よきかな

イメージ 1
 
再び江の島にやって来たぜ。
結婚式のためにな。
 
思ったよりバーディーの調子が良かったおかげで、式の25時間も早く現地に到着していたわりに、
当日本番にやって来たら、ちょっともう始まっていた。
 
イメージ 2
 
この日はアイスランドで出会った陽気なイタリア人、ヴァレリオの結婚式なのだ。
 
日本人の彼女が欲しいと切実に訴えていた彼、ついに念願の日本美女を射止める。
いい話じゃあないか。それにしても神前式とは思い切ったな。
 
集まっている人々が誰が誰やら俺にはさっぱりわからんが、とにかくインターナショナルな雰囲気である。
ちなみに左端はヴァレリオの親父さんであって、妙にシブい。
後に俺の30年前のバーディーに興味を示してくれた彼は、40年物のベスパを愛用しているそうだ。
言葉はうまく伝わらないながらもジェスチャーで「いつか見せてください。」と言っておいた。
趣味が合うと話は通じるの典型。
 
イメージ 5
 
なんせ人が多い。実に賑やかな式だ。
そこで俺は、集団からしばし離れて散策。
ずっと雨予報だった江の島が、今はおだやかな天気になっている。
よかったなぁ。
 
イメージ 6
 
お約束、新郎新婦と記念撮影。
 
ヴァレリオとはアイスランドのハプンという町で知り合ったのだが、
新婦の千春さんもまた、その町で何年も生活していたという異色の経歴の持ち主だ。
2人は俺が一輪車で走り去った後のあの町で仲良くなり、
着々と…だか色々と…だかそこはよくわからないが、とにかく愛を育んでいたらしい。
やるなヴァレリオ。
『式』とか『礼服』とか『団体』などが相当ニガテな俺を、
熱いメールと招待状攻撃でついに結婚式にまでおびき出したのはおまえが初めてだよ。
とにかくおめでとう!!
 
そんな厳粛かつ和やかな式が終わって、次は別の建物で軽い食事とのこと。
俺は結婚式なんて初めて来たので段取りなどはまるでわからないのだが、
たぶんそういうもんなんだろうと思ってノコノコついてきた。
 
招待客の中にはアイスランド人も何人かいるようで、
懐かしくも意味不明なアイスランド語が時々聞こえてくる。
その中の一人、アイスランドでの千春さんのお母さんという人物を紹介されたので、
「はじめまして。」と挨拶しといたんだが。
 
あれ?なんかあの人、見たことがあるような気がする。
いや、絶対見たことある。あの人知ってるわ。
 
そう思ってたら、千春さんが説明してくれた。
あー、そうか!
ハプンの図書館にいた人!!
 
イメージ 7
 
そうそう、図書館前で何度か話した人だった。
まさかこの人と日本で再会しようとは!
なんだか妙に嬉しくなって、一緒に写真を撮ってもらう俺であった。
 
 
イメージ 8
 
場所をさらに変えて、今度は千春さんの自宅にて盛大なパーティが催される。
 
とにかく凄い、これぞパーティと言うようなパーティだ。
でもそれでいて、心のこもった温かい雰囲気がとてもよかった。
こんな大勢の人々に心から祝ってもらえる結婚式ってのはいいものだな。
 
よし、宴会も一区切りというところで、俺は一足先においとまさせてもらおうか。
 
じゃあなヴァレリオ、お幸せに。
またどっかで会おう!
 
イメージ 10
 
よし、狙ったとおりだ。
昼間はバイクですら走る気が失せる首都圏の道も、土曜の夜遅くならこの状態。
 
今回の旅の目的は、実は2つある。
メインであるヴァレリオの結婚式には無事参加できた。
 
そして、もう1つは。
 
イメージ 9
 
バーディー50、おまえとのツーリングはこれが最初で最後だ。
 
そして、あともうちょっとで終わるぞ。
 
イメージ 11
 
埼玉県某所の某駐輪場に、バーディー50をこっそりとインストール。
これで引渡し完了だ。
神戸からなんやかんやで750キロ、よくぞ壊れることなく走り通してくれた。
 
スズキが30年以上前に造ったこのバイク。
単にバイトに使うために安ーく買ったのだが、これがまた予想外に綺麗な一品であった。
役目を終えてもこれだけはなんだか売る気にもならず、
誰かコイツに価値を感じてくれる人がいれば託したいものだと考えた。
で。
古いSUZUKIの2ストをおもしろがってくれそうな人間といえば、
俺にはこの男しか思いつかなかったのだ。
 
ところでバイクはいいけどこのデカ箱どうしよう…と考えてたら、
酒を飲んで帰ってきた本人と偶然でくわした。
じゃ、持ってきたから。あとよろしくー。
 
そこからデカ箱を抱えて終電を乗り継ぎ、
日暮里で電車がなくなってネットカフェで一夜を明かしたのは言うまでもない。
 
しかしこの箱、重い。そしてかなり不審。
深夜の日暮里で男に声をかける妖しい女性たちも、さらに怪しい俺には声をかけてこなかった。
勝利の瞬間である。
 
イメージ 12
 
さて翌朝。
帰りは新幹線で爽やか移動だ。
この箱さえなけりゃ…。
最初は発送するつもりだったんだが、翌日すぐに要るものもあってね。メットとか。
 
これで新幹線に乗るとだ、
 
イメージ 3
 
やはりこうなる。
 
そのへんに置いといて不審物扱いされるぐらいなら、このほうがまだマシだと俺は判断した。
 
イメージ 4
 
速いねー新幹線は。あっという間に帰って来られたよ。
富士山も見えたし。
でもそんなことより、俺のスマホカメラ特有である高速移動中での画面の歪み方が今回はすさまじい。
鉄塔なんか倒れかかってるぞ。いやーさすがは新幹線だ。
 
よっしゃ。
すべての用事を終えて、小旅行はこれにて無事に終了だ。
あー、よかったよかった。
 
ちなみに結婚式の引出物は、パスタとオリーブオイルだった。