6月22日#2 まんなかで見た

 
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キューバ名物のチャリおじさんと会話しつつ、併走クルージング中。
チャリと違ってすぐ股が痛くなる一輪車は本来、チャリとの併走には向かない。むしろ勘弁して欲しいレベル。
だがおじさんの人柄とクルージングの技術次第によっては、しばらくはなんとかなるのだ。
会話に集中しているため、いつのまにか結構進んでいるというオマケつき。
 
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よくわからん町で、優雅にカフェ休憩中。
これまで休憩といえばミネラルウォーターか缶のコーラを飲んでいたが、
このガソスタ兼カフェには、よく見るとコーヒーというメニューがあった。
 
カフェ・エスプレッソってヤツが、CUCで1杯0.25。
なるほどコーヒーなら安いものだ。あいかわらずカップ小さいけど。
そして、カップと一緒に渡されたのがプラスチックのナイフなのはビビった。
まさかナイフで混ぜるのがキューバ流なのか!?

それはそうと。
新開発のクルージングがいい。体感的にも心理的にもだいぶ早くなっていると思う。
いいぞ。でも油断はしないように。
ぐわ、カフェエスプレッソ、にがい!!!
 
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進歩というのはおそろしいもので、
クルージングを会得した俺は、ついには農家用の遅い馬車を追い回して抜いていくほどになってしまった。
ユニサイクルツーリングという観点ではなかなかどうして順調であるといえよう。
 
しかしまぁ。
レンタカーのやつらだけは、なんでこう愛想が悪いのか。
先で止まったと思ったら、クルマから出てくるでもなく話しかけてくるでも笑顔を見せるわけでもなく、
ただジーーーーっと俺を眺めているだけ。
サファリパークか?
俺はそんなに珍獣か?
フッ。
どうだ、珍しいだろう、お前らが絶対にしないことを俺はやってるんだぜ。
ただ唯一、助手席の少年が目を輝かせて見ていたからヨシとするが。
 
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おっとここでようやく500キロ達成。
このあたりはキューバのほぼ中心といっていい地点でもある。
 
今回の旅は、あまり進まないという印象がある。
アイスランドや日本縦断の時だと、500キロなんてのはわりとあっさりと過ぎていた気がするのだ。
狭い島のわりには何か色々と手こずっているということだろうか。
残りの距離や日数を考えると、こりゃ1000キロはいかないかな。
別にいいや。
 
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わかりにくいが、道路脇の石碑に499と書いてある。ハバナから499キロ地点。
キューバを横断するこの国道には、
ハバナを基点にして数キロ刻みでこうした数字入りの石碑が置いてあるのだ。
 
俺はハバナからまずバラデロ方面に迂回、寄り道した後でこの道路に合流してきたのだが、
ここにきて個人的な走行距離とハバナからの直線距離が、偶然にもほぼ同じになったわけである。
迂回してきたわりに、途中でいろんな乗り物に乗せてもらってワープもしたからな。
ああ、ジュースがうまい。
 
今日もよく休む。
一輪車旅というのは本当に、走る。歩く。休む。
この3種類の繰り返しなのである。それはもう、ひたすら。
やっと見つけた木陰で靴も脱いでブッ倒れていると、
 
「疲れたのかい?」
 
と言いながら、現れた男女2人がいる。
 
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すぐ脇にある広い牧場で働いてきた帰りか何からしい2人。
牧場の土の上を歩いてきたせいで、足がドロドロである。
 
俺が兄ちゃんと通じないスペイン語で会話している間、女性のほうは一生懸命ヒッチハイクをしている。
ここで驚くべきことに、彼女はなんと、2枚ほどの札を手にもって振りかざしているのである。
写真で彼女が持っているアレだ。
 
ここで俺は初めて気がついた。
ヒッチハイクって、必ずしもタダじゃなかったんだな。
これではヒッチハイクというより、安いタクシーを捕まえているようなもんだ。
なるほどなぁ。
キューバでは誰もが気軽にヒッチハイクをしているが、そうか、金を払っているのか。
人々はちょっとした距離を他人のクルマに乗って移動し、
クルマを持っている人間はそれで小遣い稼ぎにもなるというわけだ。
合理的といえば合理的である。
しかし、ある程度の安全が保障された社会でなくては、こうはいかないだろう。
これも1つのキューバ文化ってところなのかな。
勉強になったよ。
 
この先にある町、実はその名をフロリダという。ウソではない。
そのフロリダまであと30キロほどか。
今日中にたどり着けない距離ではないが…。
またしても、またしても降り始めたパラパラ雨が、どう出るかだ。