奇跡の…!

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おいおい、やったよ!
売れた!
俺のTシャツが、初めて売れた!

1枚だけ、計500円やけどな…。

爺さん(82)からやっと解放されて、
午前11時頃から八戸市街でもっとも、
というかここぐらいしか人が集まってないようなメインストリートで店を広げたのさ。
つい最近廃業したらしいデパートの前。

人通りはそこそこといったところで、
平日の昼間なので主婦がほとんど。
初めてのお客様も、やはりおばさんだった。
たちどまってヤケに熱心にTシャツ見てるなーと思ったら、

「ほかにはないの?」

ときたもんだ。
ここで俺は思わず口走る。

「あーすいません、他はもう売れちゃって…。」

…小せえ!俺は人間が小せえ!

売れちゃってもなにも、初めてのお客様だろうが。
まったく条件反射的にさもしい見栄を張ってしまった。
悲しい人間のサガだぜ。

さてそのおばさま、どうやら大工をやってる息子さんへのプレゼントにしたい模様。
プレゼントがこんなんで本当にいいんですか…?
とノドまで出かかった声を飲みこんで、
それならコレがいいんじゃないですか?と、あの、
「迷いなし」
をほとんど押し売り。
予約してくれてた神戸のマサやんには申し訳ないが、
俺は目前の奇跡を前に抗う術をまったく持たなかった。

代金として、500円。
ほんとは利益を計算すると1000円ぐらい欲しいところだが、
今のレベルではこれぐらいが限度かな。
キャンペーン期間中ってやつだ。
とにかく、自分で作ったものを、
初めて見知らぬ他人が、お金を出して買ってくれた。
その喜びと感慨で、
おばさんが去った後も、しばらく笑いがこみあげてきてしょうがなかったぜ。

結果的には、それが本日唯一のお客様となった。
11時から5時過ぎまで6時間あまり、
Tシャツ描いたり適当にギター弾いたり
商品そのまんまで散歩行ったりして過ごしたが、
いやぁもう待ってる時間の長いこと。

でも、あのおばさん以外にも何人かの八戸市民と色々会話できたし、
そういやあ女子高生2人組も延々と長話に付きあってくれたな。
神戸の場所もよくわからない彼女らは、
生まれて初めて会話する生関西人の関西弁に興味シンシンなようだった。
こっちも八戸の女子高生の、意外と質素で慎ましい生活ぶりを聞けて楽しめたぜ。
まさか放課後に街まで来て遊ぶ内容が卓球とは…。

あー、とにかく、今日は1枚売れてよかった。

でもあの自作Tシャツが売れてしまうという奇跡の瞬間をついに経験してしまうと、
おのずから現実を目の当たりにしてしまったりするわけで。

6時間座り続けて、収入500円。

道のりは、遠く、険しい。

ちなみに今日は三戸の道の駅で野宿中だが、
ここで野宿するのももう4、5回目な気がするな。
ほとんど定宿状態。

明日は盛岡やなぁ。

ほなまたー。