6月23日#2 そぞろ歩き DE カマグエイ

マニュエル宅の涼しい部屋で一休みして、少し元気が出た。
ちょこっとカマグエイの街を散策してみようか。
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おっと、アパートの前にはいきなりこんな物体が。
今夜から始まるカーニバル用の特設ステージだな。
こんな辺鄙な裏通りにまでステージを作るぐらいだから、さぞや街全体が盛り上がるのに違いない。
みんなウキウキしているのだろうけど…、やっぱり、うるさいのはイヤだな。
 
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とはいえ、カーニバルの本番は明日からだ。
先走って踊ったり騒いだりしている人はいないし、人のいない通りはこんなにも静か。
そのへんがなんとなくキューバらしい。
とても古そうに見える石畳と、建物と、静かにたたずむ教会。
カマグエイはきっと歴史のある街なのだろう。
 
それにしても、暑い。
刺すような直射日光だ。
つい先日まで雨に悩んでいたのがウソのような天気である。
 
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電動バイク。
キューバではこの手の電動バイクを本当によく見かける。普及率は日本以上だと思う。
物質的に豊かとは言い難いキューバではあるが、
これまで途上国にありがちな停電を経験したことがまだ一度もない。
電気が安定供給される国ならば、電動バイクは手軽で便利な乗り物だろう。
すっげぇ遅いけど。
 
ところでよく見るとこのバイクのナンバー、『ELECTRICO(電動)』って書いてるだけのように見える。
電動バイクはこんな簡単なナンバーで許されるってことなのか?
普及するのもわかる気がする。
 
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あー、暑い。
建物が作る日陰から一瞬でも出るのが苦痛である。
しかも広いなぁ、カマグエイ。
俺がこれまでキューバで訪れた地方都市の中では随一の広さだ。
さっきマニュエルから借りた地図がないとこりゃ迷うわ。
 
ちょっとした買い物と、次の街へ行くための道筋を確認しようとしただけなのに、
これは思いがけず長い散歩になってしまいそうだ。
 
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地元のキューバ人もさすがに暑いのか、できるかぎり日陰を選んで歩いているな。
ところで、ここどこ?
街が広すぎて現在地がよくわからないなんて、ずいぶん久しぶりの経験である。
 
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カマグエイの屋台グルメ第2弾!
今度は豚肉のバーガー。これまたシンプルでいて一味効かせた味でうまい。
ガラスケースの中に丸焼きのブタが一頭まるまる入っていて、それを少しずつ切り取ってパンに挟むわけだ。
それもただ単に切り取るのではなく、
柔らかい肉の部分とカリカリの部分の2種類を別々に取って挟んでくれるという芸の細かさ。
ニコリともしてくれない店のオヤジとのマッチングがまた素晴らしい。
 
写真のブタはもうずいぶん小さくなっていてわかりにくい。
そろそろ新しい丸焼きブタ投入のタイミングであろう。
そうなると、さっき見た屠殺済みホヤホヤのブタのことをつい思い出してしまうのであった。
 
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広大なカマグエイには、あちこちに教会がある。
それぞれ由緒ある歴史建造物でもあるらしい。
 
俺は教会の歴史にはさほど興味はないが、教会が用意してくれる日陰とベンチには大変関心がある。
が、日陰のベンチはほとんど地元民に占領されているのであった。
たぶんみんな俺と同じような考え方なのだと勝手に納得しておく。
 
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ん?なんだありゃ。
教会の横の広場で何かやっているな。
 
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おぉ、警察のバイクが隊列走行の練習をしている。
きっとカーニバルのイベントでやるのだろう。
これはおもしろい。
 
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日本で言うところの白バイ的存在ではあるが、なぜかどれも、ゆったりと乗るアメリカンタイプである。
こんなバイクで素早く逃げる犯人を追いかけたりできるのだろうか。
もっとも、素早く追いかける気が初めから無い可能性はある。
 
ここで俺の貴重な発見を披露しよう。
実は、キューバの警察用バイクは、日本製の250ccのバイクで統一されているのだ。
 
多いのはスズキのマローダーと、ヤマハのビラーゴ。
昔はよく見たビラーゴはともかく、マローダーなんて日本でもほとんど見かけない希少車である。
売れ残り、いや在庫をスズキが安く大量に流したりしたのだろうか?
 
キューバではアジアや東欧などいろんなメーカーのバイクが走っているが、
日本のメーカーでは唯一スズキが健闘しているだけで、それ以外のメーカーはなかなか見ない。
なのに珍しいヤマハのバイクを警察が採用しているというのはそれなりに謎である。
社会主義国とはいえ、民間と政府系ではパイプが違うのだなーというのをそれとなく感じさせる一件ではある。
 
マニア垂涎の古いクルマや建造物を見てもなんとも思わないのに、
自分がちょっと知っているバイクのこととなると、
そこからあらゆる類推や想像が自然に膨らんでいくのが我ながらおもしろい。
人のモノの見方など、どうやっても一面的なものなのだ。
 
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お、交差だ。
うまくいくかな?
俺はもちろん、チラホラいる地元の見物人たちも、なんとなく固唾を飲む一瞬である。
 
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まあまあうまくいった方だろう。
でも本人たちはイマイチ納得していないようで、さらに練習は続くのである。
余計なお世話だが、治安維持のパトロールとかはしなくてよいのであろうか。
ここにきて俺はようやく、写真ではなく動画で撮るべきだったと気づいた。
 
用は済んだ。
暑いけど、散策を続けるとしますか。