5月11日#1 ヒッピーバースディ

 
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昨日は何時ぐらいまで遊んでいたのやら。
リビングのソファで寝て、起き出したらもう昼だ。
起きてすぐにやることもないので、なんとなくそう広くもないミュージックハウス内を探検。
おお、雑多な楽器に混じってさりげなく骨董的価値のありそうなオルガンもあるな。
 
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裏口に回ると、あっ、これは!
ヤマハのSRですねー。相当古い型だが400か500ccかな。
 
パーカーはいつかこいつを直して乗りたいそうだ。
ちょっとチェックしたところ、見た目のボロさに反してわりとなんとかなりそうな気配。
工具と時間があれば俺が復活までこぎつけてやりたいところだがなー。
さすがにそこまでのヒマはないだろう。
 
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『ヒッピーは例外なく裏口から入ること』
 
こんな看板どこからみつけて来たんだ。
連中も俺ももちろん正面から堂々と出入りしているのだが。
 
この家にはこんな珍妙な看板が部屋の中にも至るところにある。
変な家。そして変な住人のセンス。
しかし、このミュージックハウスは不思議に居心地が良い。
レトロなレコードや器材がたくさんある一方で、WIFIも使えてスマホで快適にネットができる。
これぞ現代のヒッピーライフだな。
  
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バルコニーでくつろぐパーカー&ネイ。
こいつら仕事何してるんだろう。
ところでこのオクラホマの本は教科書か何かだろうか?2ページぐらい読んでみてパスする。
 
そういえば昨夜、パーカーは俺をリビングのソファで寝かせて自分はこのバルコニーで寝た。
俺はテントも寝袋もあるから俺が外で寝ると言ったのに、頑として聞き入れなかった。
妙なところで律儀というかマジメというか。きっとこいつはそういうヤツなのだろう。
 
この家には個室が2つあって、1つはネイ、もう1つは3人目の同居人が住んでいるようだ。
だとしたらパーカーは普段はリビングで寝起きしているのだと思う。
天気予報があと2、3日間も連続で雨だとわかった時、
 
「それじゃあ何日でもここにいればいいじゃないか!」
 
そう軽ーく言ってくれたパーカーではあるが、その間ずっと外で寝るつもりか?
アーバン野宿マスターとしては自分の寝床ぐらいは他人に迷惑をかけずに運用したいものだ。
 
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昨日に引き続き、彼の歌を動画で撮る。
 
昨日歌ってくれたのはアメリカのバンドの曲だったのだが、
よくよく話をしてみると、彼はなんと自作の曲を2曲持っていることが判明。
そりゃ人の歌より自作のほうがいいよ!ってことで、今はパーカーの自作曲を披露してもらっているのだ。
 
最初の曲は、失恋して夜のハイウェイを走るぜぇー、みたいな曲で一輪車旅のBGMとしてはイマイチだったが、
2つ目の曲。これを俺は大変気に入ってしまった。
聞けば先日のカリフォルニア州デスバレーでの滞在中にできた曲で、まだタイトルもつけてないんだという。
何かいいタイトルがあればつけてくれないか?と言うので、
 
「デスバレーで作ったんだろ?じゃあ『デスバレー』でいいんじゃないか。」
 
はい、デスバレーに決定。
この曲はぜひともBGMに使いたいのだが、残念なことに1番しかなくて尺が短すぎるのが難点だ。
この問題をどうにかクリアしたい。もう少しアイデアを練ろう。
  
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このまま連中とだらだらヒッピーライフを過ごしていたら溶けてしまう。
自分用の食料なども確保したかったので、一人で近くのウォルマートまで歩いて行くことにする。
 
近くと言っても往復で5マイル(8キロ)はある。
街中で8キロ歩くというと、これが結構しんどいのだ。
 
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ふー、やっと見えてきたぜ。
ウォルマート以外にも各種専門店がそろっている。いわゆるショッピングモールだな。
 
それはいいんだが、街中なのに、ここまで歩いてくるのに途中で歩道がなくなったりして面倒な目に遭った。
ほんとアメリカってのは歩行者のことを深く考えてないよなぁ。
ほとんど誰も歩いてないんだから当然なのかもしれないが。
 
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いろんな店があるな。ウォルマートの下にはベビーザラス。
 
トイザラスとかベビーザラスって日本ではラの部分だけ平仮名の『ら』になっているが、
これは本家アメリカだとRが反対になっているのを日本語でなんとか表現しようとした結果なんだな。
世間では常識なのかもしれないけど俺はここで見て初めて気がついたよ。
 
ちなみにRが反対になっているのは俺の想像ではたぶん、
アルファベットを学習中の子どもが間違えて左右逆に書いてしまうことを可愛らしく表現しているのだと思う。
しかしサハリンに行ったことのある俺としては、
Rが反対になっているとどうしてもロシア語を思い出してしまう。
いかん、全然可愛くない。
 
さて、暑いなか、重い水などの荷物をブラ下げてようやくミュージックハウスに帰ってくると。
 
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玄関にこんな書き置きが置いてあった。
ハッピーバースディ、3時半までには帰ってくる。パーカー。
 
ヤツは昨日から俺にハッピーバースディと最低でも10回は言っている。
そのうえ紙にまで書くとはどうかしている。
俺の半生において、ここまで何度も執拗にハッピーバースディを連呼されたことはないような気がする。
 
そういえば、確か彼も何かの用事と買い物に行くとか言っていたな。
まあ、優雅に待とうか。