高架下男子
うむ。
バイトだ。
今年の冬も前と同じポスティングのバイトをやることになったよ。
北海道での仕事が終わった頃を見計らったようにお誘いの電話がかかってきたのにはビビった。
たぶん見計らったんだろうが、よく俺のことを覚えていたものだ。
ちなみにここは大阪市の住之江区といって、
正月早々から大阪のおじさまたちが夢とロマンを胸に船券を買いに来るので有名なところだ。
今回は神戸市某所に出稼ぎ用の住居も確保。
といってもここ、俺が学生の時に4年間住んでいた部屋である。
年末年始に新聞屋を手伝った報酬として懐かしの部屋を自由に使わせてもらえることになった。
いやぁ腐れ縁というのもなかなか取っておくものだね。
まさしく当時モノの洗濯機などがまだ動きそうな気配を醸し出していて感動。
元新聞屋であるスペースを利用して、バイクの保管・整備もバッチリ。
北海道の家にもない電気付バイク用ガレージ!これは嬉しいところだ。
そういえば初めてカブのエンジンをバラしたのもこの場所であった。
5分に1度は部屋の上を電車が通るという素敵な環境。
学生時代からうるさくないのかとよく聞かれたものだが、この音には意外なほどすぐに慣れる。
半日もいれば騒音を耳が勝手にキャンセルし、そうなると寝るのも余裕だ。
というわけで、しばらくは街の住人である。
たまには都会の雰囲気もいいものだがいつ飽きるかが楽しみだな。