6月27日 グルメの街オルギン!
今夜2度目の野宿は誰にもみつからずに寝ることができた。
寝てる時も珍しく涼しかったし、明け方は少し寒いぐらいだ。
4時に出発して、そこから10キロ進めばあっさりとオルギンに到着。
しかし、あれ?
いつになったらオルギン市街が見えてくるのかと思って延々進んで来たが、
やばい、どうやら市街を行き過ぎてしまったようだ。
いつもの街なら、街の入り口からみすぼらしい感じのエリアを経て、
やがて市街中心部だの歴史的地区だのという標識に沿って進めば、
自然にカサパルティクラルが密集する中心エリアに着いた。
が、どうも今回は勝手が違うようだ。
どうもおかしいと思って荷物を下ろして方針を立て直していたら、おばさんが話しかけてくれる。
なるほど、やはりかなり行き過ぎてしまったらしい。戻らねば。
ところでこのおばさんは妙に陽気で、聞いてもいないのに自己紹介してくれるのだ。
ギレラさん?ちょっと違うな、キューバ女性の名前はつくづく覚えにくい。
「あなたはどこの国の方?」
なんて丁寧に尋ねてくれるのが嬉しい。
いつもなら、「チノ!」って決めつけられてるところだ。
で、「日本人です。」って答えたら、
「私はキューバ人です。」
と。そりゃそうだろ。
とにかく彼女の明るい人柄に少し救われた。
さーて、めんどくさいけど引き返そうか。
あ、ルイスのカサリストにオルギンの分もあると思い込んでいたのだが、今見るとなかった。
これは迂闊だったな。
というわけで、今日の宿は自分でみつけねばならない。
これもいい経験だ。しっかりやろう。
これまた人に聞きまくって、まずは街の中心部に。
よし、今度こそやって来たぜ。
そこから裏通りにちょこっと入ると、さっそく見つかるカサ・パルティクラルの青い看板。
まずは手近なところのチャイムを押してみるが、そこには先客がいるらしくてダメ。
でもそこの女性が親切な人で、わざわざ近くにある別のカサまで俺を連れて行ってくれるのだ。
紹介されたのは、建物の2階にあるカサ。2階全体が住居兼宿ということらしい。
このカサの夫婦はいい人そうだ。笑顔が柔らかで温厚な雰囲気。
着いてすぐにキューバコーヒーをふるまってくれるし、宿代は20CUCで安い。
自室の隣に専用のトイレやシャワーもあり、これでいつ下痢になっても大丈夫だ。
自分で適当にみつけたカサにしては素晴らしい条件と言えよう。
ところで、部屋の説明の時、カサの旦那さんから、
「チカを連れて来るようなことはできれば…」
みたいなことを言われる。
チカって何?
わからない単語なので聞き返すと、どうやら女のことらしい。
辞書で調べると女児といった意味だが、ここではどうやらプレイガールのことを指しているようだ。
あぁそういえば。
たしか夜のハバナをさまよっていた時も、
「おい、チカはどうだ?ドラッグもあるぞ!最高だ!」
とかなんとか言って話しかけてきたヤバいおっさんがいたな。
あーなるほど。また一つ勉強になったわ。
「ここに女の子を連れて来たりしないから大丈夫だよ。」
そう答えると彼は安心したようだ。
ここは廊下で夫婦の子どもたちが無邪気に遊んでいるようなカサだ。
そんな雰囲気じゃないって。カルロの家じゃあるまいし。
さ、まずはちょっと散策しようか。
スズキのバイクがあったから撮ってみただけ。
街の中央のまとまったところに大きな店が集まっているのは先日のラストゥナスに近い。
だがそういう綺麗な店は決まってCUC払いなのであまり興味がない。
ペソクワーノ愛好家の俺としては、その辺の小さな出店に期待するとしよう。
住居兼ミニミニカフェテリアで、メニューにチョコレートというのを発見。
これは飲んでみないとな!
おぉ、ホットチョコだ。これは空前のうまさ。
これまでほとんど水かコーラかコーヒーばっかり飲んできたので、
ホットチョコなんていうシャレた飲み物が本当においしく感じる。
こんなモノがキューバにあったとは…。
この小さな店をやっているのは妙齢の女性なので、
店と一緒に写真に撮らせてもらってもいいかな?と聞くと、恥ずかしがってやんわりと断られてしまった。
こういう反応もキューバではちょっと珍しい気がする。
うーむ、この店、気に入った。
また来よう。
ノドを潤したら次はメシというところだが、俺はここに来てついに、凄いモノを発見した!!
どうだこれ、皿に入った料理!
例えれば、赤飯の上にチャーシューが乗っかったようなモノなんだが、これがもういたずらに旨い。
パンでもピザでもなく、ちゃんとしたご飯だ。しかもほんのりサラダまであって…うぅ、泣ける。
なんだよこれ、こんないい食い物、これまで他の街で全っ然見かけなかったぞ!
このボリュームでリフレスコ(ジュース)付きが21ペソクワーノ。安いッ!!
よし、ここにもまた来よう。
いやー、最高だなオルギン。これまで通ってきたキューバの街で一番気に入った。
なんせ食い物がうまい。
そしてここは別名『公園の街』と言われているらしく、座って休憩できる広場や公園があちこちにある。
こんないいトコないよ。3日は住める。だが予定は1泊だ。
今日も暑いけど風は涼しいし、観光日和ですねぇ。
ここがオルギンの中心部になるのかな。
この広場の周囲にグルッとオシャレ系の店がある。
像のおっさんはカリスト・ガルシアとか何とかいう将軍だが、それ以上のことは全く知らない。
別の広場にあるこのおっさんも勿論知らない。
この街、確かに広場がたくさんあるようだな。
皆さん平和そうにボーッとベンチに座っており、危険レーダーを強力に張り巡らせる必要をあまり感じない。
警察官がたむろしているところで声をかけられ、一体何を尋問されるのかと思ったら、
「おい、カラテはできるのか!?」
できねぇよ。
綺麗な街並みから一歩裏に入るとこんな感じなのはどこも同じ。
それにしてもキューバ女性の歩き方は自信満々っぽくてカッコいい。
ちなみにキューバのおっさんは大抵ダラダラしている。
はい、午前中の散歩を終えて、とりあえず宿に帰ってきたよ。
いやーオルギン!いい街だよここ。
最初に通り過ぎてしまった時はもうこのまま次の街に行ってしまおうかと考えたものだが、
わざわざ引き返して来てよかった。
宿の対応もかなりいい。
部屋と玄関のカギを両方持たせてくれるので、出入りの自由さ加減はこれまでで最高クラスだ。
そりゃあ禁止されてても女を連れ込もうとするヤツはいるだろうな。
さて昨夜は大して眠れていないし、夕方までちょっと寝るかな。
いや、その前に、試してみたいことがあるんだった。