伝説の復活か
羽幌の道の駅でぼんやりお湯を沸かしていると、
見知らぬ犬連れのおばさんが、フライドポテトをくれた。しかも結構な量だ。
「熱いうちに食べて！」
と、言っておられた。
おぉ、マダムキラー伝説再び。
他にもおしゃれなミセスが大層気の毒そうな顔をして、
「寒くないですか…？」
と、聞いてきた。
寒いです。
フライドポテト、ちょっと油っこそうだと思ったらそうでもなく、だいぶ塩辛かった。
ポテトおばさんもそうだが、こういう旅をしていると、よく学生？と聞かれる。
これは35歳ピチピチの俺の風貌の問題ではなく、
ゴールデンウィークでもないこんな日に、
一輪車を抱えてぼーっとしている人間に対する、
ごく一般的な類推なのであろう。おそらく。
雨、また降りだすんだろうか。
羽幌の道の駅には、本館以外に雨をしのぐ場所が意外とない。
何年か前の大晦日の夜は、雪まみれのバイクでこの場所までたどり着き、
極度の疲労のため崩れ落ちるように寝袋で眠って新年を迎えたことがあったな。
朝起きたら食おうと思っていたおにぎりが、ガチガチに凍っていたのはいい思い出だ。
あの時に比べたら、今はまだまだ余裕だな。
よし、空がもちこたえてるうちに、もうちょい進むか。
