7月1日#2 サンティアゴ・デ・クーバ

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せっかくの長い下りなのだが。
歩くしかない今となっては、この道のりが本当に長く見える。
もう今日中にたどり着けそうだからいいようなものの、
もしキューバの真ん中あたりでフレームが折れてたらさぞかし悲惨だったことだろう。
 
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よっしゃ、あと10キロだ。
2、3時間で着くかな。
とりあえず水が足りない。早く何か飲みたい。
 
移動中って、水が足りなくて焦ってるか水が重くて苦しんでるかの大体どちらかなんだよな。
ほんと何やってんだろうと思うひととき。
 
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さらに進んで、サンティアゴ・デ・クーバ!って書いてるけど、きっとまだ早い。
街まではこの手の標識があってからが長いんだ。
こいつでこれまで何度ヌカ喜びをさせられてきたことか。
もう騙されんぞ!
 
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ノドが乾いてたまらなかったところで、よし、少々おハイソ風味なレストラン&バーを発見した。
こんな高級そうなところでメシも食わず酒も飲まず、
カウンターでバーテンダーからコーラだけを買って悠然と立ち去る俺。
心より不思議そうな顔をしている大勢の客たちと目を合わせてはいけない。
 
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あ、海が見えた。
そして海に面した大きな街も確認できる。
もうすぐだな。
あとはこの高台を下りるだけだ。
 
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うひゃー、あとわずか!
凄い、パッと見ただけでもかなり大きな街だ。
高いビルも当たり前のように建っているし、さすがはキューバ第二の都市。
そしてかつての首都だっただけのことはある。
ハバナが東京ならサンティアゴは大阪みたいなもんだな。東西が逆なんだけど。
 
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眼前の発展した街並みをよそにチラッと横を見ると、
そこには普通の家に混じってバラック小屋のようなものもチラホラあるのがわかる。
 
この街に限らず、キューバの大きな街では必ずと言っていいほど、
キレイな街並みのところとスラム寸前みたいなエリアとが隣同士で存在している。
建前上の平等を現実のものとする気はあまり無いのだろう。
そしてそんなものが実現された社会は、俺はいまだかつて見たことがない。
いずれにせよ、餓死するような人が出ないのであれば、それはまだしもマトモな社会だ。
 
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で、市街地に入ると迎えてくれるのがこれ。
カストロさんこんにちは。
のこのこサンティアゴまでやって来たよ。
 
さて、当面追い続けたゴールにやっと着いたのはいいが、さすがにこの街は広大で道がわかりづらい。
まずは海に出たいところなのに、どの方向が海岸かすらよくわからない。
まーなんとかなるでしょ。
 
とりあえず疲れたので広場で一休みしながら昨日買った板チョコを食おうと思ったら、
チョコだったハズの物体はブヨブヨしていて銀紙の中で液体になっている模様だ。
あちゃー。
灼熱のキューバであまり板チョコを見かけない理由が今わかった気がする。
宿についたら冷蔵庫にでも入れてみよう。
 
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それから知らない街を延々と歩き。
レスラーなみにゴツいが実は親切だった兄ちゃんに教わって、ようやく海に出ることができた。
 
これで、長い旅は一応の決着を迎えたようだな。
少しはしみじみと物思いにふけりたいところだが、
すぐ後ろはなにやらちょっとしたフェスティバルのようなイベントで賑わっていて、それどころではない。
せめて写真を撮ろうにも次々と人が来てもう落ち着かないったら。
あげくに犬連れの兄ちゃんが現れて、何をするかと思えばおもむろに犬を海に投げ捨てるので焦る。
そんな犬は犬で犬かきをしながら海上を漂うのだった。
洗濯なのか…?
 
まぁ、ともかく。
俺は着いたんだな。サンティアゴ・デ・クーバに。
大規模な港があるせいか海の色は期待していたようなカリビアンブルーではなかったが、
ここは犬も泳ぐ、たしかにカリブ海ではある。
 
うーん、これといってこみ上げるものもないなぁ。
ほんじゃまぁ、宿でも探そうかね。