5月16日(日) レイキャヴィークひっそり観光


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テント。
もうじき昼だというのに、特に何もやる気がおきない。

そんな折、セイズィスフィヨルズルで会った自称アーティストの女性、クリスティンからメールが来る。
ん?あのクリスティンが俺に何の用だ?
だがよく見ると、俺へのメールはCC(カーボンコピー)で、実際の送り先は…うわ、ジェイソン!?

恐るべきことに!
このメールは、クリスティンがジェイソンに、俺のメールアドレスを教えるという内容だった。
つまり、ジェイソンがクリスティンに俺のメルアドを聞いたということだ。
なんと言うことだ…。
もしかして、そのうちジェイソンから俺宛てにメールが来るんじゃないだろうな…。

あぁ、速攻で来た…。

「レイキャヴィークに着いたらしいね。
 実は私もレイキャヴィークにいるんだが、もうじきアメリカに帰らなければならない。
 なんとか帰る前に君に会えるといいんだが。」

要約するとこんな内容だ。
うわー正直めんどくせー。

なんでコイツは、会話がお互いにまったく盛り上がらないにも関わらず、
わざわざクリスティンからメルアドを聞いてまで俺に会おうとするのだろうか。

いやそれ以前に、なんでコイツは俺がレイキャヴィークにいることを知ってるんだ!?
昨日の深夜に着いたばっかりで、まだ誰にも言ってないのに!!

うーん、どうしたもんか。
だが幸いヤツはもうすぐアメリカに帰るらしい。
ウソを言うのもイヤなので、今夜ぐらいに、

『俺はキャンプ場で快適に過ごしているから心おきなくニュージャージーに帰ってくれ!』

とでもメールを返すとしよう。

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ここがキャンプ場に隣接したユースホステル。
とてもリッパでキレイな建物だ。
設備も充実しており、中は世界各国から来た旅行者で賑わっている。
しかしスクーターのレンタルまでしてるとは驚いたな。

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ユース内でレイキャヴィークの観光用パンフレットをゲットした。
こいつを見ながら、ちょっくら正しく観光でもしてみるとしよう。

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あぁここ、アイスランド2日目に来たなぁ。
でもあの時は遠くの山が白かった気がする。
1ヶ月以上もたてば風景も変わるよな。

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そう、ここでこんな感じの写真を撮った。

今は激重リュックをテント内に置いてきたから超身軽!
でもなぜかやっぱり、荷物がないほうがかえって走りにくい。
いつのまにか20キロの荷物ナシにはマトモに乗れないカラダになってしまったのか…。

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バイキングの船っぽいモニュメント。

いいねぇ、観光というのはまさしくこういうのを写真に収めることではないのか!?

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ホラ、こういうのとか!

レイキャヴィークにいるとどこからでも見える、坂の上にある背の高ーい教会だ。

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レイキャヴィークで一番賑わっているに違いない、店が立ち並ぶエリア。
日曜なのにあんまり人いないけどな。

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路地裏でちょっと乗ってみる。
だからどうと言うこともない。

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街の中心部にある湖。
レイキャヴィーク市民のみなさんが、さかんに鳥たちにエサをやっている。
ほほーぅ。
あっさり通り過ぎようと思ったら、黒人の家族に声をかけられた。

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彼らはナイジェリアから来た人々。
観光ではなくアイスランドに住んでいるらしい。
真っ白い人が多いアイスランドでは、黒人というのはとても目立つ。
きっと俺もハタから見たら目立ちまくっているのだろう。

案の定ニュースで俺を見たという彼ら。
俺のマウンテンユニサイクルに興味シンシンだったので、恒例の試乗会を開催。
黒人の運動神経に一瞬期待したが、やっぱりすぐには乗れるもんじゃない。
勢いあまって彼が湖にハマらないか気になってしょうがなかった。

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街中で俺が愛してやまない安売りスーパーBONUSを見つけたので、板チョコを買って食う。
ここで、さっきも会ったアイスランド青年にまた会った。
彼は日本に留学したことがあるそうで、カタコトの日本語で俺に話しかけてきてくれた。
ニュースを見て変わった日本人が来てるなーとずっと思っていたらしい。

ふーん、やっぱりアイスランドでは、夜7時のニュースを観る人はすごく多いらしい。
そもそもテレビのチャンネルが少ないし、さらにあの時間帯のニュースは1つだけだ。
それにしても、もう2週間以上前のニュースを、これだけの人がしっかり覚えてることには驚く。

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また教会に来てしまった。
なんとなく目立つからなぁここは。

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今度は中に入ってみたぞ。
デカいパイプオルガンなどがあっておもしろかった。
まぁ、それだけだ。

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レイキャヴィーク観光、か…。
怖ろしいことに、1日で飽きてしまった。

これといって特に楽しいことを見つけられない。
一体俺は、何が楽しいと思うのだろう。

高い金を出しておいしいものを食べるよりはスーパーで安いものを買って食ってたほうがいいと思うし、
街中やユースホステルで積極的に人と話そうという気もおきない。
人と話すといっても、正直なところ、特に話すことも、話したいこともないのだ。

そろそろ帰ろうかと思い、ユースに近い別のスーパーに寄る。
そこでは知らないおっちゃんが俺に近づいてきて、

「おぉ、キミか!ついにアイスランド一周を終えたんだな!おめでとう!!」

そう言ってガッチリと握手してきた。
これはちょっと嬉しかった。

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キャンプ場に帰り際、自転車用の遊び場をみつけた。

ここで急激に興味をそそられ、ユニサイクルで乱入。
彼らに混じってしばらく遊ぶ。

観光はイマイチ楽しめなかったが、こうした狭い範囲では一瞬燃え上がることもあるらしい。

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18時といってもまだまだ明るいので、ユースのテラスでディナーといこう。

あれ、ユースって酒を飲んでいいんだっけ?
わからん。とりあえずこっそり飲もう。

はー、やれやれ。
16キロ走ってレイキャヴィーク観光してきたよ。
おかしいなぁ、都会に来たら何かもっと楽しいことが起こるんじゃないかと思ってたのに。
現実はそんなに甘くなかったよ。

かと言って、今日は5月16日。
帰国まではまだ1週間以上ある!

俺には何か目標が必要なんだろうか。
外部から与えられるキッカケというか、自分の中からは出て来にくい刺激のようなものが。
今回の旅に出ようと思った理由が、そもそもそこにあったようにも思える。

リングロード1周の旅を終え、走るところがなくなった今、次は何を目指すか。
じっくり考えるとしよう。時間だけはあるのだから。

あ、そういえば。
もうそろそろいいだろうと思ってジェイソンにメールを返したら、

「何、キャンプ場にいるのか!なんとかして君を探し出さなければならない!」

と言うようなメールが速攻で返ってきた。

しまった…。
時期尚早?ヤブヘビ?とにかくしまった!!

今夜来なければいいが…。

よし、もう速攻で寝よう。