6月2日 ディナーの誘い

 
 
大都市アトランタを避けて、ジョージア州の西側を南北に貫く長ーいハイウェイだ。
シダータウンからはここをひたすら南下してフロリダを目指すつもりでいる。
当面の目的地は、コロンバスという大き目の街。
いつ着けるかは、まったくわからん。
 
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路肩に苦労したアラバマを出て、ここが新天地のハズだったのに。
今度はまあ、坂が多いなああああぁぁぁぁ。
道が広いのはいいんだが、ずっと丘だらけ。アップダウン連発。
こういうタイプの難所は久しぶりだ。
同じく坂ばっかりだった対馬の旅を思い出す。
 
路肩の状況も安定しない。
あるといえばあるが、幅や路面の荒れ具合が数キロごとにコロコロ変わってなかなか面倒。
でもないよりは完全にマシ。あるだけありがたい!
 
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アメリカに来てからの主食的存在、ポップタルト。
どこで買っても1ドルちょっとぐらいで安く、腹持ちがよく、味のバリエーションも豊富だ。
ブルーベリーとストロベリーがお気に入りで、気分に応じて味を選んだりもする。
断言しておくが、身体にはあまり良くない。
 
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坂を下り、上って、頂点でちょっと休憩。
ひたすらこの繰り返し。
果てしなく疲れるなこれは…。
地図で見る感じではズドンと南下する走りやすそうな道だったんだが、ラクはできんものだ。
 
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ようやっとブレマンという町のウォルマートまで来た。
パワーレードの同じ味に飽きたので、ちょっと変わったお高いドリンクを買ってみる。
 
このマーサベリーハイウェイという広い道、
途中にいくつも町がありそうでいて道沿いには市街地も店もないという、とんだ裏切りロードかもしれない。
地図上にある町をアテにしていたら、ハイウェイよりだいぶ奥に入らないと町がないということがよくあるのだ。
ここは山野を切り開いて作った比較的新しい道なのかもしれないな。
 
思ったように町がないとなると、補給には気をつけたほうがよさそうだ。
そのうえ雨に当たると悲惨そうなので慎重に行こう。
やれやれ、ジョージアまでもこれか。
 
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ブレマンからさらに進んで、キャロルトン。
ここには新規開店して間もない感じのマクドナルドがあったので、充電を求めて入店。
この店は快適だ。
充電しながらWIFIを使い、ゆっくりと過ごさせていただく。
思えばアメリカのマクドにも慣れた。
今やフィレオフィッシュの注文だけは自信がある。
 
マクドでの充電休憩を終えて外に出たら、そろそろ日が落ち始めている。
キャロルトンの町にもモーテルはあるが、充電もできたことだしもうちょっと進んでおくとしようか。
そんな、町をもうじき出ようとしたころ。
いつものことだが、クルマに乗った人から声をかけられる。
今度は若くて明るそうな兄ちゃんだ。
 
「ハングリーですか?ディナーを食べていきませんか?」
 
丁寧な物腰に、聞き取りやすい英語。
どうやら教会の関係者のようだ。
旅を続けていればそういうことは直感でわかるようになる。
それしても、ああ、南部に来てからちゃんと理解できる英語に触れたのは何日ぶりだろうか。感動。
 
よし、フィレオフィッシュを食ったばかりだが、良さそうな人物からのディナーの誘いを断る俺ではない。
最初はてっきり教会に呼ばれるもんだと思っていたのに、
彼、ウェスは意外にも俺を自宅に招いてくれるそうだ。
すぐ近くだというので、歩いて彼の自宅に向かう。
そこはアパートの一室。
アメリカの家にしては狭いが、シンプルかつきれいに整頓されている。
 
そして、若い聖職者のウェスにはなんと、美人の奥さんが!!
 
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ウェスと奥さんのブリトニー、そしてディナー。
おいおい、どうやってこんな美人を捕まえたんだよ!
しかも料理がうまい!
 
英語ビギナーの俺のために、2人はわかりやすい英語でかわるがわる話題を振ってくれる。
ウェスは聖職者であちこち異動があるらしく、ジョージアが地元というわけではないらしい。
だから南部の英語が聞き取りにくいという俺の悩みに彼も同情してくれる。やっぱりなぁ。
 
ディナーはとってもおいしくありがたくいただいたわけだが、
個人的に気になるのは、リビングに置いてあるギターだ。
聞いてみると、ウェスは教会でギターを弾いて歌ったりするらしい。
おおっ、それは聴いてみたい!
ついでに動画で撮らせてくれ!
 
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俺のいきなりのリクエストにもマジメに応えてくれるウェス。
微笑ましい写真をバックに、朗々と聖歌を歌い上げる。
さすがにうまい。
タイトルはJesus paid it all というそうだ。
これはオクラホマのパーカーの自作ソングと同じく、あとで作るかも知れない動画に使えるかもな。
 
ディナーをご馳走になり、彼らのカメラにもあれこれ撮られて、アパートを出る。
36インチユニの熱い走りをまだ見ていないブリトニーのために、
最後はきっちりバケットスタートでキメておいたぜ。
 
そこから暗くなるまで淡々と走って、路肩の斜面の下の、まず人にみつからない場所でこっそりと寝る。
今日の走行は67キロ。
マクド休憩とディナーの招待で時間を食ってあまり進まなかった感じだが、こういうイベントなら歓迎だ。
 
なんだかちょっと天気が良くなさそうなのが気になる。