7月9日#2 空港耐久日記

  
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ひたすら 暑いのでちょっと林の中で休んでみる。
歩き出せばもうすぐ空港に着いてしまうし、着いたら着いたできっと退屈だ。
急いでもしょうがないのでここでしばらく昼寝…と思ったら、意外と蚊がいるんだったキューバ。
海外で身の置きどころがないというのはなんとも落ち着かないものだ。
 
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そんなこんなではい、空港に着いてしまった。
ジョージのカサからたった25キロ。予想外の近さだ。
 
空港の前で若い男女一組の警官に呼ばれて何事かと思ったら、単に興味本意だったらしく和やかに会話。
何を話しても素直に驚いてくれる。こんなフレンドリーな警官もいるんだな。
 
ところで彼ら、キューバで聞き取れた限りでは、俺のことを初めてツではなくウステと呼んでくれた気がする。
俺の乏しいスペイン語知識+感覚的な印象だと、
「ツ」は「おまえ」、「ウステ」は「あなた」ぐらいの意味合いだ。
 
なるほど、キューバの警官は観光客に対する教育もバッチリなわけである。
ほんと警官だけはキリキリ仕事してるよなぁこの国。
ちなみに一輪車で二人乗りはできるのかと聞かれたが、できません。
 
日本の婦警さんにも何かしら色気を感じる瞬間はある。
だがこちらのポリスウーマンはさすがにセクシーとしか言いようがない。
そして写真はない。
 
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ここは初日の夜にも俺が立っていた場所なんだろうな。
ほんのりと記憶がある。
ただ不思議なのは、俺が初日とはまったくの逆方向からこの空港に現れたという点だ。
どこかで道を間違えたのだろうか。それにしたってたった25キロだから問題ないけど。
 
そう、こんな短い距離でも初日はタクシーに乗って30CUCもブン取られたわけである。
今にして心底わかる30CUCの価値!
そりゃああの時は女の子2人も一緒でちょっと楽しかったけどなー。
 
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空港を出て、空港に戻る。
海外旅行の基本だ。
今回もとりあえずちゃんと戻ってこられてよかったぜ。
 
壊れた一輪車に付けた距離計は1068キロと表示している。
これまでのユニサイクルツーリングと比べれば短い距離かもしれないが…。
もう充分だ。
 
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何かと目立つマウンテンユニは軽くバラして輪行袋にサッサと撤収。
これでもう帰国までその姿を見ることは無いだろう。
 
今はまだ16時。フライトが翌朝であることを考えれば、怒濤の17時間前行動である。
ちょっとマジメすぎた。
さあどうしよう。
近所にカサでもあれば泊まってもいいレベルだが、こんなトコにはないだろうなあ。
とりあえず一回空港でもウロウロしてみるか。
 
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空港でーす。
来たことなかった2階はさすがに国際空港っぽく、そこそこ広く綺麗で土産物屋も多少はある。
でもトイレは全般的に水が出ない。
 
そんなことよりまだ17時。フライトまで16時間。
もはや買うものもない。
わからないのは出国税というものを支払うタイミングぐらいだがそれもまだまだ先。
とにかく、待ち!!
 
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やっっっと21時。あと12時間。
あまりにもヒマなので、両替を兼ねてキューバ産ラム酒、ハバナクラブの一番安いやつを買ってしまった。
これで1.95CUC。200円ぐらいなんだから安いもんだ。
ただ土産としてたくさん買うには重すぎるし、割れやすすぎるので1本だけ。
 
1.95CUCのモノを買うのに、10CUC札と5センターボ硬貨(0.05CUC)を出す。
おつりはもちろん8.1CUC。
これならめんどくさい5センターボ硬貨も消滅して言うことなし。
 
が。キューバを甘く見てはいけない。
5センターボ硬貨は受け取られずに叩き返され、8CUCと新たに5センターボ硬貨が手渡されるのであった。
おいおい、5センターボを無くすつもりが2枚に増えたよ!!
 
西洋系の店で買い物をするとこういうことがたびたびあって、
そのたびにこいつらアホだなあとか気が利かないなあとか思ってしまう。
それがわかっていたハズなのに思わずクセでやってしまった俺も悪かった。
意味不明なことをするアジア人だとさぞや嫌がられたことであろう。
 
アイスランドの時も常々考えたものだが、要は引き算だよ引き算!
簡単で便利なんだから店の人ぐらいは覚えようぜ!
 
それにしても、この空港の店員たちはとにかく愛想が悪くてモノを買ってもありがとうをまず言わない。
文化の違い、はいそのとおり。
こんな気分の悪いところから早く脱出したい。だが時間はまだまだある。
あまりにもヒマなので少し考えてみたい。

なぜ愛想がなく、ありがとうも言わないのか。
それは商品が売れても売れなくても自分の給料に関係がないから。
よって仕事なんか適当にやってりゃいいと思ってるから。
ついでにこんな客にありがとうなんて言いたくないというプライドもあるのかもしれない。

とりあえず、国の玄関である国際空港だからこそ優秀な店員であらねばならないという規範はなさそうだ。
あの調子では何をやってもクビにはならないのだろう。
そりゃあ儲かるまい。
向上心が芽生えないという点が資本主義との大きな違いなのかもなあやっぱり。
 
これでは、キューバ人というのをすっかり勘違いしてしまうところだよ。
田舎の屋台で散々買い物をしてたくさんの笑顔に出会っていなければ。
 
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ようやく夜になった。
一ヶ月前のこれぐらいの時間に俺はここに来たんだよな。
そう、ほんわりと温かい、こんな空気だった。
 
今だからわかるが、空港の1階にやたらと集まってテレビで野球を観戦している連中は、
実は空港の利用とはなんの関係もないただの一般キューバ人である。
2階へ上がる階段などもテレビを見る連中のベンチと化していて、通りづらいことこの上ない。
あーやれやれ。
 
俺はと言えば、小部屋状になっている喫煙室に喫煙者でもないのに入り浸ってゴロゴロしている。
眠れるものなら今のうちに寝ておきたいが、こんなところではなかなか熟睡とはいかないな。
そのぶん飛行機の中で眠れればいいが。
 
ようし、フライトまであと11時間だ!