Bセットの味

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本当にひさびさにラーメンを食ってきたよ。
神戸の灘区にある、『竹家ラーメン』という小さな店。
ちょっとした有名店らしいのだがそこはよく知らんので割愛。
 
実はここは学生の頃、ちょくちょく通った店なのだ。
とてつもなくうまいという気もしないのに、ときどき急に思い出しては食いたくなる味。
通ってしまうラーメン屋ってそんなもんじゃないのか。
 
味噌ラーメンと半チャーハンのBセットが850円ってのは当時と変わっていないと思う。
ここのセットは結構量が多くて、学生時代でもこのBセットを頼んで食うたびに、
 
「やっぱ多かった…。」
 
と、後悔するのを楽しみにしていた。
そう、改めて後悔するために、その後悔を更新するために、わざわざ通っていたのだ。
人間には時折こういう理不尽だが味わい深い情熱がわいてくることもあるよな。
 
おかげで俺は、醤油ラーメン+半チャーハンのAセット800円というメニューを、
毎回たまにはこっちを頼んでみようと思いつつもたぶん頼んだことがない。
BセットではなくAセットをオーダーする時は、俺の中で何かが変わる時なのだ。
 
そんなわけで、数年ぶりの竹家ラーメンBセット。
店主は代替わりしたのか昔のオヤジではないように思うが、幸いなことに味は変わっていない。
この味だよなー、うまいのだが絶賛してまわりに吹聴しようとも思わない、この味だ。
 
そして、肝心の量。
とても意外なことに、あっさりと食べ切ってしまった。
普通のセットメニューらしい、ほどよい量だったといってもいい。
これでは拍子抜けもいいところである。
 
学生の頃より今の俺の方が輪をかけて小食なハズなのに、なぜ。
ラーメンかチャーハンの量が減ったのかもしれない…確証はまったくないが。
それとも何か俺サイドの理由だろうか。
よくわからないが、とにかくこの事実には驚き、
そして充分な後悔ができなかったという変な悔いが残ってしまった。
ただ量が多いメニューを食って後悔したいわけじゃない。
竹家ラーメンのBセットでこそ食い過ぎる価値があるというのに!
 
何かが変わってしまったのだろうか。
俺もそろそろ、Aセットを食べる時なのかもしれない。