見えないようで見えている
コロナは全然収束していないのに皆さんのタガもスカスカに緩んで一見普通っぽく生活しているフロリダ。
外出することもほぼないが、幸いテニスコートは開いているため運動不足にはなっていない。念のためダブルスは断っているがまわりは誰も気にしてなくてむしろ俺だけ神経質ぐらいに思われてる気配。
世紀末的に陽射しの強いフロリダではサングラスが必須だ。
と俺は強く感じているのだが、テニス仲間でサングラスをしているのは実は俺だけ。
連中は一体何を考えてるんだ。
俺はサングラスをしていてなおテニス後に目が痛くなることがあるというのにヤツらはなぜのうのうと生きていられるのだ。
痛みは天気のいい雪山に行ってなったりする雪目の症状と同じで、目が焼けているという状態。そこそこ値の張る紫外線カットレンズをかけていてなおこれだから困る。恐るべしは標高の高い雪山に行かずとも十分に紫外線量が強いフロリダのテニスコートの照り返しである。
ある日、ひょっとしてレンズと顔のわずかな隙間から入ってくる紫外線が目に当たるのが原因か?と思いたち、俺は即動いた。
水中ゴーグルである。
シブい。テニスコートでゴーグル付けてるヤツなんか初めて見た。
まさに個性派である。
帽子をかぶればバレまい。結構自然な感じ。
実際テニス仲間にもバレなかった。何も言わないようにしていただけかもしれないが。
ちなみに帽子も超幅広&うなじを守るタレ付きなのは当然である。
テニス仲間でこんな帽子をかぶっているヤツもやはりいない。
ゴーグルを使ってテニスした結果?
2分で曇ったよ。
曇り止めも塗ったが意味がなかった。
貴重な研究結果だ。ハハ。
まぁ残念な話、俺の目が痛くなる現象は老化の一種であると認めざるをえない。
子どもの頃はこんなことなかったし、瞳の色だって今みたいな薄茶色じゃなくもっと黒かった気もする。
眼医者には老眼も入っていると言われるがまだそこまで困っておらず、むしろ44歳でここまで小さい字が見えているのは珍しいとは言われた。そのぶん中距離が全然見えてないんだけど。ボールのスピン具合もわからなくてモヤモヤしたボールを勘で打っているのはここだけの話だ。
テニス好きの眼医者には度付きサングラスを作れあれはいいぞと毎回熱心に勧められるが、俺はメガネをかけるのは運転と掃除の時だけと決めているのでサラリと断る。
コロナで在宅ワーカーが多いせいか、朝のテニスコートは混んでいる。
この画像に写る人々の中でもサングラスをかけている人はまれで、俺のようにさらにデカ帽子プラス長袖というフォーマルスタイルを貫いている人間など皆無だ。
同じテニスコートでも日本の女性プレーヤーなら顔も見えないぐらいの完全装備なんだろうにな。ほんとこっちの人は陽射しが強いのによくやるよ。
いかにも暑さや紫外線に強そう(想像と偏見)なパキスタン人カマールやジンバブエ人チャーリーはともかく普通の白人までこれなんだから、フロリダですら誰も紫外線を大して気にしていないのだろう。すぐ目が痛くなり肌が痛くなる俺の身体が弱すぎるだけかもしれないが。
結局、アメリカ人は紫外線対策でこれだから、コロナ対策が緩くて蔓延する理由もほんのりとお察しできるわけだ。
意外にもパキスタン人やジンバブエ人よりも一番暑さに強そうなのが台湾人の彼、スティーブンである。
63歳なのに俺より体力があって3時間ぐらい延々と走り回っていられるので相当な変人いや鉄人だと思っていたのだが、テニスの待ち時間中、おもむろに太極拳をはじめたのを目撃してなんとなく理由の一端がわかった気がした。昔父に教わった楊式太極拳らしい。
太極拳テニスか…なんかカッコいいな。
俺も負けじと合気道テニスとか編み出したいところだがあいにく素養がない。
今までどおりの我流老眼乱視テニスを極めてゆく所存である。