ないものはないんだ
昨夜は寝床の選択に少し手間取り、しかもわりと失敗した。
まさか朝の4時にトラックがやって来る場所だったとは。
俺もまだまだ甘いな。
ま、たまにはそんなこともある。
そんなわけで、ちょっと情けないが5時前にまたマクドに移動。
寝袋を出るとこの時間は寒いんだよ。
そのままスマホをいじりつつ明るくなり始める7時まで粘り、再出発。
ここ小郡から先の国道2号線は、
40キロほどある下関の手前ぐらいまでずっと山の中をゆく。
山を迂回して海沿いの宇部を通るルートもあるが、
海沿いの大回りは岩国からの188号線で走ってみたので、
今度は初心に戻って正攻法で山を越えるのもいいだろう。
始めこそバイパスに沿って快適な歩道が整備されていたが、
ほどなくして来た、来たよ。
いかにもな山越え国道。
大丈夫、予想はしていた。
歩道がなく路肩も超狭い山越え道そのものには、いい加減慣れてはいる。
しかし、俺の真横を轟音を立ててトラックが通過していく時の、
あの緊張感だけはいつまでも慣れることがない。
うっかり当てられるかどうかはほとんど相手次第だからな。
相手まかせ。これは怖い。
日常生活ではデカいトラックを見ることはあまりないかもしれないが、
幹線国道の主役は間違いなく大型トラックである。
日本中で均質なモノや食品がいつでもいくらでも手に入るのは、
こうしたトラックが日夜走り回って輸送してくれているからに他ならない。
そう、俺の真横をギリギリで追い越していくトラック達は、
それぞれ大事な荷物を運んでいるのだ。
それでは、俺は一体何を運んでいるのだろう?
ふと、そう考えた。
夢とか希望なんてシロモノではまずない。
うーん、ならば、俺が運んでいるのはせいぜい、
記憶だろうか。
自分の記憶、そして俺と出会った人々の中に残る記憶も少しはあるかもしれない。
運送料は1日1000円ちょいだが、その価値は決して安くはない。
俺にとってはな。
本州の西端にある下関市が近づいてくるにつれ、
少しずつ歩道が整備され始めた。
遠くに見える山の陰は、もう九州だろうか。それともまだ本州か。
よくわからんのでヌカ喜びは禁物だ。
しかし、おのずとペースは上がる。
長旅中の俺には珍しく、上りも下りも関係なくユニサイクリングしっぱなし。
正直かなりダレかけていた山越えだったが、
目の前に目標ができるとやはり違う。
これまで上ってきたぶん下りの恩恵を受けながら、ズバッと下関市にイン。
もっと海に近づけば、いずれ関門トンネルの案内があるだろう。
だがそれは別に明日でもいいんだ。
まずはちょっと休みたい。さっきからわりと走りづめなだからな。
しかし進行方向側にコンビニが…ない…なかなか…ない…。
反対車線には時々あるんだ。
でも、不思議とこっちにはない。
ペースよく走っているので道の対岸に渡るのはわずらわしい。
そのうちあるだろうと思うのだが、本当にないんだよこれが。
いやまいった、もう10キロ近く、
信号待ち以外はずっとキリキリ走り続けている。
さすがに疲れるって。
いつしか18時前。
暗くなった国道2号線は、帰宅ラッシュでノロノロ渋滞中。
その脇の歩道を怒涛の勢いで走る俺は、
クルマから見たら鬼気迫る熱い走りをしているように見えたかもしれない。
でも実は、早くコンビニで休みたかっただけなんだよ。
結局、ついに最後までコンビニはなかった。
ちょっと奥さん、下関市街の国道2号線西向き、
どこまで行ってもコンビニが一軒もないんですのよ!!
