4月4日(日)その2 これがアイスランド
着いた…。
不思議と着いたなアイスランド…。
不思議と着いたなアイスランド…。
第一印象は、何もない感じ。そして、広い。
ちなみにここはケプラヴィーク空港というのだが、
それがアイスランドでどのへんにあるのか、詳しくは知らない。
それがアイスランドでどのへんにあるのか、詳しくは知らない。
というのがなんとなくわかるぐらいだ。
なんせ俺はアイスランドの地図を持ってない。
後で空港内の観光案内所でタダのヤツを貰おう。
なんせ俺はアイスランドの地図を持ってない。
後で空港内の観光案内所でタダのヤツを貰おう。
それよりもまずは荷物を受け取って…デカっ!!
久しぶりに見るとこの箱、デカっ!!
ここでついに禁断の箱を開き、中身を出す。
マウンテンユニサイクルと寝袋とテントとヘルメットと工具などなど大量に。
さすがは空港で計ったら20キロを超えていただけはある。
しかしまぁ、こいつをアイスランドまで本当に持ってこられるとはな。
それだけでもう割と満足な気もする。
マウンテンユニサイクルと寝袋とテントとヘルメットと工具などなど大量に。
さすがは空港で計ったら20キロを超えていただけはある。
しかしまぁ、こいつをアイスランドまで本当に持ってこられるとはな。
それだけでもう割と満足な気もする。
さて、組み立ててはみたのですが。
ここで問題が2つ。
その1。
箱に入れてたテントと寝袋は、
やっぱりただでさえ重いリュック(これまた20キロ)に積み込むしかないのでせうか。
箱に入れてたテントと寝袋は、
やっぱりただでさえ重いリュック(これまた20キロ)に積み込むしかないのでせうか。
その2。
そして空箱、どうしませう。
そして空箱、どうしませう。
スカンジナビア航空が言うようにキチンとした箱でしか飛行機に積んでもらえないのだとしたら、
この空箱は帰りにも必要だということになる。
でもこんな箱、どこにも置いときようがない。
空港近辺をあちこち見回してみたが、
こんなデカい箱を2ヶ月も隠しておけるような場所は当然見当たらない。
この空箱は帰りにも必要だということになる。
でもこんな箱、どこにも置いときようがない。
空港近辺をあちこち見回してみたが、
こんなデカい箱を2ヶ月も隠しておけるような場所は当然見当たらない。
うーんどうしよう…。
かなり悩んだ末、箱は捨てることにする。
ま、帰るのは2ヶ月も先だし。なんとかなるさぁ。
ま、帰るのは2ヶ月も先だし。なんとかなるさぁ。
そして、今度は荷物だ。
ただでさえ重いリュック(略称:ただ重リュック)にテントと寝袋を結び付けてみた。
背負ってみた。
ただでさえ重いリュック(略称:ただ重リュック)にテントと寝袋を結び付けてみた。
背負ってみた。
激・重。
そして、一輪車に乗る。
…!!
ム、
ムムムムリ!!! ロクに乗れん!!
空港の広い駐車場ですらマトモに走れん!!!!
空港の広い駐車場ですらマトモに走れん!!!!
まさか。まさかここまでとは。
日本を発ってからこっち、コペンハーゲンでもずっと気になっていた、重すぎる荷物。
実は全部を背負って走るのは今が初めてだ。
大体荷造りが出発当日というのがいくらなんでもマズかったなぁ。
普通に考えたら、出発前に一度はちゃんと荷造りをして、
そいつを背負って試走ぐらいはするもんだろうになぁ。
普通に考えたら、出発前に一度はちゃんと荷造りをして、
そいつを背負って試走ぐらいはするもんだろうになぁ。
さすが俺!
