4月12日(月) 氷河デー

朝はやっぱり冷える。
夜中もあまり眠れず、どうにも調子が出ない。昨日一気に走りすぎたせいもあるな。
テントを出てもしばらく身体が動かない。
しかも、今日は向かい風気味だ。

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スヴィーナフェトルスヨークトル?
とりあえず、氷河だろう。
今日は向かい風だしシンドイし、たまにはちょっと寄り道するかぁ。

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標識を信じてダートを2キロほど歩くと、氷河出現。
これはなかなか凄い。

どうせなら上に乗ってみたいところだが、
氷河との間に川が流れていて、絶妙に渡れない構造になっている。

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しょうがないのでココで乗っとく。

この氷河をたどっていくと、
アイスランド最高峰のクヴァンナダルスヌークルとか言うややこしい名前の山に行き着くらしい。
この山は標高が2110mだの2210mだのとハッキリしないのだが、
それはこの山が氷でできててしょっちゅう高さが変わるためだそうだ。


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氷河の近くの岩に、こんなプレートをみつけた。
2007年にこの氷河で行方不明になった、2人のドイツ人青年について書かれてある。
この氷河を登山だか探検だかしていて、事故に遭ったのだろう。

ここに来て君たちに会えて、よかった。

よくやった。

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氷河観光を終えて、また国道に戻ってまいりましたよ。
次の町まで133キロか…。
あと1泊か2泊はいるな。
ま、気長に行きましょ。

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しばらく進むと、
グーナさんの言っていたサービスステーションというのが、確かにあった。

でも開店は11時だそうで。
まだ10時前だ…。
まぁいい、今日は急ぐまい。ゆっくり寝て待とう。

……。

11時までのんびりと待ったカイがあり、待望の食料ゲット。
やはり食料はいい。
その場でさっそくクッキーを食べると元気が出た。
腹が減り、ノドが乾く。実に生きてるなぁ。

アイスランドで買えるクッキーやビスケットも色々試してきたが、
今のところ、クラッカーのような味気ないものが一番長持ちしていいような気がする。
クッキーはおいしくてすぐに食べてしまうし、
ましてやチョコレートなんて、おいし過ぎてそれこそ瞬間的に消滅だ。略して瞬滅。どうでもいい。

今みたいな状況では、味気ないクラッカーですら、充分おいしく感じられるんだけどな。

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しんどくて進まない時は、写真でも撮って遊ぶのが一番だ。

ちなみに写真はほとんど全部、携帯カメラのセルフタイマーで孤独に撮っております。

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頑丈なハズのマウンテンユニサイクルだが、近頃少しカタカタ音がするのが気になる。
どこかのベアリングだろうか。でもどこから音がするのか、今いちハッキリしない。
走りそのものには問題ないようなので、もう少し様子をみてみよう。

まぁ、一輪車で長旅なんかすれば、そりゃどっか調子の悪いところも出てくるだろうさ。

あれ、でも考えてみれば、長いとは言えリングロードは一周1500km。
町を出ると国道の制限速度は90キロだから、
単純に計算すると、クルマなら1日でアイスランド1周も可能なわけだ。
エンジン付きの乗り物ってスゴイよな…。
しかしなんといっても、アイスランドに来るまでの飛行機のスピードが一番ビックリしたけどな。

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今、橋の下にいる。

なぜか。

ところで、レーサーパンツ、略してレーパンというモノがある。
自転車用の特殊なパンツで、
肌にピッタリくっつく素材でしかも股の部分に柔らかいパッドが縫い付けてあるというスグレモノ。
これなら長時間走行しても股やお尻が痛くない!

…というレーパンを、実は俺も着用していた。
タイヤと同じく出発当日にスベリコミで届いたそのパンツをリュックに詰め込んで出国し、
アイスランドに来て数日後、案の定股が痛くなったので、ためしに穿いてみたのだ。
それなりに効果は感じていたのだが…、というのが、今。

ところがだ、このレーパン、恐るべきことに、
穿く時は下着をつけないというのが常識らしい!!

以前から話には聞いていたが…。
えーそんなぁ!いや俺、レースじゃなくて長旅だしィ…!
などというよくわからない理由でもって、
これまではレーパンの中に、キッチリとトランクスを穿いていたのだ。

でもなぁ…、ついに気づいてしまったのだよ。
一輪車で長時間走ってて股が痛くなるという要素の1つに、
トランクスの生地が肌にコスれて痛い、てのも結構あるんじゃないか…ということに。

説明が長くなったが、
要するに、その仮説を立証すべく、今からトランクスを脱ぐのである。

ついに、ついに俺も、真のレーパン野郎!!

あーあ。一線を超えてしまったよ。
これで痛み具合が変わらなかったらどうしよう。

ちなみに、一輪車の特殊なサドル形状にパッドを対応させるべく、
レーパンを前後反対に穿いているのはここだけの話である。

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さすが氷河の近く。
あちこちでキレイな雪解け水が手に入るのはありがたい。

アイスランドには野性動物がほとんどいないようなので、
牧場の近くなどをのぞけば、寄生虫関係はあまり問題ないだろう、と勝手に思ってる。

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昨日は台形の山ばかりが目についたけど、今日はトゲトゲの山が多い。

個人的に一言でいえば『なんにもない』というアイスランドだが、
よくよく見ると、ちょっとずつ変化があったりもする。
でもまぁ、なんにもない。

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あれからしばらく走ってみて。

レーパン直穿き、効果あるみたい。
確かに、生地のコスれる感じのチリチリした痛みは軽減した。
あーよかった。思い切ってトランクス脱いだカイがあった。

でも、股の骨にまで響くあのズシンとした痛みはあいかわらずだ。
一輪車は上体の体重をすべてサドル上の1点で支えてるから、これはしょうがないかな。
さらに今はリュックの重みも加わってるし。つくづくキャリアをつけといてよかった。

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18時過ぎ。
なんか忍者っぽいけど、ただのユニサイクルツーリストです。

アイスランドの太陽は、高い位置に来ない。
日の出から日の入りまで、ただ自分のまわりを横にスイーッとスライドしてる感じ。

朝から太陽もグルッと270度ぐらい回って、もうじき、夕暮れだ。

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舗装に埋め込まれて取れない1アイスランドクローナ。

0.8円ぐらいの価値しかないのに、すんっっごい気になる。
でもどうしても取れない。ケッ!!
ちなみにアイスランドの硬貨のデザインは、なぜかほとんど海産物で統一されております。

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これは…、氷河?
川に氷河が押し寄せてるのだろうか。まるで流氷のようだ。

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これはちょっと凄い。
長々と、見入ってしまう。

あぁ…もう20時前か。そろそろ寝る場所を探さないとな…。

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今日は適当な場所もみつからず、
そのへんの道の脇のヘンピなところでおもむろにテント設営。
今は20時半、完全に暗くなるまでもう1時間ぐらいは大丈夫だとは思うが、ズバリ疲れた。
今日はこれといって目的地があるわけじゃないしな。

20時半まで走って、走行70キロ。
調子が出ないながらも、時間がたてば、それなりに進んでしまうものだ。
でも疲れが出ていたにしてはよく走ったと思う。レーパン効果だろうか。

明日には少しは回復してるといいな。
あと、夜が寒くありませんよーに。