働く加速に痺れろ
2スト修行、一歩手前。
TLM220、ナンバー取得前に入院。
前にもちょろっと書いたが、とにかく始動性が悪かった。
ネットを見るとTLMの始動性はかなり悪いと書いてあるのだが、それにしてもヒドイ。
これで正常なのかどうかを判断する材料もないので、とりあえずバイク屋に見てもらうことに。
しかし。
最初に持って行った近所のバイク屋は、
「ウチはトライアルバイクは扱ってないので…。」
と、やんわりキッパリ逃げ腰モードだ。
なんやねんおまえ、ホームページに、
『オフロードバイクの整備は任せてください!』
とかなんとか書いとるやないか!
トラ車はオフロードじゃないんか!このチキンが!ヘタレが!
TLM220を見て「これ4ストですよね?」と聞いてきた時点で期待してなかったけどな!!
いかん、外国に行くと現地の言葉に脳が順応するように、
関西にしばらくいると関西弁脳になってしまうのだ。
とりあえず、ヘタレバイク屋が教えてくれたトライアルバイク専門店ってのに速やかに移動だ。
ここ。その筋では有名な店らしい。
そりゃあトライアルバイク専門店なんて日本にナンボもないとは思うが。
むしろそんな店がわりと近くにあってくれて助かった。
店長は無愛想で鼻毛も出ているが実はイイ人っぽい。
彼を信じて整備を託すと、数日後に修理完了のお知らせが。
うおっ、調子いい!!
簡単にエンジンかかるわー。
やっぱりあれほど始動性が悪いのは異常だったんだな。
さすがヤフオク。わかってはいた。
状態は、キャブの中がだいぶ汚れていたそうだ。
それにしてもこのマシンのキャブの取り外しには苦労した、とのこと。
だろうな。
実は俺も以前キャブを外そうとして、「あ、これはめんどくさそう」と直感し、
あとはプロに任せようという気にあっさりとなったのだから。
北海道の家みたいな屋根付きガレージでもないととてもヤル気にはなれませんことよ。
とにかく!
直ってよかった。
これでナンバーを取れば、晴れて公道トライアルマシンの出来上がりだ。
さあ、お次は。
今をときめくもう一台の2ストマシン。
その名もバーディ50。愛称セルジュさん(仮)。
ポスティングバイトの強力な機軸として中活躍してくれていたのだが、
数日前にいきなりパワーダウン。
30キロしか出なくなって法令遵守マシンだ!と思っていたら、
20キロしか出なくなってセグウェイか!?と思わせ、
ついには10キロしか出なくなって、一輪車といい勝負というところまで落ちぶれた。
ここまで遅いとさすがに普通の道は走れず、農道伝いに帰ってきたのはそれなりにいい思い出。
ちなみにこの状況でも目についた家にはポスティングしておくのがバイトの基本姿勢。
田舎の風景に溶け込みすぎてなくなりそうなバーディの存在感がいじらしい。
で。
時速10キロでもなんとか家に帰って来られたわけだが。
やはりキャブかなぁと思い、仕方なくキャブをバラして洗う。
(カブ系はキャブを外すのがTLMの860倍ラク)
しかし古いのに見た目も綺麗なこのバーディ、
キャブの中身も綺麗なもので、調子はほとんど変わらない。
2次エアも吸ってないようだし火花も順調…。
うーむ…。
よし、悩んでいてもしょうがない。
仕事マシンは早く直ってもらわんと困るので、
近所のスズキのバイク屋ってのに初めて行ってみた。
バイク屋の使い古したようなオヤジ(いやむしろオジイ)。
エンジンの吹けを一目見るなり、
「あぁ、これね…。」
そう言って一旦ガレージの奥に消えたかと思うと、長い針金を持って戻ってきた。
そしてその針金で、
マフラーの中をグリグリグリグリッ!!っとこじる。
…それだけでエンジン復活!!
結局、2ストオイルでマフラーが詰まっていたのが原因らしい。
「300円の安いオイル使ってるんじゃない?あれはすぐ詰まるよ。」
そ、それだ!!
次からきっと純正にしまっす!!
凄い。このオヤジは正真正銘のプロだ。
俺の2ストバーディーの状態を一瞬見ただけで症状を理解し、しかもその場で直してしまうとは。
やはりメカニックは経験豊富な人に限る。
某大手バイク店で俺のバーディを見て、
「綺麗なカブですね!」
と大失敗お世辞をかました営業などとはバイクに関する知識と技術の次元が違うぜ。
ま、そんなこんながありまして。
ようやく安心してトライアルバイクを見てもらえる店と、
スズキのバイクの修理を任せられる店を探し当てることができた。
紆余曲折あったが、いい勉強になったなぁ。
家に帰って、さらに徹底的にマフラー掃除。
ついでにギアオイルも交換。
廃オイルは水が混じって思いっきり乳化していた。
この2つで、調子が劇的に改善。
とにかく速い。パワフル。
遅いクルマを追い回す、きらびやかな2スト加速。
50ccでは幻の領域にも平然と踏み込んでしまう、現代離れしたスピード。
おまえ…今まで寝てやがったな…。
一定以上のスピードが出なかったのはリミッターでも付いてるのかなと思っていたが、
それも単なるマフラーの詰まりのせいだったようだ。
2ストに不慣れな俺には、オイルでマフラーが詰まってトラブるなんて発想がそもそもなかったよ。
しかしまさか、ここまでキャラが豹変するとは。
これがバーディ50の本気か。
おもしろい。
ただ走らせるだけで本当におもしろいバイクだ。
排気量の大きい新型ポスティング用マシンへの買い替えを考えていたが、
今のバーディならもうこれといった不満がない。
むしろもっとコイツを乗り回し、味わい尽くしてみたい。
問題があるとすれば50cc特有の交通法規ぐらいなものだが、
これはまあ、注意して走ってればいいってことで。
いやぁ、あのバリバリパパパンッて音がいいんだよな…。
ヤバい、
2スト菌が、
スズ菌が、
少し肺に入った…。