一輪車の島 前編

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いつ乗っても、飛行機は凄い。
滑走路までユルユルとやる気なく進んでいたかと思えば、
いきなり本気を出したっぽく加速し、あげくになんと、飛ぶ。

地上で速いクルマやバイクがいくらイキがっても、
飛行機から見たらどう考えたって子どもみたいなもんだろう。
だって、飛ぶんだぜ。

急速に遠ざかる沖縄本島。
雲の上は、いつだって晴れだ。
たった1時間、たった1時間で、飛行機は石垣島に到着。

あっけない…これが往復40000円の力か…。
後で気づいたが、ANAで買わなければもっと安かったかもしれない。

とにかく来たよ、石垣島。
風が強く、なんだか本島より肌寒いぐらいかも。

さあ、新しい舞台に来たからには。
とりあえず一周、だよな。
石垣島南部の空港から、さっそく時計回りでスタート。

走り出してすぐに気づくのは、石垣市街の発展度だ。
11年前は造成中で空き地ばかりだった新市街には今や、
マクドにホームセンター、24時間スーパーからしまむらまである。
変わったなぁ、これだけ揃っていればまず不便はあるまい。

空港に近い新市街を抜け、海辺のコンビニから街を眺めると、
やっと島らしい、のんびりとした雰囲気が感じられるようになる。
以前に見たままのボロいコインランドリーがまだあったり。

ちなみにコンビニで、またポーク玉子おにぎりを買ってしまった。
しょっぱいとか言いながら。慣れると結構うまいんだよ。

離島桟橋のターミナルもキレイになっている。
俺が昔、日本最南端の波照間島に渡るためにバイクを置いた場所も工事中。
ここも近々リニューアルされるんだろうな。

日帰りのつもりだった波照間行き。
徒歩で一周したら意外に時間がかかり、
帰りの船に乗れずに島で夜を明かした。
そして戻ってきてみれば、バイクの荷物が盗まれていたのだった。

そんなことも、今となってはいい思い出、いい経験だ。
あのとき警官に言われたよなぁ。
「当たり前だ、石垣島は日本中の悪人が集まるところだよ」と。

マウンテンユニを快適に流し、広くもない市街を東から西へ。
市街が終われば急激に建物は減り、いよいよ一周本番の始まりだ。

あるのは、リゾート関連施設か、サトウキビ畑だけ。
石垣島を走ると受けるそんな印象は、今回も同じだ。

お、観音堂。
ここの住職に、泊めてあげるからと言われて草抜きやらされたよなぁ。
しかも、結局泊まらなかったんだよな。
複雑な思い出だ。俺も若かった。いや今でも同じ行動パターンかも。
そんなわけで、ここはパスだ。

石垣島にも予想以上に歩道があって嬉しいけど、やっぱりこれもあるのか。
本島にもよく植わっているこの街路樹、
名前はわからんのだが、ギンナンに似た固い実をたくさん落とすのだ。
ヒマな時はかわして進むのも楽しい。
しかしあまり頻繁に落ちられていると、もはやジャマ以外の何物でもない。
この実、たぶん食えないと思うんだが、
なぜまたこんな始末に困るような木を植えるのだろうねぇ。
あ、イチョウも一緒か。何か理由はあるのだろうけど。

向かい風なのに、そこそこペースはよい。
いや、ペースがいいのか?
距離も進んでいないかわりに、時間の進みも遅い気がする。
ついさっき飛行機でこの島に来たばかりなのに、
もうずっとここでこんなことをしているような、不思議な心地だ。
市街を出て以来、人にあまり会わないせいだろうか。

風は強い。
ずっと吹きつけるのではなく、時々ボウと強烈な突風が来る。
天気も曇りだし、こうなると南国という感じはあまりしない。

やがて有名なビーチリゾートの川平(かびら)湾をかすめるが、
荒れた天気の冬のリゾートは、さほど楽しそうにも見えないのだ。

そんなことより、腹が減ってきた。
やはり市街のコンビニで食料を買い込むべきだったと考えていたところで、
ありがたいことに開いている店を発見。
そこでまたポーク玉子おにぎりを買ってしまう。

しかしここのポーク玉子おにぎり、
今までスーパーやコンビニで買ったものよりも、はるかにうまい。
あのレジのお婆さんが握ったものだろうか?これはヒットだ。
なるほど、家庭のポーク玉子は普通にうまいのかもしれない。
食べられる機会は、無さそうだけれども。

よし、ともかく無事に食料補給完了。
まだまだ進むぜ!