6月25日#2 偏食徘徊日記

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よっしゃ、これよりラストゥナス散策に出発!
今朝この道をさまよっている時、この家の2階に座ってたおばさんから勧誘されたんだよ。
その時は他に探しているカサがあったから断ったのだが、
目的の宿が満室で、移動させられて来たのが結局ココだったというわけだ。
なんじゃそれ。
 
ちなみに一戸建てのように見えて実は1階と2階で別世帯が住んでいるらしい。
俺が泊まるハートいっぱいファンシールームは2階の道路寄りの窓がある部屋だ。
 
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大きな街を散策する時は、まず最初に最も賑わっている場所に来るに限る。
宿から街の中心部はわりとすぐ近くだ。
ぱっと見た感じ、ラストゥナスはカマグエイよりは小規模だが、なんとなくオシャレーな雰囲気。
 
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小腹が空いたのと日陰を求めてピザを買ってみる。
ピザなのにハンバーガーみたいと思うかもしれないが、
最初からこんな風に半分に折りたたまれた状態で手渡されたのだからしょうがない。
そんなことより、よく見ると後ろのお姉さんの服装が凄い。 
 
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おそらくラストゥナスのメインストリートっぽいところ。
暑いせいか歩く人はまばらだが、広くて座れるカフェにはギューギューに人が詰まってて並んですらいる。
カマグエイもそうだったが、商業エリアの建物はアーケードのように張り出して屋根になっているところが多い。
これで雨もしのげるし、何より日陰ができるのだ。
よって俺も含めて街の皆さまはみんな極力日陰を伝って歩くことになる。
わりとどこにでも家や樹木があって陰に隠れやすい日本と違って、灼熱のキューバでは日陰が貴重だ。
 
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たまたま見つけた市場でマンゴーを買う。
いまだにこれが絶対にマンゴーだという確たる自信がない俺。
買う時に近くにいた主婦に尋ねてみたところ、その場で熱心な講義が始まってしまった。
 
これは緑が多いからまだ早いわ、こちらにしなさい…みたいなことを言われたようで、
手に持っていた手頃なサイズからおばさんおすすめの大ぶりなやつにチェンジ。
さらに別の見たこともない怪植物についてもあれこれレクチャーしてくれたが、
言っていることがほっとんど理解できなかったのは申し訳なかった。
 
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で、小型ナイフで皮を剥いてマンゴー実食中。
やはりこれは間違いなくうまい。
日ごろ大したモノを食ってないので、野菜の代わりとしても積極的に摂りたいものだ。
 
マンゴーってうまいけど日本で買うと高いよな。
ここでは1個5ペソするかしないか。20円ぐらいだ。
だもんで、酸っぱかったりエグかったりする中心部を残して甘い外側だけを食うなんて贅沢技も炸裂する。
うまいが、小さなナイフ一本で立ち向かうと手と周囲がベタベタになるのは避けられない。
そして、繊維が歯に挟まる。
ついでに、街の真ん中の広場でマンゴーを食ってるヤツなど俺以外には誰もいない。
とても注目を浴びているが気にするな。
 
ラストゥナスの街はまとまった範囲に小綺麗な店が並んでいて買い物もしやすく、そこそこ気に入った。
幻の(と勝手に呼んでいる)3ペソ札を得るためにあちこちでお菓子や食料など買ってみたが、結局ダメ。
お釣りが3ペソになるように調整しているのに、返ってくるのは3ペソ硬貨や1ペソ札ばかり。
俺は『3ペソ札』が欲しいの!あえて両替してもらうほどまだ切羽つまってはいないけど!
この調子では3ペソ札が手に入る前に腹がパンパンになってしまうぞ。
 
街で食料を集めていると気がつくこと。
ここでも同じだ。
大きい水のペットボトルや携帯しやすいビスケットなどの食料は、やはりCUCじゃないと手に入りにくい。
ペソクワーノで買えるのは、小さくて安くてごく庶民的なモノに限られる。
CUCの店を含めれば、キューバの大きな街はどこも品物が豊富で、物不足という感じはまるで受けない。
むしろ豊かにすら見える。何か裏があったりするのだろうか。
これはバラデロあたりからずっと考えていることだ。
 
おや?
何かマージャンみたいなゲームをしている人々を発見。
これは声をかけてみよう。
 
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おぉ、ドミノですよ、ドミノ!
日本じゃ並べて倒すしか使い道がないドミノ、実はこうやって遊ぶものなのか。
 
ちょっと見せてねーと陽気な兄ちゃんたちの輪に入れてもらってしばらく観察していると、
大体のルールがわかってきた。
マージャンと、トランプでやるスピードというゲームを足したような感じ、かな?
 
場はかなり白熱しているようで、このシンプルなゲームを飽きることなく何度も繰り返している兄ちゃんたち。
それでいてカメラ目線もサービスしてくれるし、仲間内を回っている酒が俺のところまで来たりもする。
なんというか、荒んでいない。
ギャンブルも明るくあっけらかんとして、スカッと突き抜けている。
ここの気候と同じだ。
 
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この街の散策は楽しい。
かなり広範囲を歩き回って、メインの商業地帯はあらかた制覇したかな。
初めて来た街なのに、なんだかここの住人になったような気すらしてくる。
きっと居心地がいい街なのだろう。
 
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そんなのんびりしたような街でも、実はしっかりと社会主義なんだよな。
ホラホラ、またカストロがなんか言ってますよ。
俺は昼間っからビール飲んでますけど。
あーこれだけ暑いと俺でもビールを飲みたくなる。
 
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ダメ押しピザ。
今日は明らかにファストフードを食い過ぎている。
でもやっぱり目的の3ペソ札は手に入らない。
ところで、俺もそろそろわかってきたよ。キューバ的なピザの食い方。
こいつをね。
 
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こうやって折る。
さっき食べたのもそうだったが、これがキューバ流なんだな。
みんなそうやって食ってる。
確かに慣れるとこっちのほうが食べやすい。
トッピングが無いから折り曲げても具が膨張したりハミ出したりする心配がないという、
ちょっと情けない理由ではあるが。
 
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カサに帰還。
おやつみたいなモノばかり食べて充分に腹が膨れてしまったので、今夜のディナーはなくてもいいな。
 
ラストゥナスの街は気に入った。でもこの宿だけは少々残念である。
実は15時ぐらいに一旦帰って来たのだが、なんと家に誰もおらず、部屋に入ることができなかった。
おいおい、客がいる時ぐらいは誰か家にいてくれよ。家族で住んでるっぽいのに。
しかも後から俺が帰って来てたのを知ってもそれについて一言もなく。
25CUCなんていい金取りながら、サービスはダメだな。
所詮はCUCが欲しくて部屋を貸しているだけか。
 
でも。
これがキューバクオリティ…とは言いたくないんだよな。
サンタクララのルイスもカマグエイのマニュエルも、ここより安い宿代なのに、ずっと親切で誠実だったと思う。
ただここのカサがルーズなだけなんだろう。
ここはルイスリストにあるカサではないのだし、たまたま残念なカサに当たってしまったということか。
これも経験だ。

キューバという、社会システムも言葉も違う国にいる。
それは世界の広さ、多様さを肌で知るいい機会となるだろう。
こういう経験は多い方がいいと思うのだ。そのうち何かの役に立つ…と、思うよ。たぶん。
 
夜は夜で、リビングあたりがなんかうるさい。
またカーニバルでもあるまいに。ホストがうるさくしてどうすんの。
まぁ、疲れてるから余裕で眠れるけどな。
明日はとっとと出発しよう。