俺たち左利きのクレーキング
テニスのサーフェイス(地面)には、色んな素材があってね。
テレビでよく見るあの青い硬そうなのがハードコート、土がクレーコート、ウィンブルドンで有名な芝生がグラスコート。
他には、日本で普及している(らしい。見たことない)人工芝のオムニコートや、コンクリートのコート、さらには体育館そのままの木のコートなんてのもある。
ちなみにアメリカではハードコートが圧倒的に多く、近所にあるフリーのコートは全部ハードコートだ。
雨に強いし掃除が要らないしメンテの頻度は少ないし、ってところが理由だと思う。
USオープンもハードコートだし、まあ合理的なアメリカらしい。
で。
実は今年の春頃、ウチの近所に巨大なテニス施設ができた。
噂によると、コートが100面!もあるらしい。
しかもそこにはハードコートの他に、クレーコートも設置されているそうな。
クレーコートか…。
クレーの特徴と言えば、なんと言ってもスライド。
ズザザザー!と滑りながらボールを追うあの動きはハードコートではありえない。
イメージが沸かない人のために参考動画を載せておくけど特に観なくてもいいよ。
基本的にはハードコートでの無料テニスに十分満足している俺ではあるが、一度はクレーコートというのも体験してみたいよな。
というわけで、志を同じくするテニス歴半年のサックス教師・ジェレミーを誘って、ついにクレーコートに参戦決定。
「俺たちは明日、クレーキングになる!」
「スライドしまくりだぜ!!」
前夜から異様に盛り上がる我々。
はい来た。
早朝からやって来ましたテニスセンター。
さすがにデカいな、建設資金はいつ回収できるんだろう。
そんなことより、俺たちが予約したのはもちろんクレーコートだ。
行くぜ13番コート!
ってどこにあるんだ、広いから迷うぞ。
うおお、憧れのクレーコートがたくさん!
ここのクレーはグリーンクレーという緑っぽい色のやつで、全仏オープンみたいな赤とはまた違うんだな。
見渡す限りのクレーコート。
ライトも完備でこりゃ素晴らしい環境だ。
雨が降ってもインドアコートまであるから大丈夫!
全体を見渡せるいい写真がなかったので、公式から借りてきた画像がこちら。
こりゃほんとに100面あるな。
こっちはキッズ用のハードコート。
10歳ぐらいのキッズたちが熱心に練習していたが、たぶん俺より強いと思われる。
ここには本格的なテニススクールがあって、プロの育成もしているらしいからな。
将来ここから世界にはばたく選手が出てくるのかもしれないが、正直そんなことはどうでもいい。
さて、ここが我々の13番コート。
2人で90分20ドル払っただけあって完璧な設備である。
ささやかながら客席もあり、誰も見ていないのにムダに燃える。
今回はやらなかったが、オプションで据え付けのカメラを使って録画サービスもしてくれるらしい。
これは土をならす道具か。
練習後はこれでコートを綺麗にしてから帰れってことだな。
いいねー、クレーっぽいねー。
さああ、今日は思う存分スライドするぜー!!
ってところで、練習中に動画を撮っていたはずのカメラがまったく撮れていなかった。
1セット、タイブレークまでもつれこんだところで時間切れ引き分けとなったジェレミーとの互角の熱戦が、まっったく撮れていなかった。
えーーーー。
せっかくクレーコートデビューしたのにーーーー。
ま、人生こんなもん。
パプアニューギニアで携帯を盗まれたり女子大生アニタ・コヤンゴにカメラの画像を全部消されたり、
一輪車日本縦断の最後の最後に与那国島で携帯水没させて最西端到達の記念写真が撮れなかったりしたことに比べれば、
た い し た こ と は な い 。
とりあえず、クレーコートは楽しかったよ。
でも有料だから頻繁に来ることはまずない。ここはそのへんにタダのコートがあちこちあるしな。
スライドは面白くて充分堪能したが、それ以外は思ったほどハードコートとの違いは感じられなかった。
ボールが遅くなってあまり跳ねもしないのでラリーが長くなるというのはまさにその通りだったけどな。
そんな感じでしたー。
アディオース