5月11日#2 This is freedom right here

 
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さまざまな謎の物体が放置されているミュージックハウス。
とりあえず誰もいないので、このスキにビールでも買ってくるか。
俺は特に酒はいらないのだが、連中がガボガボ飲んでるからな。
まあ宿代がわりってことだ。
 
今度の買い物は一輪車で行くとしよう。
オクラホマシティの街中を、超久々の空荷でユニサイクリングだ。
近所の酒屋が閉まっていると思ったら今日は日曜なんだな。
しょうがない、もうちょっと遠くまで行こう。
 
しかしまあ、空荷で乗る一輪車は異様に軽い。フラフラして怖いぐらい。
重いザックが無いから飛び乗るのにバケツなんか必要ないし、もう別次元の乗り心地だな。
そして、ただ普通に36インチユニに乗っているだけなのに、すれ違う人々の反応がすごい。
今日は日曜なので庭で集まってくつろいでいる人などが多く、そんな連中がみな喝采を浴びせてくれる。
うーん、ただ乗るだけで喜ばれるとはなぁ。
さらに実はこれでアメリカ横断中なんですって言ったらどうなるのかね。言わないけど。
 
ちょっと離れたスーパーで無事にビールは買えた。
州によっては休日に酒類を買えないところもあったと思うが、オクラホマはそうでもないんだな。
ライトビールだからOKとかそういうことなのかもしれないが。
日ごろは興味がないのでよくわからん。
 
さて、問題は帰りだ。
重いビール6本入りケースを抱えて、いやブラ下げて、なんとか乗って走る。
慣れればどうにかなったが、それにしてもビールをずいぶんと振ってしまった。
しばらく飲まないほうがいいぞこれ。
 
帰宅するとほどなくしてパーカーも帰ってきた。
何か食材が入った紙袋を抱えている。
そういえば彼は昨日から俺に、誕生日だから何かご馳走したいんだけど何がいい?て聞いてきてたんだった。
アメリカでこれと言って食べたいモノもない俺は、肉と野菜が入ったヘルシーなモノがいい、とか答えたはず。
何を作ってくれるんだろうな。
 
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さっそく調理風景。
実は材料を見て一発でわかってしまったが、これはハンバーガーだろう。
自家製リアル・アメリカン・ハンバーガー。
ビールを飲みながらダイナミックにミンチをこね、ベーコンを焼き、チーズを乗せ、バンズにガッスリと挟む。
 
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はいできた。
えらいテキト…いや簡単だな!
 
でもせっかくだから作り方を動画で撮っておいたよ。
 
 
 
そういえば人が料理しているところを動画で撮るのは、
アイスランドでイタリア人によるパスタ作りを克明に記録して以来である。
 
ところで、動画の最初のほうで Food government(フード・ガバメント)という言葉が出てくる。
これはパーカーによると、貧乏人のための食料供給組織であるらしい。
月々いくらか払っておけば、いつでも一定の食料をくれるんだって。
今回のハンバーガーの材料もそのフードガバメントでもらってきたんだそうな。
ふーん、よくわからないが、オクラホマにはいい感じの組織があるんだな。
 
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リアル・アメリカン・ハンバーガー!
 
妙に背が高くて食いづらいけど、うまい。
パティが生焼け気味で中が赤くて大丈夫なのかと思わんでもないが、うまい。
マクドナルドなんて比較にならんな。
ありがとうパーカー、素敵なバースディプレゼントだよ。
 
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お返しというわけでもないが、昼間ウォルマートで買ってきたマルチャンヌードルをご馳走してみる。
 
いやーマルチャン、アメリカでもガンバッてるんだな。
味はなんかこう、ちょっと薄味でこっちの人の好みを反映しているようだが、
それでも久々の日本のインスタントヌードルの味だ。
ダシというかエキスというか、とにかくこんな味わいを長らく求めていたんだよ。
 
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今日も夜風が涼しい。
バルコニーでギターが鳴くぜー!って、
スマホで日本の知っている曲のコードを検索しながら適当に弾いているだけだ。
しかし、連中はわかっているのかいないのか、
俺がボソボソと歌う中島みゆきとかさだまさしとかアニソンとかの暗ーい曲の数々に対して、
「クール!」
とか
「ロックンロール!」
とか、不可解な賛辞を送ってくれるのである。
昭和のフォークソングがロックンロール…。
おまえらハッキリ言って適当に褒めてるだけだろ。
 
ふっ。
なんというかまぁ、今日は楽しい誕生日だったよ。
パーカー、ネイ、サンキューな。