などと感動している場合ではない。
などと感動している場合ではない。
もはや人がいなくなりつつあるケプラヴィーク空港の駐車場にて、
寝袋やテントの位置を色々と変え、なんとか少しでも乗り易い積み方を模索する。
寝袋やテントの位置を色々と変え、なんとか少しでも乗り易い積み方を模索する。
秘密兵器である一輪車キャリア(MTB用)に寝袋を直で載せて固定したりもしてみたが、
これではさすがに一輪車のバランスが後ろに偏りすぎてダメだ。
やはり寝袋もリュックに括りつけるほかない。
寝袋より重いテントに至ってはもう、リュックの上あたりにでも乗っけておくしかない。
これではさすがに一輪車のバランスが後ろに偏りすぎてダメだ。
やはり寝袋もリュックに括りつけるほかない。
寝袋より重いテントに至ってはもう、リュックの上あたりにでも乗っけておくしかない。
うぅぅぅむ…どうしたもんか…。
この調子ではアイスランド一周どころか、半日すら走れそうにない。
正直ここまで荷物が重く、また重い荷物を背負って走るのが難しいとは思わなかった。
今1分ぐらい走れるかどうかなのに、これを2ヶ月、1000キロ以上…。
『ア・ホ』の2文字が脳内で警告音を鳴らしつつ点滅、してはいる。
だがいきなり空港で打ちひしがれていてもしょうがないのだ。
ここらでいい加減に出て行くことに決めた。
今1分ぐらい走れるかどうかなのに、これを2ヶ月、1000キロ以上…。
『ア・ホ』の2文字が脳内で警告音を鳴らしつつ点滅、してはいる。
だがいきなり空港で打ちひしがれていてもしょうがないのだ。
ここらでいい加減に出て行くことに決めた。
なんにせよ、これがアイスランドの旅のスタートだ。
ムリヤリにでもユニサイクルに乗って、走って空港を出てみせるぜ!
ムリヤリにでもユニサイクルに乗って、走って空港を出てみせるぜ!
フラーフラーとおぼつかないタイヤさばきで、空港出口へ!
途中でスレ違った空港で働くおっちゃん2人組の、
あの新種の変態を見るような苦笑い、忘れないからな!
あの新種の変態を見るような苦笑い、忘れないからな!
おぉ、これがアイスランドの道路!!
意外とキレイじゃないか。
路側帯がとても幅広く、舗装もいい。
これならなんとか、ユニを漕いでいけるような気がしてきた。
路側帯がとても幅広く、舗装もいい。
これならなんとか、ユニを漕いでいけるような気がしてきた。
よっし!アイスランドで一輪車乗ってるぜ俺!
荷物の重さはキャリアに預けることによって少しは軽減できているようだが、
その分バランスが取りにくい。
そして一漕ぎが重い。まっすぐ走れない。
心配していた新品タイヤの妙な特性にどうも慣れない。
その分バランスが取りにくい。
そして一漕ぎが重い。まっすぐ走れない。
心配していた新品タイヤの妙な特性にどうも慣れない。
で、1キロぐらい走っただけで降車。
荷物のバランスを再チェック。
なんとか、なんとかもう少し、走りやすくなってくれないものか…。
このままでは長距離はとてもムリだ。
こんな大荷物で一輪車の旅なんか、そもそも不可能なのかもしれない。
そうするとこれから2ヶ月、どうやって過ごせばいいんだ。
歩くか…?
歩いて進むしかないのか…?
こんな大荷物で一輪車の旅なんか、そもそも不可能なのかもしれない。
そうするとこれから2ヶ月、どうやって過ごせばいいんだ。
歩くか…?
歩いて進むしかないのか…?
背中にズッシリとかかるリュックの重みにゲンナリしながら、
フラフラ乗ってみたり、トボトボ歩いてみたりを繰り返す。
路側帯が広いからこそ悠長に歩いてもいられるのがまだしもだ。
アイスランドに着いた当初の華々しい気分なんかは、もはや皆無である。
フラフラ乗ってみたり、トボトボ歩いてみたりを繰り返す。
路側帯が広いからこそ悠長に歩いてもいられるのがまだしもだ。
アイスランドに着いた当初の華々しい気分なんかは、もはや皆無である。
そんな折、空港を出て3キロぐらい来たところで、
前方になにやら妙な物体を発見。
前方になにやら妙な物体を発見。
なんだコレ?
赤いコンテナの上に赤い事故車を乗せている。
赤いコンテナの上に赤い事故車を乗せている。
どうやら見せしめ…じゃなくて、交通事故の啓発用オブジェらしい。
すぐ近くにベンチ付きの休憩用駐車スペースのようなものがあったので、
この辺で少し休むことにする。
すぐ近くにベンチ付きの休憩用駐車スペースのようなものがあったので、
この辺で少し休むことにする。
それにしても、このコンテナ。
中に何が入ってるんだろう?
中に何が入ってるんだろう?
