斜光

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北竜の道の駅をパスし、コンパクトな印象の北竜市街に入る。
調子が良くてガンガン走れる場合でも、市街地は降りて歩くことが多い。
人や自転車がいるし、路面に凹凸もあるからな。

もう町を出るかというところで、一人の男性に話しかけられた。
案の定、どこまで行くのかと聞かれたので、
身体ごとクルッと後ろを向き、日本縦断中プレートをまざまざと見せつける。
してやった!
彼は興味を持ってくれたらしく、家でお茶でも、と勧めてくれた。
今日はどこまで進めるか挑むつもりであったが、こういう機会は逃したくない。ありがたく招待を受けよう。

彼は西原さんと言って、バイクと旅が好きっぽい柔和な人であった。
北海道やアイスランドの旅の話をおもしろそうに聞いてくれ、
俺は振る舞われた甘いお菓子をガボガボ頂いた。
こんなこともあろうかと密かに開発しておいたキケンジ名刺を、
旅を始めてからは最初に渡した記念すべき人物でもある。

いつかの再会を約束し、西原邸を去る。滞在時間、約30分。
話し込んでた間に、だいぶ陽が傾いている。
さて、今からどこまで行けるか。
右斜め後ろからのオレンジ光線を浴びながら、さらなる疾走開始。
この道は歩道完備で起伏も少なく、とても走りやすい。
俺様の根拠のない権限で、一輪車専用道に指定したいぐらいだ。
しかも風は追い風。条件は万全。
いずれは向かい風に苦しむ日もあるだろう、その時のために今、距離を稼ぎたい。
ロクに一輪車から降りることもなく、延々と突き進む。
そして19時、雨竜の道の駅に到着。

この道の駅、初めて来たが、驚いた。
今どき、ここまで設備の整った道の駅も珍しい。
いかにも寝れそうなポイントが至るところに見受けられ、
夜間も開放される綺麗で広い建物の中には、暖房まで効いている。
ここは…スゴイな。寝床として完璧じゃないか。
だが…。
なぜだろう、自称アーバン野宿家の勘とも言えるモノが、何かを囁く。
別にヤバイとかキケンだとか言うことではないが、なぜかここは避けたいのだ。
それでも15分ほど迷ったあげく、やはり勘を信じて、雨竜の道の駅泊を断念。

ここをやめるとなると、次は難しいぞ。
10キロちょっと進めば新十津川の市街。
さらに先にある鶴沼の道の駅は、20キロ以上先だろうか。
すでに19時を過ぎている。
普段ならもう疲れて休みたい時間だ。
しかし今は、行けるところまで行ってみたい。