今さらアドプレッションV
新型ポスティングマシン、アドレスV100をバイトで使用中。
せっかくの機会なので、
栄光の90年代バイクのインプレを今さらながら書いておく。
まず車格。
50にしか見えない。俺も画像見てビビった。
自分ではもうちょっと大きいバイクに乗っている気分なのだ。
それもそのハズで、
パワーや加速はまったく50ccばなれしており、街中レベルではとにかく速い。
しかも2ストなのに激しい振動や荒々しさなどはまるで感じさせず、
どこまでもムニョーーーーンと伸び上がっていくその回転フィールは、
なんだか露天販売のベテランオヤジにうまく騙されているような気にすらなる。
そしてやはり、このマシンの真骨頂は市街地走行であろう。
軽くて小さくハイパワー。よくよくわかった、確かに『通勤快速』だわ。
日本の出勤ギリギリ野郎たちの圧倒的な支持を受けた理由は、乗れば大変によく理解できる。
コーナリングも慣れると自由自在。
小さいタイヤのおかげで、細かいところにもスイッと入ってくれる。
原付2種(51cc以上125cc未満)のスクーターがこんなに乗りやすいとは思わなかった。
それでは、肝心の住宅街でのポスティングシーンではどうか。
これが予想外にイイ。
新聞屋時代はスクーターで配達なんてやってられるかと思い込んでいたが、
実際にしばらく乗り回してみると、これがまったく問題ない。
回転半径は小さいし、なんせ軽いのが有利だ。
速いばかりでなく低速走行も容易で、ここでも俺の2ストのイメージを見事に塗り替えてくれた。
カブでは必須のギアチェンジが無いというのも、慣れてしまえば非常にラク。
昔はカブ一色だった新聞屋マシンが今では猛烈な勢いで配達用スクーターに置き換わっている。
この事実もこれなら充分にうなづける。
こんなに乗りやすくて扱いやすい乗り物だったんだな、スクーター。知らなかった。
そうだ、このアドレスに乗り始めた当初はコーナリングがとてもやりづらく、
思ったようなラインがなかなかトレースできなかった。
やはりスクーターは苦手だ、
こんな難しい乗り物によくもまあ老若男女が気安く乗っているモノだと感心していたが、
実はこれ、タイヤがツルツルで、しかも空気が入っていないだけであった。
それもパンクして修理に持ち込んだバイク屋で指摘されて初めて気がついたという次第。
空気圧チェックはメンテの基本ですよねー。フフ。
前後タイヤを新品に換えた瞬間、いやーきたね。きたきた!
そういえば今日まですっかり忘れていたが、
台湾でスクーターをレンタルして一周していた時に、エンジンが止まったんだ。
俺はその原因を、てっきり2ストオイルが無くなったせいだと思い込んでしまった。
だが実はプラグキャップが抜けていただけで、
しかもバイクはオイル補給とはまったく関係ない4ストだったという。
今も昔もアホだねー。
でも今ならわかる、あのとき点灯していた『OIL』というランプは、
2ストオイルの補給ではなく4ストオイルの交換時期を示すインジケーターだったのだ。
いやーまたひとつ賢くなったわ。
ヤバい、このままではやがて賢者にまで登りつめてしまうぞ。
ちなみにここは、30年前に俺が出入りしていた保育園。
俺はここで以下のようなことを学んだ。
・右と左は別。
・ハサミムシに挟まれると痛い。
・コンニャクを踏むと気持ち悪い。
・世の中には人気者とそうでない者がいる。
アドレスV100、思いのほか好印象だ。
音がちょっとうるさいとか激しく乗ると燃料計が砂時計のように下がっていくとかいろいろあるが、
それらを考慮しても、充分にポスティングマシンたりえる。
しかしまさか、自分がここまでスクーターを高く評価する日が来ようとはな。
原付2種のスクーターというのが、ここまでよくできた乗り物だとは思わなかったんだ。
こんな機会がなければ100歳過ぎてもスクーターなんかつまらんと言い続けていたかもしれない。
いやいや、結構遊べるぞ、これ。
さて、最高のポスティングマシンとは何かを一人で勝手に探求している俺。
ひょっとして、このままアドレスV100が王座に君臨してしまうのか!?
それとも他のスペシャルマシンがまだ息を潜めて出番を窺っているのか!?
アドレスで熱く帰宅してたら、バイク便仲間に偶然遭遇した。
彼には確か去年の帰省時にも出くわしたよな。
俺たちがいたバイク便会社は、
本当にいろんなことがあって最終的には解体のようなカタチで消滅したのだが、
その時のメンバーで今でも走っているのは今や彼一人。
まさに最後の生き残りだ。
会うたびに仕事の内容がキツくなっているようだが、それも御時世ってヤツだろう。
なんにせよ、お互い今でもバイクに乗ってるところが微笑ましいよ。
あー、どれにしよっかな。
次のマシン。