対馬旅 エピローグ

#ひとまず帰宅

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広島まで戻って来た。

昨夜は博多からほとんど休まず広島まで走ったので、結構眠い。
往路でも泊まった道の駅で仮眠して多少復活。

今日こそ雨だろうと気合い入れてたのに、やっぱり降る気はないようだ。

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今年買った新しいメットはそこそこお気に入りなのだが、
脱ぐと髪型がベスビオス火山みたいになっているのが多少気になる。
ラスボスの魔王が君臨する邪悪な総本山のようでもある。

この髪型、俺が気になるぐらいだから、
この状態で出会った人はおそらくほとんどがなんともいえない違和感を抱くに違いない。
しかし、この頭に対して面と向かって「あんた変な髪型してるで!」と言い放ってくれたのは、
新聞屋で古い付き合いのあるおばさんただ一人であった。
さすがは関西のマダム、エブリディストレート真っ向勝負である。

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そんなこんなで、神戸の実家に無事帰還。
とても印象深い、予想を飛び越えたエンジン慣らしの旅であった。

それにしても今回の旅、梅雨クライマックス、前線かぶりまくりのシーズン真っ只中であったのに、
驚くほど雨に当たらなかったな。
特に帰り道なんて西日本全域が雨予報、
いつもの旅なら期待に応えてしっかり降られまくってウェットマウス状態で帰還するのが当然なのに。
なんだか、手加減されたような気分だ。
そりゃあバイクは新車だし。一輪車にはサドルがないし。
ビギナーですぅ!ってな雰囲気を醸し出していたのかもな。

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慣らしの旅、約1500キロ。
これでもうエンジン全開にしても大丈夫だぜ!…ってすでに結構全開にしてたけどね。

クロスカブはベースとなったノーマルのカブよりも低回転向きにチューンされてるから、
最高速度がまた遅いんだわ。
こうなると地方の交通の流れに乗るためにはガンガン開けていかざるをえないのだ!
はい、言い訳でございます。

#さらに帰宅

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北海道行きの舞鶴フェリーターミナル。
神戸の実家で数日過ごしたあと、今度は北海道の自分の家に帰るのだ。

今回は対馬を一周して修行邸に戻るとか、終わったら神戸の実家に帰るとか、
さらには北海道に帰還するとか。
とにかく「帰る」とか「戻る」とかが多い。
まあ、安らげる拠点がいくつもあるのはいいことのような気もする。

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1日かけてフェリーに乗り、夜に小樽港に着いたその勢いで一気に帰宅。

ライダー憧れの地、北海道。
今回の慣らしツーリングの中で、自分の家に帰るためのこの行程がもっともツーリングっぽい気分になれた。
7月の北の夜は暑くもなく寒くもなく、ようやく馴染んできた愛車に乗って、どこまででも走って行きたい感じ。
この記憶自体を忘れることがあっても、このとき感じた心地よさを、カラダが忘れることはないだろう。
だからまたそのうちバイクで延々と走ったり、遠くに旅に出たりしてしまう。
良なのか悪なのか、とにかく循環である。

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どんなに適当な状態で家を出ても、帰って来れば毎回ちゃんと現状を維持している不思議な我が家。

だが草だけは刈らなければならない。
この季節、タンポポの種をお隣に飛ばすことだけは断じて避けなければならない、というのが我が家の仁義だ。
実際それが気になって俺の自由な旅のスケジュールを左右してしまうのだから地域社会というのはおそろしい。

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正直、家を出る時はいつも不安になる。
またちゃんと帰ってこられるのか。何かが変わってしまうのではないか。
それが数日の留守でも、数か月の長旅でも。

ただ、今回も無事に帰ってこられた。
同じ場所に立ってはいても、俺の中にはたくさんの経験と記憶が織り込まれている。

旅に出ることを『充電』と表現する人がいるが、俺にとってはそれは少し違う。
減ったものを足すのではなくて、その時に足りないものを新たに補いに行くのだ。

そして、ひとつの旅が終わった時、次は何をするかなんて、いつもまったく思いつかない。


おしまーい。