7月2日 冷やしすぎない

サンティアゴ滞在2日目。
ここはハッキリ言って気に入らない街ではあるが、ずっと部屋にいるのも勿体ない。
バスの時刻表も確認したいし、ちょっとは外出するかな。
 
イメージ 1
 
ぐわぁー、灼熱。
宿を出た瞬間に全身を包むこの熱気。歩く気も失せる。
 
少しだけカラフルな街並み。視界に満ちる真っ白な光と、くっきり濃密な影。
これは日本の夏の光景ではない。
すなわち、異国だ。
 
イメージ 2
 
昨日の散策とエルネストにもらった観光地図のおかげで、サンティアゴの地理は大体理解できた。
おかげでバスターミナルまで迷わずに行けるのだが、しかしこの街、本当にどこに行くにも坂がある。
こんな街に住んでいる住民はさぞかし健康なのだろう。
 
住民といえば、サンティアゴにはハバナあたりと比べて肌の黒い人が多い。
前情報としては聞いていたが、西部にあるハバナから東に行くに従って褐色の度合いが濃くなっていくようだ。
たぶん俺の顔も東に行くに従って順調に黒くなっているのだろう。
 
イメージ 6
 
昨日この街ではもうペソクワーノは使わないと誓ったくせに、懲りずに屋台でピザとリフレスコを買う。
今度はできるだけイヤな思いをしないよう、女性がやっている店を選んでみた。
 
あいかわらず動作が遅い。客が複数待っていてもお構いなし。
でもここの人たちに合理性や迅速さ、テキパキとした動きを要求してはいけないのでそれはいい。
6ペソ分の買い物で10ペソ札を出すと、お釣りがないようだ。そうとは言わないけど様子を見ればわかる。
さぁどうするかなーと思いつつ、ピザを食いながらお手並み拝見。
 
俺のあとにも何人か客が来て、すでに4ペソ分ぐらいの小銭がたまっているのは確認済みだ。
だが何も言ってこない。
このままうやむやにして返さないつもりかな?
だが食い終わってリフレスコのコップを返すと、彼女はあいかわらず無表情のまま、
きっちりとお釣りを返してくれたのである。
しかも1ペソ硬貨プラス、幻の3ペソゲバラ札で。
 
ゲバラ札はあれから自然に結構たまってもう何枚もあるんだけどな。
とにかく、何も言わなくてもちゃんとお釣りが返ってきたことが嬉しい。
おかげで少しはサンティアゴに対するイヤな気分が持ち直した。ありがとう。
 
イメージ 7
 
さて本日の目的、バスターミナルに到着だ。
乗るのは明日だが、今日のうちに時間を確認しておこうと思ってね。
可能なら予約もしておきたい。
 
イメージ 8
 
サンティアゴからハバナまでは、料金51CUCで一日3便。
所要時間は最速のエクスプレスというやつで12時間ほどだ。
 
これなら余裕はあるとみて予約までは取らなかったが、明日ちゃんと乗れるといいな。
最重要懸案の車内トイレもちゃんと付いているようでひと安心だ。
 
イメージ 9
 
ここでまたカストロに再会。
これ、バスターミナルのまん前にあるからな。
 
子どもの頃から革命の話を聞かされ、この看板を見続けていると、
抑圧に対して闘って自由を得ようとする勇ましい人間がジャンジャン育成されるのだろうか。
豆腐のような環境で育ってきた日本人の俺には理解しにくい感覚ではある。
 
イメージ 11
 
次はこれ。
あの二人は愉快な漫才コンビに見えるかもしれないがそうではない。
右のおっちゃんはフィデル・カストロの弟、ラウル・カストロだ。
たぶんな。信じていい確率は76%。
 
イメージ 10
 
そして街の入口に立つこれ。
この像は本当にデカいんだ。ちょっとした大仏レベル。
でもそんなことより、乗馬中によそ見してたら落馬するんじゃないかという点が心配でしょうがない。
 
イメージ 12
 
おなじみカラテドージョー。
しかもここではアイキドーもテコンドーも一緒に教えてくれるらしい。
おいおいどんだけオールマイティーな師匠なんだよ。
キューバ人にとってのアジアの格闘技、ひいてはアジア観がこういうところでよくわかる。
 
イメージ 13
 
あとはウロウロ歩いて、ちょっと買い物をしてから帰ってきた。
 
高額50CUC札を崩すべく、あえて8CUCぐらいの高めの買い物をしたのだが、
それでも50CUC札を受け取ってくれず。
それどころか20CUCもダメで、貴重な10CUC札をブン取られた。
これは痛い。そろそろ手持ちの細いのがないんだがなぁ。
なんなんだよ、主要空港で公的機関が払い出した札がなぜ使えないんだ。
アホか!!
 
イメージ 3
 
今日の戦果その1。アイアンビール。
 
かなりなんとも言えないデザインだが、味はただのガラナ飲料だ。
ビールと書いてあるのにアルコールも入っていない。
日本ならジャロに電話されまくりの一品だな。
もう買うまい。
 
イメージ 4
 
戦果その2。前からずっと気になっていたマンゴーペースト。
 
甘すぎて食えないかと思ったら、存外食える。
以前道端で買ったラズベリー羊羹よりかはいくぶんマシなぐらい。
これは晩メシの代わりになりそうだ。
 
イメージ 5
 
ま、そんなもん。
あとはビールでも飲んでダラダラする。
 
結局今日は一回しか外出せずに終わりだ。
あの暑さで3時間以上も外をウロウロするのはもはや危険である。
休養休養。
サンティアゴに興味はないし、明日は移動だし。
体調も整えなくては。といいつつ甘いものばかり食ってるのでそれはそれで気になる。
 
明日はバスが出るのが午後3時か6時。
午前10時にカサを出るとしても結構待ち時間がありそうだ。
その前に無事チケットが取れるかどうかもわからないが、なんとかなるだろう。
とにかくサンティアゴはもういい。早く出たい。
目標もなくなった今、とりあえずハバナに戻っておかないとなんだか落ち着かないのだ。
 
それにしても、バスに乗るに際して最も気になっていた下痢が、
昨日からおさまっている感じなのはありがたいが不思議だ。
一昨日の夜は一般家庭で生水すら飲んだのにな。
キューバの飲食物にようやく身体が順応してくれたのだろうか?
いずれにせよ、このまま調子を保ってくれれば助かる。
明日の長距離バス、そして帰りの飛行機とまだ難関は多い。
今のうちによく寝て心身を休ませておこう。
 
そして夜。
異様な夢を見て目が覚めた。
まだ夜明け前の時間だ。
 
外国にいながらなんて奇妙な夢を。
いや、外国にいるからか。
横恋慕、になるのだろうか。彼女は亡くなっている。
あるわけもない楽しい想い出。そして激しすぎる嫉妬に対する恐怖。
一体何をどうしたらこんな夢を見るのだろう。
クーラーは消して寝たつもりだが、それでも少し身体を冷やしたのかもしれない。
気をつけなければ。