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よく寝たなぁ。

ふかふかのシーツは、
野宿にはない極上の眠りをもたらすよ。

家に入って何か食べる前には、
無意識に手洗いとうがいをしたりしてな。

2ヶ月ぶりで美瑛の丸太小屋に帰ってきたら、
途端に元通りが押し寄せてきた。

優しい感覚におおわれる。
帰ってきた。
荷物はむしろ減ったが、
いろんなものを抱えて。

この旅で売れたTシャツは、
相手をまったくの見知らぬ人に限定すれば、
たぶん20枚。

ビジネスとしちゃあ大失敗だが、
俺にはもう、今回の旅に関しては、
これ以上の素敵な展開はなかった。

俺に直接関わってくれた人や、
そうでもないけどなんとなく見ててくれた人も、
ありがとう。

旅をしていた俺は、
自分で命名したところの『旅の魔法』で包まれていて、
おかげで不思議な出会いや出来事があり、
いろんな体験や想いをして、
家にひきこもっていては何千年たっても創り出せないようなモノを、
いくつも生み出すことができた。

Tシャツに絵を描くのは、
今の俺には楽しい。
心がにぶめな俺に、
ようやくできた新しい興味。
これはもう少し、
飽きるまでやってみるとしよう。

ギターのほうは、
ハッキリ言って大して進歩してないなぁ。
でも日本中でいろんな人々が、
俺のギターに触れ、音を響かせてくれた。
それだけで俺は、それ以前の俺より、
少しは深く、そして豊かな音の世界に身を浸していると思う。
とりあえず、ストリートでの弾き語り。
これはそのうちガッチリやらかしてみたいもんだ。
先に作曲と、練習なんだろうが。

2ヶ月弱前に、
いびつな感じで走り始めた一本の線が、
そのままの不格好さを維持したまま、
それでも、ひとつの輪として今、閉じた。

よくわからんけど、そんな気がする。

線の色はずっと黒だと思っていたが、
もしくは赤とか、オレンジだったかもしれない。
意外と、ところどころ違う色ってのも悪くないかもな。

昨日、美瑛の丘でうっかり落とした大事な忘れ物を取りに、
今ふたたび丘にいる。

落とし物は、
丘の草の上にしっかりとあって、
俺を待ってくれていた。

ここの草原に寝ころんでいると、
そのうち、小さな羽虫が大量に寄ってきて、
実にめんどうなことになる。
そろそろ退散したほうが、いいのだが。

土地が広いのと、
空が広いのが、
俺がこの町を好きな理由だ。

今回の旅の輪は今ここで閉じたが、
すかさーず、次の輪が描き始められているわけだ。
今度はもうちょっと、
美しい線で描けるといいなぁ。
色は…その時の気分しだいで。

あ、羽虫たちが来た…。
こいつら、よっぽど俺のことが好きらしいな。
はいはい、もう起きますよ。

ほんじゃ、またな。