走るかクロスカブ

 
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噂によるともう10月だ。
ヤバい、秋が終わってしまう前に。
 
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クロスカブを直さないとな!
 
ようやく部品が揃ったっぽい。
当初はピストン交換だけのつもりだったが、
電灯の下でよく見るとシリンダー内面もキズついてるなーということで、思い切ってシリンダーも追加注文。
これで数日遅れ。
 
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さあ組み付けるか。
ピストンにピストンリングを付け、コンロッドに付け、クリップがなかなかハマらず焦り…などなど。
素人ならではのトラブル群を乗り越えつつ、どうにかカタチになってきた。
あとはボルトを締めていくだけだが、ここで登場するのが、このトルクレンチという道具。
 
バイクを構成するボルトにはそれぞれ規定トルクというメーカー指定の締め付け具合の数値があって、
特にエンジンともなるとそれをキチンと守らないとうまく動いてくれないだろうというのは俺でもわかる。
たしかトルクレンチは大昔に買ったのがあるなーと思い、
ブラックボックス(なんでも入れ)から引っ張り出してきたのはいいんだが。
あれ、このトルクレンチ、バイクの整備で使うにはトルク範囲が大きすぎるわ。
昔の俺はなんでこんな役に立たないモノを買ってきたのだろう、とひとしきり悩む。
 
まあどうせ、トルクレンチという道具の存在をどこかで聞きかじり、
これを持ってれば万能!そしてカッコイイ!ぐらいの気分でホームセンターあたりで買ってきたのだろう。
つくづく使えないヤツだ昔の俺…。
かつての自分は今よりもっとアホだったと感じるあたり、少しは成長しているということだろうか。
そして今の自分もひたすら無知無知プリンである。
世の中知らないことばかり。
 
それはともかく、せっかくここまでしてるんだ。
こうなりゃバイク整備に適したトルクレンチを通販で買うしかないな!
ということで、また数日待ち。
 
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はい届きました。
現実では2、3日でもブログ的には3分クッキングのノリだな。
これで作業再開。
 
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いいねートルクレンチ。
やっぱエンジンその他の重要部分ぐらいは適正トルクできっちり締めないとな。
気分もいいし、これは買っといて損はない道具だ。
これでよし、腰上オッケー!
 
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ちなみに俺がなーんにも考えず闇雲にエンジンをバラしているかと言えば、もちろんそんなことはない。
サービスマニュアルというプロ用の整備資料があって、
こいつを見ればバイク全体のバラし方から組み方、規定トルクから必要工具まで細かく書いてあるのだ。
高いけどこいつは必須。高いけど。
 
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あとは、これは別に換えなくてもよかったっぽい新品オイルポンプを取り付けて。
 
クランクケースカバーとマフラーとステップを付けてオイルを入れて…あーめんどくせ、
ついにドキドキのエンジン始動!
 
うわああエンジンはかかるけどなんか凄いガチャガチャ鳴ってるううう!!!
 
う、うむ。やり直しだ。
オイルを抜いてステップとマフラーを外してクランクケースカバーを取り…あーめんどくさ、
しかしここは冷静に。
必ずどこかで何かを間違えているハズなのだ。
 
あ、クラッチリフターの取り付け方がおかしい。これでは中で暴れるわな。
そしてさっきから視界の隅っこで気になってたあの長いボルト、
ひょっとしてシリンダーを固定する大事なヤツでは…。ヤバッ忘れてた、腰上もやり直しだ。
あーあぶねーあぶねー、ゾッとするわ!
 
そして再始動。
あれまだガチャガチャいう!!
なんなの一体、やっぱり素人整備じゃダメなのか!?
 
いや落ち着け、何か別の原因が…あ、カムチェーンを油圧で押さえるシーリングボルトを付けてなかった。
オイルがピュッピュッと漏れてるよ。
そりゃガチャガチャ鳴るわなぁ。
 
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よ、よし。今度こそ。
エンジン始動!
 
…おっ、異音なし!吹かしても順調!ギアもちゃんと切り替わる!
ヒャッホー!!できたー!!
 
この作業中にいきなり思い出したのだが、
昔乗ってたSL230というバイクのエンジンが壊れて、クランクケースまで完全にバラしたことがあったのだ。
その時もサービスマニュアルに沿って慎重に組み付けたつもりが、
直ったと思って走り出して100メートルでガキャッ!!と何かが壊れてそのまま終了。
その後SL230は不動車として売られていったのだった…。
 
そうだ、俺はそんな経験があるからもうエンジンはバラすまいと固く誓ったのだった。
なぜだかそんな10年程度前のことをすっかり忘れていたよ。
軽くトラウマになってて意識の隅に追いやられていたのかもしれない。
そいつを思い出したってことは、克服したってことだな。
なに落ち着いてやれば楽勝楽勝。
腰上をバラして組み直すだけなんて、慣れた人なら1時間もかからないんだろうけど。
 
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何はともあれ、試走だ。
 
よっしゃ、ちゃんと走る。100メートルでバキャッと終了しない。
以前のようなカラカラ異音もなく、静かでいい音。
復活だ。
やはりあの症状は、油膜切れでピストンとシリンダーにキズが入ったのが原因だったのだろう。
 
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オイル入れ忘れという痛恨のミスにより3000キロのエンジンを開けるハメになってしまったが、
直った今となっては実にいい経験となった。
新車時のよそよそしさもすっかり消えて、クロスカブがグッと身近になったよ。
バイク屋に修理を丸投げしていたらこうはいかない。
…無事に直ったから言えることだが。
 
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完全復活したクロスカブ。
 
今後ともよろしく頼むよ!