6月10日 無頼旅



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予想外のモーテル泊のおかげでだいぶラクができた。
天気もいいし、元気に出発。

今気づいたが俺のユニ、
北海道でもたまに見かける農機具メーカー、John Deereの緑のトラクターと同じカラーリングだな。
どうでもよい。

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写っているのは巨大な自走式スプリンクラー。
こいつがギリギリと動きながら水をまくので雨が少なくても大丈夫。
北海道でもさすがにこのレベルは見たことがない。

ところで、カスバートの町を出たところでいきなり車線が減少してしまった。
しかも延々と工事中。路肩絶無。
これには参った。
道が狭い上に大型の工事車両がバンバン通るので危なくってしょうがない。
そのため歩くばかりで遅くてたまらん、思い切って脇道の216号線というのにシフトしてみよう。


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はい、一本裏道に移動してきたよ。

1車線ではあるが、クルマが急に減ってとってもいい感じ。
これなら工事中のさっきの道よりは快適に走れそうだ。

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メインロードのマーサベリーハイウェイが新し目な道だったのと違い、裏道はずいぶんと古い雰囲気だ。
昔からありそうな工場や廃屋をよく見かける。
今日も日射しが強いので廃屋の日陰は貴重。

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裏道に入って水が少し心配だったが、どうやら干上がる前に次の町に着いたらしい。
この町、エジソンという名前。
ちなみにちょっと離れた場所にはニュートンという町がある。
何それ。

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なんだかボロいところだがとにかく店だ。
助かった、さっそく水と食料を買うぜ!

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涼しい店内にて休憩中。

どういうわけか、ここのインド人店員2人に気に入られてしまったようだ。
ウチで昼寝していったらどうかとまで言ってくれるが、ここで休むだけでも十分ありがたい。
外はとにかく暑いんだよ。

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買い物とは別にエナジードリンクを貰ってしまった。それも3本。

好きな飲み物を選べと言われて適当に手に取ったところ、それを3本まとめてプレゼントされてしまったのだ。
でもこの手のエナジードリンクって結構高いんだな。知らなかったよ。

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しっかり写真にまでおさまってくれる陽気なインド人兄ちゃん。

それにしても、店でインド人店員と話しこむことがまず珍しいのに、
さらに商品を奢ってもらうなんてのは個人的には前代未聞だ。
アメリカにインド人は無数にいるらしいが、よそ者とはあまり話さないのかと思っていた。
小さな町にフラッとやって来た一輪車野郎がよほど珍しかったのかな?
嬉しいね。
いい休憩になったよ。ありがとう!

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エジソンを出てしばらく走ったあたりで、急に雨。

すぐに止みそうだし、手近な廃屋で雨宿りをさせてもらおう。
もし止まなきゃ止まないで、ここで寝てしまえばいいだけだ。
人口密度が増えると人工物も多くなり、こういう時には助かる。

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空の様子を見ながら、ちょいちょい移動中。
丘ばかりのジョージアでもこの辺は少し平らなのか、広大な農地が続いている。
適度に人の気配があるこういうエリアは走りやすい。
野宿の段になるとまた話は違ってくるんだけどな。

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このあたりの素朴な農村の風景は結構好きだな。
裏道に入ってみたのは正解だったかもしれない。

にわか雨に時々当たりながらも今日はペースが良い。
もう次の町、アーリントンが見えてきた。

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アーリントン。
ここも少しうらぶれた、古い小さな町。

雨が上がると急に蒸し暑くなった。
家の庭で何か作業をしていた年配の男性が、俺の目の前でいきなり倒れたので焦る。
あわてて駆け寄ると、どうやら暑さで倒れてしまっただけらしい。
意識もハッキリしており深刻な状態ではなさそうなので一安心だ。

旅の間に俺が誰かを助けに行くなんて、今までと逆の立場だな。
たまにはこんなこともある。

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アーリントンの出口付近、肉屋の前で天気を見ていたら、またしても水をもらってしまった。
今日は暑いから皆さん心配してくれるのだろう。
ありがたいが、実は水は結構十分持っている。重っ!

この水をくれた人、店の客かと思ったが、ひょっとしたら店主だったのかもしれない。
何も買わないで申し訳ない。
今日は裏道の小さな町を通っているせいか、話しかけてくれる人が多い。

そういえば、ジョージアに来てからは黒人に出会う確率もかなり増えたように思う。
黒人とはこれまでも何度か話をしてきたが、西部中部までに多かったガラの悪い連中と違って、
この辺では丁寧に話してくれる品の良い黒人もたくさんいてくれるのが嬉しい。
どういう人種かよりも、どのように接してくれる人かのほうが俺にとっては遥かに重要だ。

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アーリントン、ダマスカスと来て、そろそろ暗くなってきた。

この調子なら夜までには次の町、コルキットにたどり着きそうだ。
そろそろ寝床を考えるべき時間だがちょっと家が多すぎるな。
ここでは目立つ。

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それにしても、このあたりで毎日毎日夕方になると必ず出てくる無数の羽虫は何だ!
汗か呼気に寄ってくるのだと思うが、何をするでもなくただひたすら顔のまわりにまとわりつく。
これがもう、ものっすごく不快。
そりゃあ咬まれたり血を吸われたりするよりはいいんだけどな。
おかげでオチオチ立ち止まって休憩もできない。
一体何がしたいんだよ!

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おっ、コルキット。
やはり今日中にここまで来てしまったか。
道路工事に嫌気がさして迂回してきた本日のルートだが、このコルキットで元のルートに合流だ。
ここまで来れば工事も終わっているだろう。

これで明日からはハイウェイの旅に復帰というところだが、その前に問題は今夜の寝床。
20時過ぎの夜中に町なんかに来てしまって、さてどうするか。
この時間からさらに町の郊外まで出て、羽虫の群れと格闘しながら野宿するのも面倒だと思っていたら、
偶然こんなものをみつけてしまった。

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スターモーテル。
たぶんこの町に1つしかないモーテルだ。
スターウォーズのフォントを微妙にパクッたようなチープな看板はちょっと気になるが、
フリーインターネットとも書いてあることだし、まあとりあえず話だけは聞いてみよう。

受付のインド姉ちゃんいわく、一泊35ドル。安い。決定。
異例の連日モーテルになってしまうが値段も手ごろなので良しとしよう。
何よりこの状況から野宿場所をみつける面倒さを考えるとこちらのほうがお得に感じる。
部屋なら羽虫もいないし!

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部屋もまあまあ。ごく普通のモーテル。
日本と違ってどんなモーテルでもせせこましいということだけはないのは評価したい。

ネットが使えるといいつつ俺のスマホではなぜか繋がらないのだが、気にすまい。
今日はさほど必要ないし、ネットは夜更かしの元だ。

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小さな町にポツンとあるこのスターモーテルだが、なぜか客はそれなりに来るらしい。
潰れてないんだからそこそこ需要はあるということだろう。
それよりこの町は少々治安が悪そうなので、
必要な買い物を終えたら後はしっかりと戸締りをしてひきこもるのが吉だ。

あー、今日もとにかく暑かった。
暑いのにパッド付きのサイクルパンツを3枚重ねて履いているせいで、
股のあたりが汗で擦れて傷になっているようだ。
右モモの筋肉に違和感があるのも気になる。
じっくり人の家で4日間も休養したのに、ダメージは完全には取れないものらしい。
とりあえずニューメキシコでもらった湿布の余りでも貼っておくか。

今日の走行は78キロ。
外は雷が鳴っている。