6月27日#2 キューバ、そして自由

  
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第一次オルギン散策における戦利品の数々。
クッキーとコーラとビールは毎度おなじみとして、じゃあ真ん中の紙パックは何でしょう?
 
正解は、ラム酒。
 
店で飲み物を買ったついでに、「あの四角いのは何?」って指さして聞いたら、
無表情な姉ちゃんが、「ロン。」とだけ言ってきた。
ロンじゃわからんだろうが!!と思ったものだが、調べたらロンはスペイン語でラム酒のことだった。
なるほどねぇ、これがラム酒か。しかも紙パック入りとは。
おそらくは日本におけるワンカップ大関と同じぐらいの位置づけなのであろう。
 
屋台グルメが質・量ともに素晴らしいオルギンにおいてさえ、
持って帰ってこられるような食料となると、CUC払いの店でしか買えないのが残念である。
このクッキーもコーラもビールもロンも、全部CUCの店で買った。
 
ペソクワーノで買えるものとCUCで買えるものにはここでもハッキリとした区別があるようで、
グレーゾーンはせいぜいコーラなどの缶ジュースぐらいか。
酒類はペソクワーノでもバーに行けば飲めると思うが、買って帰ろうとするとやはりCUC払いになる。
これは旅行者だけでなく、キューバ人にとっても同じことだと思う。
つくづく不思議な体系である。
で、さっそく紙パックのラム酒をちょっと飲んでみた。
なるほど、強い酒って感じ。
ここにはちょうどコーラもある。即席でキューバ・リブレを作って飲んでみよう。
 
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キューバリブレとは、ラム酒のコーラ割りのことだ。
いずれハバナのバーで味わってみるつもりだったが、フライングして今飲んでみる。
うーん、うまい。
でも強い。もう回ってきた。
 
まだ午前10時。この部屋は広くて快適なのにイスがない。
だがそこは日本人、床の上にあぐらでカバー。便利な習慣である。
しばらくそうしてキューバリブレを飲んでいたが。
あー酔った、シャワーでも浴びて一回寝よう。
 
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 シャワー&トイレ。
一瞬バスタブがついてるように見えて驚いたが、バスタブにしては浅すぎる。
ただ、湯はためられないにしても、手で洗濯をするにはちょうどいい。
 
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あー、さほど酒に強くはない俺。キューバリブレでしたたか酔ってしまった。
あーオルギン最高!ビバオルギン!
うええ…。
 
自分で作ったキューバリブレのせいで申し分なく酔っ払い、3時間ほどブッ倒れてしまった。
その3時間の間、キューバの町をさまよう異様な夢を見続けた気がする。
 
どうも俺にはラム酒は強すぎるようだ。アルコール度数は36%と書いてあるな。
缶ビールぐらいなら大したことないんだがなあ。
ちなみによく買うクリスタルというライトビールは4.9%だ。
 
さて、復活してきたからそろそろオルギン散策第2弾行くかー。
 
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第2弾!と意気込んで出掛けたが、まだ暑くてグッタリ。
俺が泊まってるのは一番手前のカサだ。
このあたりはカサがたくさんある。どこも2重3重にカギがかかっていてそれなりに厳重。
 
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宣言どおり、チャーハン赤飯屋にまた来てしまった。
しかもまったく同じメニューだ。実はこれ、この店で一番高価な料理である。
店の寡黙なおっちゃんには『コイツまた来やがったよ!』みたいな顔をされているが、いいんだ。
ここは二度来る価値が充分にあるのだ。
2回目でもやはりうまい。
 
残念なのはホットチョコレート屋が閉まっていたこと。これは無念。
しょーがないのでまたチラホラと買い物して、
 
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カサの近くで見つけた今風なカフェテリアにて、オムレットとかいうメニューを頼んでみる。
え、これがオムレット?オムレツ?
ホントに卵焼いてパンに挟んだだけだろ?
予想とはちょっと違う物体だったが、味は普通だ。まあ野菜が摂取できたからよしとする。
老舗の屋台ではなく真新しいカフェテリアだとこんなものか。
 
そんなわけで、今回もまた似たような食い物の写真しかない。暑いと散策も大変だ。
夜になれば少しは涼しくもなるが、今日はもう外に出る気にもならない。
部屋でスマホのゲームでもしていよう。
嗚呼非生産的生活ー。
 
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上が20ペソクワーノ。下が20CUC。
書かれた額面は同じくベインテ・ペソス(20ペソ)だが、その価値はまるで違う。
なんせ、下の20CUCだとこの素敵な部屋で何不自由なく一泊できるが、
上の20ペソクワーノには、缶コーラの3分の1の値打ちしかないのだ。
これが二重通貨の実情。つくづく変わった国である。
 
キューバ・リブレのリブレとは、自由を意味する。
ラム酒にコーラを混ぜたものがキューバの自由。なんだかおもしろい。
それはそうと、小さな紙パックごときのラム酒をコーラで割っても全部飲みきれない。
強すぎるアルコールをカラダが健気にも拒否しているのだ。
悪い、捨てるわ。
洗面台にキューバの自由を流し去り、あとは寝るのみである。