緩めるか

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三戸まで30キロというのは、一輪車にとっては近い距離ではない。
しかも、もうじき暗くなる。

五戸町を抜ける峠の手前でもう一度地図を確認し、越えられる距離かどうかを慎重に判断する。
よし、行ける。
こういう時、やはりスマートフォンは便利である。携帯でも見られるけど。
思えば10年ちょっと前、バイクで初めて日本一周した時は、
『日本全図』というブ厚くてわかりづらい地図帳を積んで走ったものだった。
10年ひと昔とはまさにこのことだな。

峠を登り終えると、そこは南部町との境界になっている。
地図で見たとおり、峠道は大した長さではなかった。
ただ、ここで…雨が…。

あれ、今日って降るんだっけ?
昨日見た予報では、このあたりは数日間雨はないハズだったが。
でもそう言やぁ今日はチェックしてなかったなぁ。
せっかくのインターネットも、使いこなしてなければ意味がない。

ポツポツ雨の中、峠を下る。どうも雨は止む気はないらしい。
三戸まであと10キロという標識をくぐる。
行けない距離ではないが、雨となれば、あっさり計画変更だ。
どこかいいポイントを見つけ次第、そこで寝るとしよう。

が。

そこから走りまくって、19時半には三戸の道の駅に着いてしまった。
一輪車の10キロってのは、結構長いんだがな。
いや実際に長かったが、あまり苦には感じなかった。
前後ライトをチカチカさせながら、暮れゆく町並みを疾走してしまったぜ。
人間やはり、目標があると集中力が違う。
そして明日はダレダレール星人と化しているであろう。
テンションの高低は大体日替わりなので、それはかまわないんだが。

どうにか少し濡れたぐらいで済んだ。
この道の駅はすぐ隣がコンビニなのがお気に入りで、温かいものも食べられて余裕の復活である。

今日は、十和田以降にも何度か声をかけられた。
本当によく話しかけられる日だ。間違いなく10人以上とは喋った。
俺などはわりと無愛想で話しかけにくいだろうと思うのに、
やはりそれ以上に全体的に異様で目立つんだろうか。
あ、日本縦断の看板のせいもあるんだな。なるほど。

とにかく、俺がこれほど道行く人の目をひく機会も今後そうあるまい。
どうせなら、もっとニコヤカに接したほうが、お互いにいい想い出になるのではなかろうか。
表情筋を吊り上げてまで笑顔を作る必要もないが、
明日からはもう少し、柔和な感じを演出してみるかな。

今日の走行は78キロ。
岩手との県境は、もうすぐそこだ。