静岡迷走

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まさかインドメタシンが効いたのか。
朝起き上がると、太ももがそれほど痛くはない。

峠にある道の駅から長いトンネルをくぐれば、そこは緩い下り。
試しにおそるおそる乗ってみる。
うん、意外と行けそうだ。

でも、大丈夫なのか?
昨夜はムカデの出現で考察どころではなかったが。
効能書きによれば、これはインドメタシンが痛みの原因プロスタグランジンの発生を抑えているんだそうだ。
だとしたら、筋肉の状態そのものは大して改善されていないのでは。

インドメタシン湿布愛好家の皆様は、そのへん気にならないのだろうか。
そして世間の働き盛りは、こんなもので自分の肉体を騙し騙し酷使することで、だんだん深刻な状態に陥っていくのではないのか。
そんなことを考えつつ、もはやそれなりに一輪車を漕いでいた俺。

おー、乗れるよ。やっぱユニサイクリングはいいねぇ。
でもまだ完全ではない。
何かの拍子で瞬間的に大きな負荷がかかると、少し痛む。
ここはやはり、関東以来なるべく控えていたSSRを復活させるとしよう。
あ、SSRがSoft Starting Revolutionの略であることを皆忘れているに違いない。要は掴まり乗車。

脚の様子を見ながら慎重に峠を下りれば、そこは藤枝市。
平坦になった道を、延々とユニサイクリングでゆく。
やはり一輪車は速い。昨日の鈍足とはわけが違う。
向かい風は弱めで(もはや向かい風は基本)、これも助かる。

道ゆくおばさんに、
「大変ねぇ、歩いたほうが速いんじゃないのぉ?」
などと聞かれるが、それはちがうよおばさん。
昨日の俺を見せてやりたいぜ!

自転車で反対側の歩道を走っていた、今どき両おさげのメガネっ子中学生(たぶん)が、
こっち側に渡ってきたと同時に、
はにかみつつ「がんばってください!」と言い、猛然と走り去る。
うわ、猛然と走られるとまったく追いつけん!

うーん、嬉しいね…。
そろそろバレているかもしれないが、
俺の脳は、自転車に乗った女子学生の声援をもっとも鮮やかに記憶する構造らしい。
彼女たちの特徴は、思いっきり無表情で無関心そうだったのに、
いきなりダッシュして声援を浴びせて逃走することである。

声を出したり手を振ったりして応援してくれる人以外は、無表情に通りすぎる人々ばかりに見える。
だが実は結構、内心では心が動いている人も多いのだと思う。
それなら、楽しい。

ところで、昨日も書いたが、静岡の道はややこしい。
本当にややこしい。
国道1号と、自転車歩行者禁止の1号線バイパスが、複雑に絡み合っているからだ。
それでも藤枝市から島田市までは、まだよかった。
島田市からがマズい。
大井川を渡るには、どこを通ればいいのか?
どこかに迂回なのか、それともバイパスに側道があるのか。
何の案内もないので、そんなことすらわからない。
結局は、川を渡る部分にだけバイパスに側道があった。

次はさらにヒドい。
島田市から掛川市にかけては山越えで、地図によると、向こうに行けそうな国道は1号バイパスしかない。
そこでバイパスまで行ってみると、やはり毎度お馴染みの、自転車歩行者禁止の標識。それだけ。
今回は、側道もなければ脇道もない。
そしてもちろん、なんの案内もないのだ。

ダメダメと言うばかりで、じゃあどうしろってんだ!!

しょうがないので、地図を見て県道381号というのが掛川市まで続きそうだと知り、そこまで移動する。
とんだ遠回りだ。
俺はこうやって携帯で地図を見られるからまだいいが、一昔前ならみんなアーバン遭難じゃないのか!?
なんでこんなにわかりにくいんだ。

バイパスにすべて歩道を作れとは言わない。
ただ案内の看板を立てるぐらいのことが、なぜできないのだろう。
天下の国道1号線を通って静岡県を右から左に抜けるだけのことが、なんでこんなにややこしいんだ。
今まで北海道からここまで幹線国道を伝って来て、こんな目に遭ったのは静岡県だけだ。
ひょっとして、自転車歩行者一輪車は、静岡を通るなってことなのか!?

この憤りが今度ネットカフェに入る時まで執念深く続いていれば、静岡県のページか何かに投書してやる。覚悟しろ!
もう一輪車で静岡に来ることだけは2度とあるまい!

自分でも珍しく怒る俺であった。