対馬旅 7月4日 島を出る

#よい雨だ。

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対馬に上陸して9日目の朝、ついにこの島を出る時がやってきた。

何から何まで本当にお世話になった修行さんご一家。
この方々と出会うことがなければ、俺の対馬の旅はもっと違ったものになっていただろう。
ありがとうございました!

夫妻に見送られ、雨のなか、さあ出発だ。

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厳原から少し走り、またしても鶏知の買い物エリアに出現。
さほど用はないのにフラッと来てしまうあたり、
どれだけここが気に入っているのかと自分でもちょっと思う。

厳原港から博多港行きのフェリーは、朝便の次は15時25分発なので、まだまだ時間がある。
その間、徒歩旅ではまったくそれどころじゃなかった土産でも買ってブラブラしようという魂胆だ。

考えてみれば、俺の旅の作法ではゆっくり土産を買う時間があるというケースはなかなか珍しい。
時間はあってもザックに土産を入れるスペースがまるでないとか、
そもそも生きて帰るのがせいぜいでそれどころじゃなかったとか、そんなことばかりの半生であった。
その点、今回はバイクだし、積載スペースには余裕がある。
たまにはマトモな土産を買って帰ってみるのもいいだろう。

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厳原の土産物屋でじっくりと土産を調達し、まだ早いけどとりあえずフェリーターミナルに来てみた。
うーむ、ここに来てえらい雨だ。
対馬に上陸した朝のことを思い出すな。
雨のなか降り立って、雨に濡れて去るか。それもまたよし。

しばらくガラガラのターミナル内でベンチに寝転がっていたりしているうちに、雨が少し弱まってきた。
もうこれといって用事はないけど、せっかくだからもう少し対馬を走り回っておこう。

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厳原の町並み。

国道から中に入るとこんな繁華街があったんだな。
宿泊施設や食べ物屋のほか、ナイトスポットもそこそこ充実している模様。
観光客相手なのか、それとも船員や自衛隊員がお得意様なのか。
いずれにせよ、厳原は俺が思っていたよりは開けた町らしい。

このあたりは韓国人観光客がやたらと団体で歩いている。
商店街ではこういった人々からの収入も貴重なのだろう。
そういえば、旅の間に韓国人と話す機会はついに訪れなかったな。
これは少し残念である。
しかしこのあたりにいる団体の観光客と話したいかと言えば、それはちょっと違うんだよな。

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ぬおおおっ!!
対馬にコンビニがある!!

おそらくは対馬で唯一のコンビニであろう。
見つけて嬉しいと思う反面、
どうせならまったく無いほうがスッキリしてていいのにという勝手な考えも浮かんでしまう。
久々のコンビニではあるが、葛藤の末、俺はここには入らないことにする。

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高台から見下ろす厳原の町。

長く旅をしていると時々感じるのが、数日滞在した町に対するほのかな愛着である。
何泊かしてちょっと町の地理を理解したぐらいで、
なぜかそこが住み慣れた町のように感じてしまうという、この浮ついた感覚。
きっと自分が、この町の住人っぽいという想像に酔ってしまうんだな。
でもこれがなかなか気持ちいい。
引っ越した町で新生活が始まる時の昂揚感に少し似ているかもしれない。
ただし、逆に俺はこれからこの島を出るのだけど。

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そろそろ時間だ。
フェリーターミナルに戻って、あとは船に乗るだけ。

この島では、もうやりたいことは全てやり遂げたような気がする。
とても清々しい気分だ。
あとはこの天候のなか、帰りの船が揺れないことを祈るばかりだが…。