マグラブレーキの謎を解かざるをえなかったのだ
今日はちょっと専門的?な話なので読まないほうがいいよ。良い子は退屈して眠くなるぞ。
実は俺のマウンテンユニ、ちょっと前から油圧ブレーキのホースがブチ切れててね。
オイルはダダ漏れになるし、ブレーキはもちろん効かないし。
もぅ、やっとフレームが直って色も塗ったと思ったら何なの?何なのよ!!
大体このマグラというジャーマニーなブランドのブレーキ、一部では有名らしいが、なぜかよく壊れる。
アイスランドでもオイルが漏れたし、日本縦断中もよく効かなくなった。
おまえの管理がなってないんだと言われればまったくその通りなのだが、とにかくあまりいい印象がない。
バイクのブレーキなんて今まで何年も乗ってきてオイルが漏れたりホースが切れたりしたことなどない。
ホースの太さや全体の大きさが違うバイクのブレーキと比較するのはフェアではないのかもしれないが、
とにかく俺は性能は良くても壊れやすく手のかかる繊細な道具というのが苦手なので、
結局マグラブレーキは俺にはもったいないパーツだったのかもしれない。
そうはいっても、このままだと走り出せないぜ。
とりあえずは直さないとな。
えーさて。
このパーツにホースをネジこめばそれで良さそうなもんだが、
ホースの中身が金属なのか、硬くてとても入っていかない。
こりゃ専用工具でもないとムリそうだ。(後になって実は素人でもやれそうだったことがわかる)
このホースの再利用がムリとなると、別のホースを買ってきて代用するしかないかな?
じゃーん、ホームセンターで買ってまいりました。普っ通ーの耐油ホース。
油圧ブレーキに使うからには耐油かつ耐圧のモノが必要なのだろうが、
残念ながらこんなモノしかみつけられなかった。
これじゃ耐圧とはとても言えない。見た目からして明らかに。大丈夫かなぁ。
しかも耐油といいつつ、油が滞留するような使い方は不可なんだと。フフ、ドンピシャだね。
まぁいい、モノはタメシだ。
同じく買ってきた注射器で、ブレーキフルードをドビュゥゥーとお注射。
注射器の圧力のおかげでオイルが入るには入るのだが、中にはやはりエアが残りまくっている模様。
これはエア抜きの儀式が必要だ。
でもエア抜きったって、このブレーキにはリザーブタンクが付いてないのよなぁ。
バイクの場合、ブレーキのエア抜きとは、
ブレーキレバーとその近くにあるタンクと、
末端にあるニップルってやつを交互に操作することでわりと簡単にできる。
でもコイツにはタンクがない。ニップルもない。
どうすりゃいいんだこの気持ち。
ぐわ!注射器とホースからあふれたブレーキフルードが大量に!ドバドバっと床とか俺のツナギに!!
ブレーキフルードってちょびっと有毒なんですよー。気をつけましょうねぇ。
試行錯誤の末に完成した、即席オイル交換&エア抜きシステム。
なんとなく一輪車が入院しているようで笑える。
これは、リザーブタンクのかわりに漏斗を使ってみたということだ。
他にも耐油ホースの上から水道用の耐圧ホースをかぶせて補強してみたり、
すぐオイルがにじんでくるブレーキ根元のボルトにシールテープを巻いて締め直したりと、
涙ぐましい小手先の技が冴え渡る。
ところでこのブレーキ、構造を見る限り、おそらくオイル交換用の専用パーツなどが別にあるのだろう。
そう思ってネットを見てたら、『マグラブレーキ専用補修セット』みたいなのがちゃんとあるってよ。
フッ……。
今さら要らんわそんな高そうなモノッ!!
ともかくこの方法で、少しはエアが抜けた気がする。
でも実際に装着してみると、ブレーキの効きは実に弱々しい。これじゃ全然ダメだな。
ちなみにここまでに数日かかっている。さらに翌日。
画像がブレて申し訳ないが、エア抜きシステム完成形。
ついに漏斗を廃し頭上に注射器をブラ下げ、ブレーキも力なく垂れ下がり、
より病人っぽくなって俺としてはちょっと楽しい。
でもこのほうが以前より効率がいいのだ。
ネットの情報を参考にして、パーツをあれこれ回したり傾けたりしてオイルライン上の空気を徹底的になくす。
ブレーキを握りまくるたびに、注射器のホースを伝って浮いてくる空気の泡が見ていて飽きない。
しつこーくしつこーーくやったおかげで、かなりエアは抜けたハズだ。
完成。
気になるブレーキの効きは、まぁまずまず。
あたり一面がブレーキフルードでダバダバになったおかげでリムもパッドもフルードまみれになってしまい、
一応洗ったが本来の性能が出ているかどうかは定かではない。
あとはこの、耐油&耐水圧用の即席ホースがどれぐらいがんばってくれるかだな。
そんなこんなで、なんとなく作業終了。
とりあえずブレーキが効くようになったからそれでよしとする。
ついでに謎めいていたマグラブレーキの構造もよく学べたし、ここ数日の素人劇はムダではなかった。
うーん、清々しい気分だ。
そしてまたすぐ壊れるんだ、きっと。