6月11日 クライマックス


夜中にまた雨が降ったようだ。
コルキットのモーテルに泊まって正解だったな。
さあ、今日のルートはまずは大きめの街、ベインブリッジを目指すことからだな。

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ぐえー、勘弁してくれよ、この路肩!

せっかくそこそこの幅がある路側帯なのに、フルでガタガタにしなくてもいいだろうよ?
クルマがいない時はちょこっと車道を走ってもみるが、
後ろから来たと思って路肩に逃げるともう見事に洗濯板状態。
ウガガガガガッと俺も荷物も盛大にシェイクされてしまう。
やってくれるぜ!

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ところでこれは、50セントぐらいで買える菓子パン、ハニーバンだ。
朝食付き安モーテルの定番でもある。

そこそこうまいので嫌いではないのだが、このハニーバン、実は地面から拾い上げたモノだ。
俺がちょうどバケットスタートで走り出した直後、
通り過ぎたクルマのドライバーが窓から投げて行ったんだよ。

たぶん一輪車で走っている俺にどうやって渡していいかわからず思い余って投げたんだと思うが、
地面に落ちたハニーバンを拾うためにわざわざ乗ったばかりのユニから降りねばならず、
ハッキリ言ってありがた迷惑である。
応援してくれるのなら普通にクルマを止めて待っていてくれればいいものを。
ま、いろんな人がいるわな。
そりゃあハニーバンは食うけどな。

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拾ったハニーバンを食べるついでにコーヒーブレイク。
午前中は涼しく、ベインブリッジまで30キロは順調にやって来た。
しかしここから先、ルートについて考えなければならない。

ベインブリッジからそのまま南下するとすぐにフロリダ州だ。
先を急ぐならこちらの方が速いと思うが、どうもこの先の道が1車線になりそうな感じ。
一方でこのままジョージア州を東に進めば、まだしばらくは2車線の広い道であることがわかっている。
しかしジョージアルートで気がかりなのは、アップダウンだ。

ジョージアと言ってももういい加減フロリダに近いし、
ここから東に進んだとしても、以前ほどの丘はないかな?
もしそうなら、単純に道が広いに越したことはない。
もうちょいジョージア州に付き合ってみるか。


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ベインブリッジの中心街。これがメインストリートらしい。
このあたりの他の町と同じく、古くて寂れた雰囲気が漂っちゃっているな。
ゴーストタウンというほどではないのだが。
ジョージア州の経済状態がひとごとながら気になる。

それはそうと、ベインブリッジ市街の通過に案の定時間を食ってしまい、
さらにその先がまさかの上り坂メインでロクに進まないのだ。

おいおい、もう丘はないんじゃなかったのか!?
そりゃまあ俺の勝手な願望だったけどな!
しまった、こんなことなら南下フロリダコースにしとくんだったか。

ここに来てとにかく嫌がらせ感満点な、のぼりにつぐのぼり。
ジョージアももう過ぎようかというこの期に及んでまだ坂が続くのか。
一体どこまで上るんだ。
俺を天国にでも連れて行く気か!

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長---くて険しーーーーい坂をのぼり詰めた頂点が、このクライマックスという町だった。
しかも店もへったくれもない、ただの集落。
この小さな何もない集落がなぜクライマックスという大袈裟な名前なのかは、
おそらく人力で上ってきた人間にしか理解できないことだろう。

クライマックスはさすがにクライマックスであったらしい。
それ以降はなだらかな平地か緩い下りがメインで、特にがんばらなくてもなんとなく前に進める。
黒人の知的っぽいおばさんとか女の子2人組とか金をくれようとするおやじとか色々遭遇はしたが、
バテてるせいかスレてるせいか、どれもあまり心に響かず。

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アメリカなのになぜかカイロという変な名前の町の入口で、ちょっと良さげなモーテルがある。
一泊50ドルってのは高いが、
昨日と同じくこんな時間に町に入ってしまうとこれから野宿場所を発掘するほうが厄介だ。

ペニー宅以降、ちょっとしたきっかけからモーテル泊が続いている。
毎日テントだとそれはそれで問題ないし、毎日モーテルだと今度はそれが当たり前になってくるものだ。
アメリカでは今のところ、予想よりもだいぶ金を使っていない。
予算が不足しているわけでもないんだから、今後は流れにまかせるか。

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今日はなぜか少し腹が緩い感じだ。
日中は暑かったので禁断のコーラを飲んだりもしたし、水分の摂りすぎだろうか?
しかし暑くて水を飲むと下痢って、それじゃどうすりゃいいんだ。
ひょっとしたら糖分が多すぎるのかもしれない。
明日から気をつけよう。

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今日の移動は72キロ。

明日はどうか坂がありませんように。