川から見る

美瑛の町に、『蜂の宿』というライダーハウスがあってね。
 
もう何年も前からあるんだけど、俺はこれまで一切立ち寄ったこともなかった。用事もないしな。
で、その蜂の宿。
いつのまにか宿の主が変わっていて、自作とおぼしき建物も増え、
前からあった客車を利用した居酒屋まで併設されている。
へー、雰囲気変わったなーと思っていたら、
ひょんなことから最近その主、野澤さんとお知り合いになった。
 
そして、お知り合いになった翌日には、彼に誘われてカヤックへ!!
 
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…カヤックへ!!
 
ってほぅ、これがカヤックか…。(よく知らなかった)
このライダーハウスは宿と居酒屋のほかに、近所の川でカヤックツアーもしているのだ。
そして今日は今シーズン一発目というカヤックツアーに、素人代表の俺をお誘いいただいたわけである。
 
おぉー、俺。
沈むんだろうな。沈むんだろうなぁ。
 
関係ないけど、軽トラが同じで笑った。
スズキのキャリィ、550ccのキャブレター車。おたがいよく生き残ったものだ。
まさかこんなところでキャブ仲間に遭遇するとは。
 
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さて。
近場の美瑛川から、もういきなり漕ぎ出す感じ。うへぇー。
カヤックはもちろん、ウエットスーツやライフジャケット等、必要な装備一式は貸してくれる。
さらに以下の画像もすべて野澤さんが撮ってくれたものだ。
そりゃあ俺に写真を撮る余裕などあろうハズもない。
 
うーんなんだろうなぁ、水の上、どんな感じなのかサッパリ想像もつかん。
ま、乗るしかないな。
 
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野澤さんの懇切丁寧でわかりやすいレクチャーを受けつつ、とにかく漕ぎ出す。
 
おおっ、浮いている!
前に進んでいる!!
 
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最初に感じるのは、景色だ。
 
いつも見ている町。バイクで通っている橋。
そんなモロモロが、これまでとはありえない角度に存在している。
そうか。
川のまんなかにいると、世界が変わって見えるのか。
 
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だが初心者代表の俺。あまりよそ見している余裕はない。
パドルをどう漕げば船がどう動くのか、よくわからなくてこんがらがる。
なんとなく、初めてフォークリフトに乗ったときのことを思い出すよ。
 
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本日の美瑛川は天気もよく、流れも穏やかで、野澤さんいわく最高のコンディションとのこと。
 
それでも、初心者にはドキドキの狭くて速いところもあり。
そうかと思えば、流れがゆるくて俺でも犬を乗せてチキンラーメンを食えそうなところもあり。
 
川なんて上から見たらのっぺりとしたものだが、
カヤックの視点から川面を前にすれば、
そこは圧倒的な量の水が、ひたすら多彩に変化する立体空間なのだった。
平らな水の上を平和に滑っていたかと思えば、突如ジャンプ台みたいなカタチをした白波に突っ込んだり、
水面ばかり気にしていると、見逃していた大岩で船底をコスったりもする。
(そうそう壊れないから大丈夫と聞いて安心した)
初心者向けに選んでくれた穏やかなこの川ですら、それだけ変化があるのだ。
 
実は、ゴムボートで川を下ろうぜ!なんて話が一部のヒマ人たちの間で毎年のように出ていたのだが、
これはやらなくて正解だった。
この川にこんなに岩があるとは知らなかったよ。
知らずに突撃してたら、40秒でカッパ怪獣テペトになっていたところだ。
 
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はーい、ゴール地点に到着ー。
長いような、短いような。
川に流されていると、時間の感覚がよくわからなくなる。
 
これがカヤックかぁ。
ほんの少しかじらせてもらっただけでも、モノを見る視点や、時間の感覚が鮮やかに変わる。
これは、気持ちがいい。
 
あ、しまった。沈しなかった。
 
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軽トラ2台を連ねて戻ってきた蜂の宿の裏手にて、今度はスラックライン試乗会。
 
いやー乗れない。これがまた乗れない。
そこがおもしろいでしょ!?
そう言いつつ、俺もロクに乗れないので見本も見せられないところが大変味わい深い。
 
さらにこの後、旧知の人間すらかかわることを避けることで有名な荒んだ我が家を訪問してもらい、
そしてぜひ会ってみたいということで、先日も訪れたカワサキさん宅で立派な自作ハウスを見学。
いろいろやってみたい人どうしが、輪を広げることができた良い一日だったと思う。
カヤック本当に楽しかった。野澤さんどうもありがとう!
 
俺の旅暮らしのベースとなったライダーハウスGOとはまた趣の違う、エネルギッシュな宿だよ。