれるのだった。
どうもありがとうございます!
普天間をパスして国道をさらに北上すれば、北谷(ちゃたん)を通る。
北谷は観覧車がトレードマークの遊びの町である。ここも久しぶり!
まだ10時前なので賑わってもいないが、写真を撮るにはむしろ好都合だ。
ところで。
クルマが増えてきて以降、むやみやたらと声をかけられるのだ。
老若男女問わず、ガンガン応援され、話しかけられまくる。
土地の人とのふれあい率は、すでに今日が間違いなく、
これまでの一輪車旅の中で最高である。
これが沖縄だからなのか、正月だからなのか、よくわからんのだが…。
それはいいとして、頻繁に声援を受けまくるために、
かえって休むヒマもないとはなんたる異常事態なんだ。
だから、ね!坂を、上ってる、最中に!
無邪気な、黄色い、声援を送るの、は!
やめて、くれないかなーーーっ!っと!!
よーしまた一本上りきった!!しんど!!
おいおい、今度は俺と並走して写真を撮りまくるクルマが!
許可を求めてくれるから別に構わないが、もう止まったほうが早そうだ。
そんな一輪車旅に興味津々な彼らは、意外なことに中国人留学生。
琉球大学で医学部や工学部に所属している3人らしい。
しかしまた日本語うまいな!
一輪車旅について、ヤケに多角的な質問を繰り出してくる彼ら。
スポンサーをつけるなりうまくやればお金を儲けられるのでは?とのこと。
なるほど、さすがに経済観念が発達している。
こうでないとこれからの国際競争では勝ち抜いていけないのかもしれない。
でもね、俺はこの一輪車の旅にあまり金銭的な事情を絡めたくはないんだ。
そのほうが何も気にせず自由に、好き勝手にやれるでしょ。
そう言うと、彼らも理解はしてくれたようだ。たぶん。
次は読谷村(よみたんそん)か?
沖縄は地名にイチイチ読み仮名をふる必要があるから面倒だな!
って確か11年前の旅日記にも書いたような気がするぞ。
残波岬はその11年前に行ったから、今回は鮮やかにスルーだ。
だって遠いもん!
今日は調子がいいほうだ。
なんせ熱い注目を浴びすぎてメッタに歩いたりもできないしな。
歩道もかなり走りやすいし、朝から走りづくめ。
これはひょっとして、伝説の100キロコースか!?
しかし、一周でも200キロちょいしかない沖縄本島、
こんな調子で駆け抜けると2、3日で終わってしまうぞ。
それもなんだかなぁ。
それにしても、なんでまた今日はこんなに声をかけられるのか。
そんなに一輪車が珍しいか!?
てっきり米兵やらがアメリカからユニサイクル文化を持ち込んで、
すでにあっちこっちでコロコロやってるのかと思ってたぜ。
いやそもそも、アメリカでもそんなにハヤってないのかもな、ユニサイクル。
でも、ここでひとつ気づいた。
俺も北海道では観光地に住んでいるからわかるが、
地元の人は観光客相手には、無難な「いい顔」をするものだ。
なんたって、金を落としてくれるありがたい存在だからな。
だが、俺を目撃してしまった人々の、あの驚きの顔、好奇に満ちた視線。
あれは間違いなく作り物ではない、素の表情なんだと思う。
そんな顔にたくさん出会いながら今まで旅をしてこられた俺は、
実はちょっと人に自慢してもいいぐらいの、
貴重な体験をしてきたのかもしれない。
そんなことを、今さら思ったんだ。
うーむ、今日はどこまで行けるかなっ!!