濡れて乾いて

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おそらく午後にはしっかり雨になるんだろうが、一時的に晴れて暑い。
カッパを脱いで身軽になり、まずは蘭越の道の駅を目指して軽快に走り出す。
登りは歩き、坂の頂点からSSRで乗って下る。
ここ数日の、最も効率良さげな基本型だ。

下りの勢いのまま長い直線を走っていると、
遠くで前方の白いワゴン車が、こちら側にウィンカーを出している。
地元の農家だろうか?クルマとの接触に気をつけないといけないパターンだ。
ワゴン車をかわしてホッとしたところで、
クルマのドライバーから「キケンジさん!!」と呼ばれる。
え、俺に用があったのか!?あわてて止まる。

クルマから出てきたのは、背の高いイケメンだ。俺の知り合いにこんな爽やか系の青年はいない。
なんと彼、俺のツイッターのフォロワーだそうな。
話を聞いてやっと、ああ、あの人!とわかった。
仕事のついでに、この辺にいるであろう俺をわざわざ探してくれたらしい。
咄嗟のことで驚きつつも、うぉチャンス!と気づいて名刺を渡す。
そんな彼は、差し入れに十六茶をくれるのであった。ありがとう!

…あ、羊蹄山の湧き水の次は、十六茶だった。

いやぁ、なんとなく始めたツイッターだが、やってみるもんだな。
おかげで、彼と別れた後もしばらくテンションが高く、一気に蘭越の道の駅に到着。
軽く飢えていたので、地元のおばちゃんが作ったとおぼしきヨモギ大福とクルミ餅を買う。なかなかうまい。
しかし、この道の駅で寝るのは少し不便そうだ。
まだ11時でもあるし、やはり本命である15キロ先の道の駅、黒松内を目指すことにする。

その頃から、予想どおり、ポツポツきだした。そろそろだと思ったよ。
たかがあと15キロ。
機動性重視でカッパを上だけ羽織り、
ほぼまっすぐだが起伏に富んだ道のりをひた走る。

仕上げの目名峠は、俺に斜度6%の長い坂を一気に登らせ、同じ勢いで下らせた。
下りの加速を減らすためのブレーキを握る指が疲れるぐらい、長く急な坂を下りる。
途中で、ついに雨が降り始めたようだ。
またたく間に染みを描くズボンだが、今からカッパを着るぐらいなら、このままゴールに滑り込んでしまえ。
ラスト5キロを駆け抜け、黒松内の道の駅に到着。
やはり雨に降られてしまったが、許容範囲内だ。上出来、上出来。
この道の駅にはパン屋が併設されているので、営業時間内にたどり着けたのは嬉しい。
そうは言っても、まだ13時半だけどな。

今日の移動はもう、ここで終了だ。
これから夜にかけて雨が降り続くのはまず確実だろうし、
ここから先はしばらく何もない寂しい区間だったような気がする。
雨とわかっているそんな道のりを、今から進む必要はない。

今日は早めの終了で、余裕の野宿ライフ。走行は41キロだ。
パン屋で買ったパンはうまいし、
羊蹄山の湧き水で作ったコーヒーは、一味違うぜ。