仙台という世界

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もう5月も終わりだというのに、連日の15度以下。
たぶん北海道より冷えてる国道4号線をひた走って、夜中に仙台に着いた。

途中、北上や一関といった街でTシャツを広げてみようかとも思ったのだが、
ちょいと寄ってみると、なんとも人の気配が無さすぎた。
それに、今日は金曜日。いわゆる花金ってやつである。
これは仙台まで行ってみたほうが楽しめそうな気がした。

仙台に着いたのは夜の8時頃。
しかしまた、この街の広いこと。
それは昨日の盛岡あたりとは余裕でレベルの違う広大さであり、
今回地図というものを持ち合わせていない俺にとっては、
まず最初に仙台駅に向かうことすら一仕事だった。

仙台は街も広いが、人も多い。
駅前にはこの時間でも膨大な人々が行き交っている。
特に女性が明らかに垢抜けているのが目を引くぜ!

さあ、こんな状況ならもちろん今から出店だろう。
まずは駅前を見回してみたが、
かなりたくさんスペースがあるわりに、
弾き語り等をする人間が見当たらない。
禁止されているのか、または他にもっと良い場所があるのだろうか。

そこでしばらく駅近辺を歩き回ってみると、
かなり長いアーケードを装備した商店街を発見。
そしてそこには。

いるよいるいる。
同業者が!

閉店した店の前に、間隔を空けてチラホラと何か売ってる人間がいる。
絵葉書売りとか、直感メッセージ書きとか、珍妙な楽器を弾く人とか。

すごい。
これが仙台の夜か。
今まで見てきた都市とはまったく違う。

俺もさっそく!
バイクを押して商店街に入り、
適当なところでTシャツを広げた。

そうそう、実は今回、
このブログを見てくれてた人からのアドバイスによって、
Tシャツを地面ではなくハンガーで吊して売ろうと思っていたんだ。
そのためのハンガーやロープまで買っといたんだが、
今回決めた場所には、ロープを張り渡せるような手頃な物体が無かった。
てなわけで、旧態依然の地面スタイルで設置。
でも正直なところ、
絵葉書やメッセージの連中が同じように地面置きスタイルだったので、
少なからず影響されたというのもある。

それにしても夜の仙台、人通りが多い。
10時頃でも、仕事帰りや飲み会終わりの人々がひっきりなしに通る。
そして仙台の人々は、
路上でモノを売る人間というのに普通に慣れているようだ。
酔っ払いのおっちゃんを中心に、しばしば話かけられる。
特に約1名、彼は酔ってはいないようだったが、
やたらと長時間話しかけてきた揚句、
Tシャツは買わないが缶コーヒーを1本くれた、なんて人もいた。

そうこうしてるうちに、
飲んで帰る途中の若いサラリーマン集団の一人が、
仲間たちにせき立てられるような感じで、
楽しそうにTシャツを買ってくれた。
1枚千円という、本来想定していた値段で初めて売れた瞬間だ。

結局売れたのは1枚だけだったが、
手応えは非常にあった。
明日もまたこの仙台で試行錯誤をしてみたいと思う。

0時を過ぎたあたりでさすがに人通りは減ってきたが、
それでも何人もの人間が行き交い続けている。
中でも、ギターを持った連中が多く目に入る。

店を畳んで、缶コーヒーをくれたおっちゃんに教わった仙台イチの繁華街という場所に行ってみた。
そこは若者の猥雑な熱気に溢れたエリアで、
あちこちで男女がくっつき、
またあちこちで誰かがギターを弾いて歌っているのだった。

ああ、こんな場所が、本当にあるなんて。

熱唱している連中の中には、かなりな実力派と思えるヤツも何人かいた。
こんな風に弾き語りをする人間がどこからともなく集って、
それぞれの熱い想いを歌いあげる、
そんな光景なんて、俺は今まで見たこともなかった。

実はさっき、Tシャツ売りながらギターをバシバシ弾いてたら3弦が切れてしまった。
それさえなければ、俺は彼らの構成する、
この見慣れない世界の中に入っていったりしたのだろうか。

時計は1時を回り、もういい加減眠くなってきた。
街の中心部では安心して寝られないなと思い、
小雨の降り始めた仙台の街並をバイクで走る。
とりあえず適当に走って郊外に出れば、寝られる場所ぐらいみつかるだろう。
そう考えて走ってたら、
なんと8年前に野宿した公園近くにバッタリ行き着いてしまった。
かなり適当に迷走してたのに、奇遇なことだ。
そんなわけで寝床も決まった。

明日はたぶんずっと雨だろうし、
仙台に腰を据えてじっくりやってみようと思うんだぜ。

ほなまたなー。
眠いー。