5月22日(土)その1 ブルーラグーンをヒィヒィ言わせる

また雨か…。
本当ーーーにしつこい!
ついでに火山も消してくれたらいいのに。
テントは濡れたまま。干したズボンは乾かず。いいかげんにしてくれ。

もういい、ともかくグリンダヴィークを出てブルーラグーンに行こう。
ラッツィは自転車なので、俺は先行して一足早く5キロ先のブルーラグーンへ向かう。


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はーい鬱陶しい雨のなか、着いたよブルーラグーン。
アイスランド語だとなんて書いてあるかわからんな。ブラーローニズ?

ラッツィもすぐに到着。
でもオープンは10時からなので、まだあと30分ぐらいはヒマである。

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そんなわけで、ブルーラグーンの外側を散歩。

おや、ホントに青いな。

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他のお客さんに頼んで記念撮影。
よーしだんだんテンションが上がってきたぞ。

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10時だ。開店ー!

おぉっ、高級そうなインテリアですこと!
さすがは外国人観光客向けの施設ですなぁ。
それにしてもまだ10時になったばかりなのに客が多いぞ。繁盛してるなぁ。

気になる料金は20ユーロ。(3000円弱)
なんでココだけユーロなの!?
さすがは外国人観光客向けの施設ですなぁ。(2回目)

いやー、アイスランドの町のスイミングプールの10倍の値段とはおそれいった。
でも俺はラッツィの『2人で1人分クーポン』によって、実質半額で入れるのである。
それでも高いけどな!

スーパー銭湯によくある感じのリストバンドを渡されるが、デジタル化されててカギがついてない。
こいつはロッカーキー以外に館内での買い物にも使えるというスグレモノ。
でもデジタル式のロッカーは慣れるまでちょっと使いにくい。普通にカギでいいと思うんだが。

最初の試練であった受付ゲートを、何事もなかったかのようにユニサイクル付きで通過。
脱衣所にもユニサイクル付きで侵入。
ここで水着に着替え、シャワーを浴び、ついにブルーラグーンへとユニサイクル付きで進出。

ラッツィが不思議そうに言う。

「ここまで来たら、さすがにユニサイクルを持ってこなくても盗まれたりしないと思うよ。」

「…ラッツィ。キミは俺が何をしにココに来たのかをわかっていないようだな。」

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おぉー、広い。そして青い。さらにもう人がたくさん。

ここがブルーラグーンかぁ。
隣の土地に地熱発電所を作ってたら偶然温泉が湧いて露天風呂になってしまったという。
偶然の産物を外国人向けの高級スパに仕立てあげる努力と商魂は大したものだ。

しばらくはラッツィと普通に温泉を楽しむ。
ブルーラグーンでは至るところに白い泥の入った箱が置いてある。
こいつはブルーラグーンの底にある泥で、肌に塗ると何かがイイんだそうだ。
そんなワケで、大抵のお客さんは顔に白い泥を塗りたくってて少し怖い。
パプアニューギニアには『マッドマン』というよく似た部族が…。

ラッツィが顔面中泥でまっ白のマッドマンカップルに向かって挨拶をしている。
知り合いか?と聞いたら、昨日キャンプ場で会ったマイクとアリだった。
オマエよくわかったな…。

さて、ブルーラグーン全体をそしらぬ顔で偵察し、大体の様子はつかんだ。
問題は警備員だ。
常に数人の警備員が、実はそんなに広くもないラグーン全域に目を光らせている。
これは厳しい…。
いやこの際、正面から許可を取ったほうが仕事がしやすいのではないか。

