マイアミへゆく 前編


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ナチュラルボーン出不精な俺だが、たまには遠出でもしようということで。

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マイアミに向かっているところだ。
珍しくメットを被っている黒づくめのライダー軍団とは何の関係もありません。
背中のPって何。

延々走って夕方頃にはマイアミに着き、最初に目指すのはここ。

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テニスのマイアミオープン。
たまたま調べたらチケットが案外安かったので、いい機会だし見てみようと。

マイアミオープンはマスターズというグレードの大会で、これは最高峰のグランドスラムに次ぐ重要な試合。
つまりこの大会には強い選手が勢ぞろいするのだ。
それだけでもワクワクするのに、数日前から日程に合わせて押さえておいた準決勝のチケットが、なんと錦織圭の試合になった!
これはラッキー。そしてもの凄く楽しみだ。

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左の赤いのが錦織選手。

一番安いチケットはコートから遠いのでプレイヤーなんざゴマメみたいにちっさくしか見えないのかと思っていたが、これが意外と見える。
俺の視力じゃ顔まではどうせ判別できないし、選手とボールの動きが全体的に把握できるこの位置でも充分だ。

さあ、始まるぞー。

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準決勝の相手は、20歳のニック・キリオス。

オーストラリアの期待の星、恵まれた長身かつ才能あふれる若手有力株、なのはいいんだが。
このキリオス、とにかく素行が悪いことで有名。
相手や審判、ついでに客にまで暴言を吐き、さらに私生活でも問題行動が多い。
個人的には正直言って応援したくない選手だ。
よって、こいつに錦織が負けるところだけは見たくない。
頼む、他はともかくキリオスにだけは勝ってくれ!

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そして錦織。さすがにプロのサーブは違う!
と言いたいところなのに、彼のサーブはショボい。残念ながらショボい。
キリオスの200キロを軽く超えるサーブが凄いだけに、こっちの迫力の無さが気になって仕方がない。

しかも、ファーストサーブがなかなか入らない。
全力で打ってはロクに入らないファーストサーブに比べて、命中率重視でスピンをかけて緩やかに打つセカンドサーブはわりと入る。
それなら初めからセカンドサーブを色んなスピンで打てばいいんじゃ…と素人的には思ってしまうがきっとそんなことはないのだろう。
とにかく、錦織はサーブが課題だとよく言われることは知っていたが、生で見るとここまでわかりやすいとは思わなかった。

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しかし!
これまた評判どおり、錦織のリターン(打ち返し)とラリーでのテクニックは、もう見事という他ない。
キリオスの持ち味である強烈なサーブをあっさりと返し、さらにラリーでトドメを刺す。
一旦ラリーが始まれば、錦織のほうがはるかに上手であることが素人目にもハッキリとわかる。
エアケイからドロップショット、技アリのロブに至るまで、そのパワフルかつ鮮やかな動きで客席全体が魅了されてしまう。
そりゃファンも増えるわ。

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そして、6-3、7-5のストレートで勝利!
第2セットはちょっともつれてドキドキしたけど、最後はシビれるウィナーで美しく決めてくれたぜ。
さすが錦織圭!

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最初は接戦かなーと思って観ていたが、終わってみれば圧勝という感じ。
いやーカッコよかったよ錦織選手。強かった。
ほんと、トッププロのテニスってのは凄いものだ。サーブは以下略。

まぁとにかく、スカッとした。観に来てよかった。
ありがとう、本当によくやってくれた!

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ところで…。
同じチケットで観られる試合が、実はもう1つあってね。
それは女子ダブルスの準決勝。

なのに、男子シングルスの試合が終わった途端、一斉に帰りはじめる客!
大入りだった客席が、女子ダブルスが始まる頃には見てのとおりのガラガラ。
ひどい話だなー。女子ダブルスってそんなに面白くないのか?
どうせ今帰っても大混雑だろうし、せっかくだから観ていくか。女子ダブルス。

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こちらは黄色いお揃いスカートの中国チーム。
2人とも小柄なのにマスターズの準決勝まで上がって来るんだから実力者なんだろう。
なぜか2人とも水中メガネみたいなのを付けているが、何かの対策なんだろうか。
とりあえず名前と見分け方がよくわからないので、臨時で勝手にザ・ピーナッツと命名。

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こちらは対戦相手の一人、チェコのサファロバさん。
長身から繰り出す左利きサーブが結構強力。電光掲示板によると170キロぐらいは余裕で出ていた。
こわっ。そんな速いの取れなーい。
覚えにくいので勝手にロバさんと命名。

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そしてこのハデなピンクのスカートでしゃがんでいる人は、地元アメリカのベサニー・マテック=サンズ女史。
これまた凄いコスチュームで出てくるなーと思っていたが、
実はこの人、テニス界のレディー・ガガとも呼ばれるコスプレテニス選手であるらしい。


そしてこのマテック女史、やたら強い。
練習の時からボレーが非常に上手いと思って観ていたが、いざ試合となると、華麗なボレーのみならず戦慄のストロークでピーナッツを粉砕しまくり。
身長は168センチで高くもないのに妙にパワフルなサーブでもピーナッツを恫喝しまくり。
ひょっとして錦織よりいいサーブを持っているんじゃなかろうか。
もうマテック姐さんと呼ばせてください。

で、試合はそのマテック姐さんとロバさん組がピーナッツを圧倒してストレート勝ち。
特に期待もせず女子ダブルスを観てみたが、これも面白かった。
せっかくチケットを買ってあの姐さんの渾身ハエ叩きスマッシュを鑑賞しないなんて勿体ないだろ。

この日は結局、この2試合を観戦しただけで満足してしまった。
せっかくマイアミにいるのに他に何かしようという気もおきない。
テニスの試合を生で観戦したのは初めてだったが、これが実に楽しかった。
素人目にもレベルの高さを感じたし、逆にトッププロにも人間らしいミスがあることもわかった。
本物を見るってのはいいもんだな。

と、出不精の俺は語るのであった。

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なんだかよくわからないのだが、ダブルスってしょっちゅう、ほとんど一球ごとに作戦会議するんだよな。
そんなに毎回毎回何を話してるんだろうか…と、ちょっとだけ思った。
さらばだピーナッツ。
ナイスファイトであった。