そんな三重

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道の駅、関宿。
結構気に入ってるほうの道の駅である。
ここの前知識があったために、せっかくの古民家宿をキャンセルしてもらったという事情もある。

コケルウルフさんも帰った、そろそろ深夜。
若めな男がフラリと現れ、立てかけてある一輪車に注目し、ついに話しかけてきた。

原付で埼玉から故郷の高知へと帰る途中だという。
10年におよぶ都会での生活にすっかり疲れたのだそうだ。
都会でのストレスの反動なのか、今は人と話したくてしょうがないのだと言っていた。
埼玉から乗ってきたという50ccのスクーターを見れば、見たこともない過積載ぶりだ。
本人は引っ越しだからこんなものとあまり気にしていない風だが…。
今は鈴鹿峠を前にして、エンジンを冷やしているらしい。賢明な判断だと思う。
そんな彼はここで野宿するでもなく、しばらくすると、また走って行ってしまった。
二度と会うことはないのだろう。世の中には本当に、いろんな人がいるものだ。

その後。
深夜のベンチでゴロゴロしていると、今度は女性2人が話しかけてきた。
昼間に一輪車で走る俺をクルマから目撃し、ツイッター経由で連絡をくれた人だ。
私も男だったらこんな旅をしたかった!と、しきりに言われる。
そうか…そういうもんなのかな。
俺には想像はできても、理解はできようはずもない。
地元の人から聞く地元の話は楽しく、ツイッター経由でわざわざ会いに来てくれたというのもまた、おもしろい。

三重県では、俺を見かけたトラックのドライバーや16歳の男子高校生がブログに書き込みをしてくれ、彼女はツイッターで連絡をくれた。
リアルで声をかけてくれた人は数知れず。
たった2日しかいないのに、この交流率は尋常ではない気がする。
サラリと通りすぎるつもりが、なんだか凄い県だな…三重。

夜になって、ようやく涼しくなった。
蚊取り線香のおかげかあまり蚊にかまれることもなく、よく眠ったと思う。

そして今朝。
さっそく人がやって来た…。
被災地を撮影してきたカメラマンだという。

彼は口を開くなり、昨夜キャンセルした関宿の素泊まり宿について話し始める。
俺のような変わった旅人が集まる宿なので、オーナー夫妻に紹介したらさぞや喜ぶだろう、と。
ほぅ、やはりそういう宿だったのか。
惜しい気がしなくもないが、道の駅でよかったかなとも思う。

俺はもともと人見知りで、あまり社交的でもない。
よほど興味がなければ自分から人に話しかけたりもしない。
そんなヤツでも毎日やたらと話しかけられるのは、たぶん今の俺の存在が、自分で思っている以上に、ある種の人々の心に影響を与えてしまうからだろう。
ほぅ、ほぅ…。
それはおもしろいような、嬉しいような、はたまた俺自身とはあんまり関係ない気がするような。なぜか。

あらぁ、もう12時過ぎか。やれやれ。
日記も書いたし、そろそろここを出て、鈴鹿峠に向かうとしよう。
鈴鹿峠は箱根ほどではないにしろ、なかなかキツい峠だそうだ。
そこを越えればもう滋賀。そして今日からもう7月。
ふぅ、ほっておいても、時間は進む。

昨日は41キロかな。
暑いなか延々と走ったつもりなのに、意外と進んでなかった…。