かろうじてあったスーパーで小休止し、さらに海岸沿いをひた走る。
やがて見えてきたのは関門橋。
本州と九州を結ぶ橋だ。
うわー、今日中にあっさり着いちまったよ。
翌朝にでもゆっくりのんびり、
写真でも撮りながら渡ろうと思っていたのだが。
ま、着いたもんはしょうがない。
本州も九州もどうせ同じ日本、明日までひっぱる理由も特にないし、
こりゃもう渡ってしまうかー。
まさか朝の4時にトラックがやって来る場所だったとは。
俺もまだまだ甘いな。
ま、たまにはそんなこともある。
そんなわけで、ちょっと情けないが5時前にまたマクドに移動。
寝袋を出るとこの時間は寒いんだよ。
そのままスマホをいじりつつ明るくなり始める7時まで粘り、再出発。
ここ小郡から先の国道2号線は、
40キロほどある下関の手前ぐらいまでずっと山の中をゆく。
山を迂回して海沿いの宇部を通るルートもあるが、
海沿いの大回りは岩国からの188号線で走ってみたので、
今度は初心に戻って正攻法で山を越えるのもいいだろう。
始めこそバイパスに沿って快適な歩道が整備されていたが、
ほどなくして来た、来たよ。
いかにもな山越え国道。
大丈夫、予想はしていた。
歩道がなく路肩も超狭い山越え道そのものには、いい加減慣れてはいる。
しかし、俺の真横を轟音を立ててトラックが通過していく時の、
あの緊張感だけはいつまでも慣れることがない。
うっかり当てられるかどうかはほとんど相手次第だからな。
相手まかせ。これは怖い。
日常生活ではデカいトラックを見ることはあまりないかもしれないが、
幹線国道の主役は間違いなく大型トラックである。
日本中で均質なモノや食品がいつでもいくらでも手に入るのは、
こうしたトラックが日夜走り回って輸送してくれているからに他ならない。
そう、俺の真横をギリギリで追い越していくトラック達は、
それぞれ大事な荷物を運んでいるのだ。
それでは、俺は一体何を運んでいるのだろう?
ふと、そう考えた。
夢とか希望なんてシロモノではまずない。
うーん、ならば、俺が運んでいるのはせいぜい、
記憶だろうか。
自分の記憶、そして俺と出会った人々の中に残る記憶も少しはあるかもしれない。
運送料は1日1000円ちょいだが、その価値は決して安くはない。
俺にとってはな。
本州の西端にある下関市が近づいてくるにつれ、
少しずつ歩道が整備され始めた。
遠くに見える山の陰は、もう九州だろうか。それともまだ本州か。
よくわからんのでヌカ喜びは禁物だ。
しかし、おのずとペースは上がる。
長旅中の俺には珍しく、上りも下りも関係なくユニサイクリングしっぱなし。
正直かなりダレかけていた山越えだったが、
目の前に目標ができるとやはり違う。
これまで上ってきたぶん下りの恩恵を受けながら、ズバッと下関市にイン。
もっと海に近づけば、いずれ関門トンネルの案内があるだろう。
だがそれは別に明日でもいいんだ。
まずはちょっと休みたい。さっきからわりと走りづめなだからな。
しかし進行方向側にコンビニが…ない…なかなか…ない…。
反対車線には時々あるんだ。
でも、不思議とこっちにはない。
ペースよく走っているので道の対岸に渡るのはわずらわしい。
そのうちあるだろうと思うのだが、本当にないんだよこれが。
いやまいった、もう10キロ近く、
信号待ち以外はずっとキリキリ走り続けている。
さすがに疲れるって。
いつしか18時前。
暗くなった国道2号線は、帰宅ラッシュでノロノロ渋滞中。
その脇の歩道を怒涛の勢いで走る俺は、
クルマから見たら鬼気迫る熱い走りをしているように見えたかもしれない。
でも実は、早くコンビニで休みたかっただけなんだよ。
結局、ついに最後までコンビニはなかった。
ちょっと奥さん、下関市街の国道2号線西向き、
どこまで行ってもコンビニが一軒もないんですのよ!!
かろうじてあったスーパーで小休止し、さらに海岸沿いをひた走る。
やがて見えてきたのは関門橋。
本州と九州を結ぶ橋だ。
うわー、今日中にあっさり着いちまったよ。
翌朝にでもゆっくりのんびり、
写真でも撮りながら渡ろうと思っていたのだが。
ま、着いたもんはしょうがない。
本州も九州もどうせ同じ日本、明日までひっぱる理由も特にないし、
こりゃもう渡ってしまうかー。