「あのー。」

「ハイ?」

「ここでユニサイクルに乗りたいんですけど。」

「…………。」

「…だ、大丈夫、絶対安全!誰にも一切迷惑をかけることなく!隅のほうをコソコソッと!!」

「うーん…それなら、まぁ、ちょっとぐらいなら…。」

「やった!いやぁ実は、最後にはユニサイクルごとラグーンに飛び込めたら…なんて…!!」

「それは 絶 対 に ダ メ で す 。」

「え、ダメ?…どうしても?」

「ダメです。ラグーンの底は岩場になっているので危険です。それは許可できません。」

「はーい、わかりましたー。じゃあ、ダイビングだけはしないようにしまーすっ!」

「ホントですね?信じてますからね!?」

よし。許可取得。

頼む前からおもしろがって協力を申し出てくれたラッツィとマイクに撮影を任せ、
俺はクールな撮影ポイントを絞ることに集中する。

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どりゃー。

ブルーラグーンで一輪車に乗ったのは俺が世界初に違いない!
なぜなら誰もこんなことをやる気にならないからだ!!

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次はポイントを変えて…ってのはいいんだが…。
ハダシで乗るとペダルのスパイクが食い込んで痛い…痛いんです…。

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サンキューマイク!
おかげで世界になんとなく誇れる記念すべき写真が撮れたよ。

俺の情熱的な行為をニコニコして見ていたアリは、「インプレッシブ!」と言ってくれた。
どう訳せばいいのか…「感動した!」みたいな?
いいねー、その褒め言葉はいい!さすがはネイティブスピーカーだ。

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おっ、ここに来て晴れ間が!これはシャッターチャンス到来である。

ラッツィ、キミはよく見たら素晴らしいビーチサンダルを履いてるな。
それ、ちょっと貸して。

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フフフ…。
ビーチサンダルを得た今、もはや俺に怖いモノはなくなった。

ブルーラグーン蹂躙準備完了。

ヒャッハー!行くぜぇー!!

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思わずダイブしたくなるがここはガマンだ!

しっかり監視してる警備員の視線が痛い!!

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ポイントは後ろでビデオ撮ってる見知らぬおじさん。



ブルーラグーンでやりたい放題動画。主にラッツィ撮影。

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ちなみにこの写真は責任者に怒られて名前と住所を書かされてるわけじゃなくて、
「ぜひキミのサイトを教えてくれ!」と言われて書いてるところです。
本当です。ウソじゃありません。信じてください。

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あー。堪能した。
ダイブできなかったことをのぞけば、まぁまぁ満足だ。
これでブルーラグーンに思い残すことはない。

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正気に戻ったので、またフツーにラッツィと風呂に入る。

アイスランドについて色々と語るうちに、
「アイスランドは旅行で来るぶんにはいいけど、住むにはちょっと厳しいよな。」
ということで意見が一致。

なによりつらいのは、木がないということ。
木や森がないという事実は、木や森を知る人の心になぜか物足りなさを生むものらしい。

その流れでラッツィが語るハンガリーの美しい風景の話を聞いていると、
今度は今まで想像したこともなかったハンガリーという国に行ってみたい気になる。
まぁよほど気が向かないとそうそう行かないだろうけど。

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温泉ビーチで寝転びながらダメ人間の図を撮ろうと思ったらオバサンの脚が写りこんでしまった、の図。

ブルーラグーンは充分に満喫したなぁ。
さて、俺はそろそろ上がるよ。

もう少し湯に浸かってからゆっくりレイキャヴィークに帰るというラッツィとは、
ブルーラグーンの脱衣所でお別れ。
キミがいてくれたおかげで楽しかった。ありがとう。半額にもなったし。
さらばだ!

彼のブログというのを見てみたら、アイスランドの綺麗な写真がたくさんあった。
噴火の写真も凄いものがある。あれってモロに俺が野宿してたあたりじゃないか。ついでに俺も出てた。
あいつ、人にはオバサンの脚とか撮らせといて、自分だけカッコイイ写真撮りやがって!


ブルーラグーンを出ると、入り口にはラッツィの自転車が置いてある。
その自転車に、メリーランドクッキーと一緒に『貧乏旅よ永遠に!』みたいなことを書いて貼り付けておいた。

よし、ふたたび一人旅だ!

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ブルーラグーンが発生しちゃう原因になった地熱発電所を横目に、
俺はこれからまたしてもグリンダヴィークの街に戻るのである。