春山登山2291

イメージ 22

ご覧。遠くに見えるあの山が、
北海道で一番高い、旭岳なのですよ。

イメージ 1

てなわけでぇー。

狙いに狙いまくった、この日、4月29日。
どうだ、この快晴。
その前の日も来たけどガスっててなんにも見えんかった。
そしてようやく、ドンピシャの晴れ。
旭岳に登るのに、これ以上の日はないッ!

イメージ 21

相方はもちろん、3月に挑んだ時と同じ、ライス仲間の長瀬氏。

思い起こせば前回の3月4日はホワイトアウトで撤退を余儀なくされ、
自分たちがどこにいるのかサッパリわからんという大変な目に遭ったのだった。

あれ以来、俺たちはとにかく天候にだけはこだわって待ち続けてきた。
今日のこの天気、吹雪けるもんなら吹雪いてみろって感じだぜ。

イメージ 2

そんなこんなで色々あって、前回から約2ヶ月。

するとどうだろう。
カンジキをズボッ、ズボッと埋め込みながら苦労して歩いたあの場所が、
ブーツのままフツーに歩けてしまう。
何やら妙に雪面が硬くてシッカリしているぞ。

おおっ、イケる!これならイケる!!

イメージ 3

しかし天気がいいのはいいんだが、この照り返しはなんだ!顔がギラギラと熱い!
お肌のUV対策は欠かせなくってよ!

イメージ 4

さぁ、だんだん斜度が出てまいりました。
雪面は硬くしまって実に歩きやすいが、これが坂になると滑ってくる。

先行する達者な人々を遥かに眺めつつ、我々はちょっと戦略的休憩だ。

ちなみにうっすら見える噴煙は抜群に硫黄くさい。

イメージ 5

今回初登場の新兵器、定額給付金で買った中古のアイゼン。
おおー、なんて凶悪そうな!
コイツで雪面をザックンザックン突き刺しまくって歩けばもう楽勝でしょう!

というわけで、前回あれほどお世話になったカンジキはまったく出番がなかった。

イメージ 23

あれから…1時間以上は登ってきた。

うー…ーん。
疲れてきた…。

アイゼン、確かにイイ。
ガシガシ刺してサクサク登れる。

しかしまぁ、体力がね…、やばい、カラダなまってるわ。
なまくら具合がもうピッチピチだわ。
ちょっと登ってはゼェハァゼェハァいって休憩。ううっ、酸素がー。

あ、これが噂に聞く高山病!?

なんて一瞬思ったが、旭岳は頂上でも2291m。
しかもロープウェーで1600m地点まで上がってこれるなんてとってもオシャレですね。

イメージ 7

主な話題。

「ひきこもりはやっぱり家から出ないほうがよかったね。」

「早く部屋にこもってファンタジーの世界に帰りたいね。」

イメージ 6

途中から吹きはじめた強い横風にフラフラ流されつつ2時間ぐらい登ったところで、
ようやく8合目に到達。

ここから先は急に岩壁が険しくなり、道も細くなっているようだ。
ついでに風が強いので、背負ったボードがイイ感じに帆船状態になってデンジャラスである。

よって、9合目のちょっと前あたりにて、ボードを置いていくことにする。

イメージ 8

そんな9合目ぐらいからはこんな感じ。
とてもボードで滑って降りて来られる気がせんわ!

イメージ 9

ボードと一緒に荷物までも置いてきた長瀬氏。やたら軽快そうである。
登るの早ッ!!

で。
ロープウェーを降りてから、約3時間。

ひたすら登りまくって、

ついに頂上を、制…

イメージ 10

…覇……

イメージ 11

あー、もうダメっぽい。

2人してしばらく動かなかったよね。

ひきこもりがムリをするとこうなります。

イメージ 12

とにかく、来たよ。

イメージ 25

北海道のいちばんてっぺんー。

イメージ 13

うえー、最高ー。

イメージ 14

山頂に来るとなぜか叫びたくなるものだ。

「ライスセンター万歳ー!!」

イメージ 24

しかしこの山頂、風がものすごく強い。

携帯で写真を撮るべく素手を出してると、あっという間に冷え切って感覚消失。

『こんなトコで凍傷なんかイヤぁ!!』

と思いつつ、手を服の中に入れて必死にあっためたりした。
おちおち写真も撮ってられん。春山おそるべし。

イメージ 15

えー、さて。
山頂から一気に9合目まで下りてきましたよ。下りるの早ッ!!

そしてそこには、我らのボードが!

そう、俺たちにとって、山頂制覇はプロローグに過ぎなかった!

イメージ 16

この背負うとクソ重い板風情めが!ついにキサマの出番が来たぞ!

さっきまでの登頂でやたら疲労困憊だったハズなのに、ボード履いたらあっさり回復。
というより、テンション上昇のため肉体の疲労を忘れている模様。

そうだ、このために来たんだった、こんなとこまで。

イメージ 18

今さら書くのもなんだが、
雪不足に悩まされた去年に比べれば、よっぽど雪がある旭岳。

滑るルートをあれこれ考えつつ、
去年みたいにボードを岩にガリッとコスることもなく、爽やかーーーに滑降。

最高!

イメージ 19

上のほうから、ずーっと続いてる俺のシュプール。
こんな感覚、ゲレンデじゃ味わえない。

写真じゃよく見えんけど。

イメージ 20

俺にとっちゃ、今シーズン最後を飾る滑り。

とっても、堪能した。



地味で庶民的な動画ならあるよ。

イメージ 17

シメは、旭岳温泉で一番安いと思われる立ち寄り湯で疲労回復!

ちなみにその温泉宿は『ロッジ・ヌタプカウシペ』と言うんだが…、
どうせ誰も覚えられないので書くだけムダだったような気がせんでもない。
少なくとも俺にとっては、何度覚えてもすぐ忘れてしまう魔法の呪文である。


うん。この冬はよく滑った。
今シーズン悔いなし、と。

これでようやく、俺も春になれる。