何気なく近寄って、ドアに手をかけてみたら、意外にアッサリと開いた。
中にはクルマのパーツなどが雑然と放り込まれている。
ふーん、これも事故車のものかな…なんて考えていたら、突如ひらめいた。
ふーん、これも事故車のものかな…なんて考えていたら、突如ひらめいた。
ここに、例の空箱を置いておけないだろうか。
そして、そして、
その空箱の中に、ただ重リュックの中身をいくらか入れておけないだろうか。
…そう思ったら後は早い。
一輪車とリュックを一旦この場に放置し、歩いて3キロ戻って空港へ。
巨大コンテナ型ゴミ箱から一度は捨てたマウンテンサイクル用デカ箱を回収し、
また3キロ歩いてこの場所へ。
巨大コンテナ型ゴミ箱から一度は捨てたマウンテンサイクル用デカ箱を回収し、
また3キロ歩いてこの場所へ。
まずはリュックの中身を一旦全部出し、余分だと思われるモノを箱に移していく。
文庫本はもちろん、予備のチューブ、ペダル、工具、冬用グローブまで。
もはやスペアパーツなんかに構っている場合ではない。
今はなんせ通常の走行にすら支障をきたしているのだ。
軽量化だ!軽量化が最優先なのだ!!
それだけでは飽き足らず、
今度はこの乗りにくいタイヤもどうにかしたくなってきた。
できることなら前のタイヤに戻したいところだが、無いものはしょうがない。
そこでタイヤを外し、タイヤと一緒に出発直前に換えたごっついヘビーチューブを、
元のナヨナヨしたチューブに戻す。
パンクの危険性を考えてヘビーチューブに換えたのだが、
乗りにくさの原因の1つがそれだったとしたら、そんなモンに用はない。
今度はこの乗りにくいタイヤもどうにかしたくなってきた。
できることなら前のタイヤに戻したいところだが、無いものはしょうがない。
そこでタイヤを外し、タイヤと一緒に出発直前に換えたごっついヘビーチューブを、
元のナヨナヨしたチューブに戻す。
パンクの危険性を考えてヘビーチューブに換えたのだが、
乗りにくさの原因の1つがそれだったとしたら、そんなモンに用はない。
チューブを元に戻し、空気圧はいつもよりちょっと多めに。
ただ重リュックも、ほんの少しではあるが、確実に軽くなった。
本当はこの際、1キロ以上はあるテントも置いて行きたいところなのだが、
悩んだ末に、それはどうにか思いとどまった。
やっぱり要らんと思えばいつでも捨てられるしな。
ただ重リュックも、ほんの少しではあるが、確実に軽くなった。
本当はこの際、1キロ以上はあるテントも置いて行きたいところなのだが、
悩んだ末に、それはどうにか思いとどまった。
やっぱり要らんと思えばいつでも捨てられるしな。
さて仕上げに。
余分な荷物を収めたデカ箱の上に、書き置きを貼り付ける。
余分な荷物を収めたデカ箱の上に、書き置きを貼り付ける。
「私は一輪車でアイスランドを走りに来た旅人なのですが、
荷物があまりにも重いので、申し訳ないのですが一部をココに置かせていただきました。
5月24日頃までには必ず取りに帰って来ますので、
どうかその時まで、この箱をコンテナの中に置かせてください!お願いします!!」
荷物があまりにも重いので、申し訳ないのですが一部をココに置かせていただきました。
5月24日頃までには必ず取りに帰って来ますので、
どうかその時まで、この箱をコンテナの中に置かせてください!お願いします!!」
そう書いた。
実に素直で正直な、まぁハッキリ言ってそのまんまの内容である。
実に素直で正直な、まぁハッキリ言ってそのまんまの内容である。
これでもし帰ってきた時に箱が無くなっていたとしても、その時はその時でなんとかなるだろう。
中身も貴重品とかどうしても必要なものは無いしな。
中身も貴重品とかどうしても必要なものは無いしな。
よし…、では再出発。
また荷物を背負い、ユニサイクルに乗って走り出す。
軽い、いや重いんだが、ひょっとしたらなんとかなるかもしれないレベルか!?
少しは走れそうだ。
タイヤの感触も多少は良くなっている気がする。チューブのせいか、空気圧のせいか。
少しは走れそうだ。
タイヤの感触も多少は良くなっている気がする。チューブのせいか、空気圧のせいか。
もう夕方の4時を過ぎてしまっているが、
あとここから50キロぐらい走れば、首都のレイキャヴィークに着くハズだ。
あとここから50キロぐらい走れば、首都のレイキャヴィークに着くハズだ。
今日中に、なんとかそこまで着くことはできないだろうか。
よくわからない。
でもとりあえず、今の俺には、前に走ること以外、考えられない!