対馬旅 7月3日 その2

 
#寄り道も楽し
 
 
ここまで急いで来たので少しは時間を稼いだかなってところで、ちょっと国道をはずれてみよう。
対馬でぜひとも行ってみたかった寄り道第1弾、それは棹崎公園ってところだ。
ここに何があるかというと、

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これだ。日本最北西端の碑。

これはレアでしょ。『日本最北西端』。そんなのが対馬にあるんだな。
日本の端っこ東西南北を極めた俺としては、北西端というのを見てしまうと来ずにはいられなかったよ。

ここから一旦国道に戻り、しばらく南下して、また海辺に向かって道を外れてみよう。

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女連と書いて、ウナツラ。

小さな漁港だが、ここは『幻の花』とも呼ばれる対馬原産種、オウゴンオニユリが発見された場所だそうだ。
ここに来ればあちこちで咲いていると聞いたのだが…あ、あった。たぶんアレだ。
茶色い斑点のある黄色いユリ。
でも人の家の庭だし、勝手に写真を撮るのはやめておこう。

あんまり時間もなさそうなのでドンドン行くぜ!

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主要道を外れてしまうと道はこんな感じになってしまうが、バイクならなんてことないよな。
むしろ楽しい。ようやく雨も止んでくれて気分はハッピー!
この峠を越えれば、次は青海と書いてオウミと読む集落があるハズだ。

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はい、青海着。

ここはオウゴンオニユリのある女連と並んで、修行さんのお父さんオススメの町なのだ。
この小さな集落の一体何がオススメなのか?
それは、このお墓だ。

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よく見て欲しい。
海のすぐ目の前に墓地がある。

普通、日本で墓地といえば、海沿いの町であっても海を眺められる高台にあったりするよな。
しかしここでは、集落よりも海寄りに墓が並んでいる。
民俗学には詳しくないが、これってかなり珍しい風習なのではなかろうか。
しかもお父さんいわく、
住民が亡くなるとまずはこの海沿いの墓地に葬られ、何年かしたら山の墓地に移されるんだそうな。
なんでそんなことをするのだろう。
理由はわからないが、これは相当に古くからある習慣らしい。
かつては別の集落でも行われていたこの風習も、今ではこの青海だけで受け継がれているそうだ。

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ではお次、海神神社。

対馬から盗まれた仏像といえば観音寺の観世音菩薩坐像ばかりが報道されるが、
実は同時にこの海神神社からも、銅造如来立像が盗まれている。

地域住民の信仰の対象である寺社に侵入して文化財を盗み出し、売りさばく。
そこに住む人、文化、歴史を軽視している人間でなくてはとてもできないことであろう。
ひどい話だとは思うが、しかし人間というのは歴史的にもそういう行動が当たり前にできる生物でもある。
身近な存在ならばともかく、見知らぬ他者に対する敬意というのは、
教わらないと身につかない種類のものなのだなと痛感する。
これは世界中の誰にとっても言えることだろう。

海神神社の境内はかなり広そうで、ゆっくり見ていると日が暮れそうなので次だ次。

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持ってきていたカッパと、さっき鶏知で買った長靴のコラボレーション。
おかげで強い雨でも中まで濡れずにすんだ。もうすっかり上がったけど。
後半は快適なツーリングが楽しめそうだ。

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これは和多都美(わたつみ)神社。
海から連なる鳥居が見事。
 

そして、和多都美神社からほど近い、
烏帽子(えぼし)岳の頂上に至るワインディングをひたすらのぼって行くと…。

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浅茅(あそう)湾の眺めが一望できるのだ。

対馬のリアス式海岸っぷりをひと目で理解できるこの光景。
実は、北海道のライダーハウスで修行さんと出会った時、
たまたま彼が持っていたこれと同じ風景の写真を見せられた。
対馬には、こんな綺麗なところがあるのだと。
俺はその写真を見て一気に対馬に対する興味が芽生え、その場で行くことを決めたのだった。
たった1枚の写真に、時としてそんな力があったりする。