楽しいということ

目が覚めたのが昼過ぎで、
だから今日はもう家でジッとしてよーかなーと思ったんだが、

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パウダー対策用にバインディングを
思いっきりセットバック(後ろ寄りにつける)してみたボードを試してみるためだけに、
とある場所に滑りにやって来たのだよ。

するとそこで偶然、ボードを履いたプロスキーヤーエトリックスことエトリさんに遭遇。

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雪山で偶然この人に会うのももう今シーズン4回目ぐらいだ。
レベル的にはもちろん天地の差があるわけだが、
冬はずっと北海道のどっかで滑り倒してるという点では同じなので、
たまに遭遇するのも当たり前といえば当たり前ではある。

だが今日のエトリさんは珍しくガイドのお客さん無しの単独だったので、
そこからは彼の引率によって魅惑のミステリーゾーンに突入することに!

おおっ、思いがけずスゴイコトになってしまった!
でも今シーズンの俺の成長度合いを見てもらういい機会かもしれん。

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ヒイィィ、ここドコ!?
こんなトコ来たことねェェー!!
待ってー!!

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慣れないトラバース(移動)をしてやって来たそこは、
ふっかふかのパウダーゾーン!

うわっすげぇ、こんなトコあったんや…としばし放心。
俺が日々ルンルン歌いながら滑ってたような場所とは明らかに違うぜ!

と、とりあえず、木にだけは当たらんようにしないとな…!

ほのかに緊張する場面ではあったが、
パウダーの中に踊りだした瞬間、もう脳内はピンク一色だ。

ヤベェ、なんだかわからんが最高の気分だ!!

ところでこういう時自然と、

ウフォーーーゥィ!!

などと意味不明に叫んでしまうのはなぜだろう。わからん。

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俺が能天気にすべってる間にエトリさんが黙々と作ってくれてた道を伝って、
再び上まで登ってるところ。
本来のパウダーなら登るのがまた大変そうだが、
こうして一度踏み固めてくれてるおかげでとっても登りやすく、
運動不足気味なカラダにはちょうどよろしい感じでありがたい。
そしてまた、さっきのパウダーを上から滑る。

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あ、エトリさん思ったより速くてカメラ全然追いつかず。
プロのカッコイイ滑りを脳内で勝手に想像してネ。

ところでこの人、滑るのが上手なのは言うまでもないが、
雪山のガイドとしての技術や見識の豊富さにもまた驚かされる。

俺が楽しく降りてこれるぐらいのゆるい斜面でも
常に雪崩や周囲の状況に対して注意を払っているし、
その語り口からは随所に山に対する畏敬の念のようなものが感じられる。

前々から思ってたけど、
本当の雪山を相手にしてるような人たちは、心が広くてなおかつ謙虚だ。
そういう素養をもった人が自然に雪山を目指し、
そして雪山が自然に彼らをそういう人にしていくのだと思う。

俺はダメだな。
雪山なんか一人で行くの怖いし。
ちなみに海はサメが怖くてダメだ。
さらには暗いところも嫌いだ。
あー怖っ、怖っ。


と言うわけで。
昼過ぎからテンション中ぐらいで滑りに来たハズが、
エトリさんのおかげで実に味わい深い一日となった。

楽しいことは理屈じゃないのかな。
過ぎてから、あー楽しかった、と初めて感じるような。
できうるかぎり、楽しく生きていきたいもんだ。
雪山みたいに一歩ずつ登ってくのが案外近道かもねぇ。