笑って死ぬために今生きてるにきまってる

甲府の道の駅で寝袋にくるまって寝ていたら、深夜の結構な寒さですぐに目が覚めてしまった。
気温は5度ぐらいなんだろうが、
一輪車日本縦断のとき2枚重ね用に買い足した安物ホームセンター寝袋じゃちょっと荷が重いかね。
仕方ないので3時頃には起き出して出発。
 
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山梨県東部、大月。
山梨から東京多摩地方にかけて、無数のこまかいカーブを繰り返しながら下っていくこの道。
行楽シーズンはクルマが数珠繋ぎになるところだが、さすがにこんな時間だと、怖いぐらいの一人旅になる。
霧雨で濡れた路面に気を配り、ゆっくりと飽きるほど曲がり続けて、下り道はやがて八王子へと至る。
 
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八王子。
着いたはいいがまだ暗い。おまけに雨。そしてとにかく眠い。
この規模の街になるともうその辺で寝転ぶというわけにはいかないのが面倒である。
しばらくさまよったあげくに見つけた橋の下で少し、だが深く眠る。

この八王子では、ツイッターつながりのドリさんと初めて会う。
台湾好きでちょっと珍しいバイクに乗っている年配の男性というイメージだったのだが、
実際には若々しい40代の爽やかオシャレさんで驚いた。
オシャレなのも当然。彼はアパレル業界で活躍する人物だったのだ。
 
一度気に入った服を毎日着ていられたらそれでいい、オシャレとは完全無縁の俺。
だがドリさんが熱く丁寧に語ってくれる、服の世界の話がすんごくおもしろい。
自分の中にまったくない視点で物事をとらえ、突き詰め、そして評価されている人の世界。
進んでゆく人にはやはり興味を惹かれる。
ジャンルの違いは問題ではないのかもしれない。エネルギーを注ぐ対象が違うだけなのだ。
 
人と会い、コーヒーを飲みつつ話をするというだけのこと。
それだけのことが、一人で黙って生活していると自動的に出来上がってしまう枠を、簡単になくしてくれるようだ。
これはいい旅になるかもしれないと、ここに来てようやく思えてきた。
 
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立川。
次の約束が世田谷にあったので八王子から世田谷に向かっていると、
これまたツイッター経由で思わぬ人物から連絡が届いた。
一輪車で主にトライアル系の活動をしているunitryboy氏。
河川敷にあるトライアル練習場にいるので、遊びに来ませんかとのこと。
ふむ、世田谷の約束まではまだ時間があるなってことで、さっそく立川へ。
 
想像よりは広くない私設っぽい自転車トライアル用の練習場。
そこに彼は、一人でポッツーンと座っていた。
うわ、さびしそう。そりゃ誰か呼びたくなるわ。
あまり予備知識もなく初対面のunitryboy氏。
いまどき珍しいと言いたくなるような素朴な笑顔の好青年だなーと思ったらなんと16歳、高校生。
一輪車トライアルの練習場と仲間を求めてわざわざ長野から東京まで来ているらしい。
ほへー、そこまで熱心なのか!
テクもさすがはユニトライアル少年部門日本一、
レベルが高くて素人の俺にはむしろ簡単そうに見えるがまったくマネはできない。
 
そのうちようやく自転車トライアルの練習者もポツポツ来はじめたよってところで、
おもむろに出現したのがあのGo_Go_Wheelsさん。
日本を縦断してた時、36インチの巨大ユニで新宿アルタ前にやってきてド肝を抜いてくれた一輪車仲間だ。
それがおいおい今度は高さ160センチ超の長ーーーい一輪車、通称キリンさんをひっさげて登場かよ!
いやぁ、この人はあいかわらず楽しいことをやってくれる。
 
そこからは、3人それぞれの方向性をもった一輪車乗りの交流でがぜん賑やかに。
自転車トライアルの方々にも気さくに接していただき、立川の河原はうすら寒い気候を無視して熱を帯びた。
時間を忘れて話しこみ…って、ああ、世田谷に行くんだった。
一輪車のおかげで繋がれた2人に別れを告げ、オートバイで渋滞必至の国道へと戻る。
 
この時のたんのしー様子&世界を目指すunitryboy君の超絶テクは、
近々Go_Go_Wheelsさんのブログでクールな動画になって世界に発信されるハズだ!(これを丸投げという)
そして笑顔が素敵なunitryboy君に一輪車では何もアドバイスできることがないので、
学校の教室でトライアルユニを乗り回したらモテる!とか散々ふかしていたが、あれはウソだ!
いやウソではなくて、ただの妄想だ。
自分がモテないのにモテ術を語るような怪しいオトナに騙されてはいけないぞ!
 
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日曜の都心の国道はどうしてこうも進まないのだろう。
東京のドライバーは本当に忍耐強いなと感心する。
で、世田谷区。
彼には今朝、急に連絡してやったのだ。
「いま八王子。時間あったらコーヒーでも飲まん?」と。
 
約10年ぶりの再会である。ほとんど使っていないフェイスブックの数少ない成果だ。
クレモン組長!本当にひさしぶり。
はじめての長旅、バイクで日本一周の時に出会った、俺的最古級のバイク仲間だ。
おたがい生きてまた会うことがあろうとはね。
今では結婚して子どもが2人+さらに増加中。
あのエッジの効いてた顔がどんなことになってるやらと思ったら、やっぱりすっかり丸みを帯びてまぁ。
いやでも、俺はずっとこの人はいいオヤジになると思ってたよ。
 
子ども生活感まるだしのアパートの一室にて、彼お手製のスペアリブをごちそうになり、
テンション高めな子どもたちや奥さんも交えて昔と今の話で笑い合えるひととき。
変わるものと変わらないものが、同時に存在する。
ひたすらそんな気分だ。
 
ほのぼのとしたクレモンハウスを辞し、俺はふたたび都心の国道に戻る。
そして今度は横浜方面へ。
途中でうっかり自動車専用道路(原付おことわり)を走ってしまったような気もするが、知らん。
東京の道はつくづくわかりにくいんだよ!なんて思ってる間に神奈川県。
去年の春イタリア人ヴァレリオの結婚式2次会でも来たような記憶がある藤沢の街で、とにかく寝る。
 
今日は忙しかった。
眠くて仕方ないんだ。